■「ヘッド&ショルダー」のターゲットも1.0000ドル
続いて、3つ目の月足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされてい る。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼 ぶこともある)
(出所:米国FXCM)
当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考ええる。
そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、すでに述べたとおりに、パリティ(1.0000ドル)近辺、と考える。
■日足では700ポイントのボックス相場を形成
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは、「ピンクの破線」で表示したボックス相場を形成していた、と考える。
(出所:米国FXCM)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は1.4000ドル、下限は1.3300ドルと考える。
そして、このボックス相場「ピンクの破線」の下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」を発して、すぐに「窓(Gap)」を空けて急落している(この「窓」も「売りシグナル」だ)。
■注目の1.3ドルを割り込み、下値ターゲットを完遂
1.3300ドルを割り込んで発せられた「売りシグナル」のターゲットは、ボックス相場のセオリーに従うと、ボックス相場「ピンクの破線」の下限(=1.3300ドル)から、ボックス相場「ピンクの破線」の値幅分(=700ポイント)下落したところ、となる。
つまり、ターゲットは1.2600ドル近辺になる。
日足チャートを見てのとおりに、早々にターゲットを達成している。
みんなが注目する1.3000ドルを割り込み、さらに「売りシグナル」を発した、と考える。
1.3050ドル、1.3000ドル、1.2950ドルのそれぞれには、大口の為替オプション取引が組まれており、それを割り込む場合には、ストップ・ロス(損切りのユーロ売り)が出た、と推量できる。
そして、日足チャートを見てのとおりに、1.27ドル台ミドル(1.2750ドル)を割り込み、従来の安値を更新したことで、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:米国FXCM)
ユーロ/米ドルは、1.27ドル台ミドル(1.2750ドル)を割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、急落して1.2500ドル割れ(1.24ドル台後半)をつけている。
そして、1.2500ドル近辺から1.2900ドル近辺のゾーンで、急落、急騰を繰り返した。
つまり、「紫の破線」で示した約400ポイントのボックス相場を形成した、と考える。
(出所:米国FXCM)
この時点で、もちろん、400ポイントの上下動は小さい値動きだとは思わないが、この400ポイントの上下動が、底打ちを示すものではない、と考えた。
言い換えれば、この400ポイントの上下動は、「目先の修正局面(調整の反発局面)に入ったことを示しているだけ」と考えた。
つまり、修正局面を終えれば、改めて、大きく下落する可能性がある、と考えたわけだ。
そして、事前に想定していたとおりに、ボックス相場「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
ボックス相場「紫の破線」を割り込んでからの相場は…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)