■【黒田バズーカ】急速に高まる10月の追加緩和期待
8月24日(月)の「ミニ・ブラックマンデー」以降、新興国だけでなく、主要国でもマーケットが非常に不安定になっています。
【参考記事】
●NYダウが一時、1000ドル以上の大暴落!セリングクライマックスはいつなのか?(8月25日、西原宏一&松崎美子)
●日本株安・円高でアベノミクスが苦境に。待望される日銀の追加緩和はあるのか?(9月3日、西原宏一)
日経平均も非常にボラタイル(不安定)ですね。新興国の株価を見ているようです。そんな中で、本日(8月15日)日銀会合の結果が公表されますが、一部で追加緩和への期待が出てきています(※)。
今回はないだろうと思いますが、先週、9月10日(木)に自民党の山本幸三議員が10月の日銀会合が追加緩和を行なう「いいタイミング」と述べたことで、次回10月30日(金)での追加緩和期待は30~40%ほどに高まっています。
今回の追加緩和はないにしても、黒田日銀総裁のコメントには注意が必要ですね。10月追加緩和への期待が剥落するようなら、円高に振れるリスクがありそうです。
(※編集部注:この対談は9月14日(月)に行なっています。また、9月15日(火)の12時頃に日銀会合の結果が公表され、金融政策は据え置きとなりました)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)

開始:9月15日(火)15時30分
ポイント:次回10月会合での追加緩和の示唆
■【語り尽くされたFOMC】株式市場の反応に注目
今週(9月14日~)のメインはもちろん17日(木)深夜のFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表ですが、利上げするかどうか、各社の予想は50対50に割れています。

米国政策金利は9月17日(木)27時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
アメリカの国内要因は利上げOK、ところが海外要因を見ると「新興国をはじめとする世界的なマーケットの混乱に結びつく可能性がある」と世界銀行やBIS(国際決済銀行)は警告しています。
これまでアメリカの金融政策は国内要因重視で決定されてきましたが、今回ばかりは海外要因が考慮され、見送られるだろうと個人的には考えています。
同感ですね。「今回は見送り、12月に利上げ」という見通しも強まっていますし、12月を待たずに10月利上げの可能性もあります。
【参考記事】
●日経平均1343円暴騰はなぜ起きたのか? さらに利下げ見込むNZドルは0.55ドルへ(9月10日、西原宏一)
ブラックロックなどは「FRBはすでに利上げの機を逸した」といった趣旨のレポートを出しています。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長から、利上げを2016年まで先延ばしするような趣旨の発言すら出てくるかもしれません。

国内要因と海外要因の違いから、利上げについて難しい判断を迫られるイエレン議長率いるFRB。FOMCではいったいどんな判断が下されるのだろうか?(C)Anadolu Agency
今回は注目ではあるのですが、一方で語り尽くされたFOMCでもあります。織り込み済みなくらいに織り込まれている。利上げしてもしなくても、FOMC直後の動きは一時的なものにとどまる可能性があります。
利上げするかどうかより、イエレンの発言やそれを受けてのNYダウの動き、さらに翌日(9月18日)の新興国市場への影響を見たいですね。
中国株がまたも下げてくるようなら、その「プロキシー(代替)」となる豪ドルやNZドルでダウンサイドリスクが高まります。

発表:9月17日(木)27時
予想:据え置き
●イエレンFRB議長 記者会見
開始:9月17日(木)27時30分
ポイント:利上げ見送りならば、いつ利上げするのか
(次ページではSNB理事会や今後の戦略の話題が…)
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