■【雇用統計】9月FOMCでの利上げシナリオは薄れる
9月4日(金)は恒例の米雇用統計ですね。

米雇用統計は9月4日(金)21時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
中国経済の減速により、9月16日~17日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での米利上げは延期されるだろうという声が高まっています。
ただ、今回のNFP(非農業部門雇用者数)は22万人増と堅調な予想で、失業率も5.2%へと低下の見通し。
今回の米利上げはインフレを抑えるためではなく、金利の「正常化」が目的。米ドル高や原油安といった懸念要因もありますが、雇用面から見れば、月20万人増のペースなら利上げへの大義名分は整ったと考えていいのでしょう。
結局は「経済指標が良ければ上げる・悪ければ上げない」ということ。「9月のFOMCでの利上げが見送りなら12月」という予想も多いのですが、強い数字が続くのなら、10月のFOMCで利上げする可能性もありそうです。
ただ、ここでも影を落とすのが中国の影響。先週(8月24日~)の世界同時株安で株が売られ、本来なら米国債が買われなければいけなかったのですが、そうならなかった。
世界最大の米国債保有国である中国が売っていたためのようです。

(出所:CQG)
中国による米国債の売却は市中の資金を吸収し、金融引締めの効果もありますから、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ判断にも影響することになりそうです。

発表:9月4日(金)21時30分
前回:21.5万人増(非農業部門雇用者数)
予想:22万人増(同)
■【中国】メンツにかけて9月3日まで中国株は落とさない?
8月31日(月)のフィナンシャル・タイムズ(FT)の一面は、中国政府が株の買い支えを今後見送る方針を示したとの記事でした。中国政府のやることは予想しづらいですね。
中国政府のメンツにかけて世界の首脳が集まる9月3日(木)の抗日戦争勝利70年記念パレードまでは株の暴落を防ぐだろうというのがコンセンサス。

(出所:CQG)
フィナンシャル・タイムズの記事にも併記されていたように、株価の不正操作容疑でジャーナリストを拘束するなど、中国政府は別方向からの株価対策を打ち出しています。
9月3日(木)は中国の軍事パレード、夜にはECB理事会、翌4日(金)には米雇用統計と週末に向けてイベントが続きますね。
9月3日(木)の軍事パレードまでは中国株がどうにか持つのでしょうが、その後の2つの大きなイベントを米国株が乗り越えられるのか。
NYダウが200週移動平均線レベルを割らず、逆に1万7000ドルを上抜けてくるようなら、もとの米ドル高トレンドへと回帰していくのでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
ただし、911テロ事件やリーマンショックなど9月は例年、大きな出来事が起こりやすい。不意のイベントにも気をつけていったほうがいいでしょうね。
今回のショックの発端となった人民元切り下げが再度行なわれる可能性も残っていますし…。
【参考記事】
●上海株暴落、商品市況悪化でも豪ドル下落が緩慢だった理由判明! 豪ドル下落再開か(8月20日、西原宏一)
●中国人民銀行はなぜ人民元安に誘導したのか? 人民元を取引できるFX会社はどこ?
その意味で気になるのが「ユダヤ暦」。昨日(8月31日)、テレビ番組でユダヤ教の聖職者が話していたのですが、今年(2015年)はユダヤ暦で7年に一度の「安息年」(Shemitah 、シュミーター)にあたるそう。
911テロは2001年、リーマンショックは2008年といずれも7年おきの安息年に起きています。特にユダヤ暦の大晦日にあたる9月13日近辺が危ないそうで、金融関係者にはイエレンFRB議長をはじめユダヤ系の人が多いですから、彼らが気にするのであれば、私たちも念頭においたほうがいいのでしょう。

日時:9月3日(木)
ポイント:中国政府の株買い支え策の継続

日程:大晦日にあたるのが9月13日
ポイント:9月13日前後に金融ショックの可能性
(構成/ミドルマン・高城泰 イラスト/スージー甘金)
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