■【FOMC】金利据え置き、コメントはスーパーダビッシュ
世界中から注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)は肩透かし。政策金利据え置き、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長のコメントはスーパーダビッシュ(超ハト派)で、翌日(9月18日)に株価は下落しましたが、21日(月)に大きく戻しています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)

(出所:CQG)
「米利上げはいつか?」という不透明感が株価の重石となっていたのですが、利上げ先送りで不透明感が残されました。
ただ、9月18日(金)の下落はFOMCの影響ばかりではく、市場が不安定になりやすい「クアドルプル・ウィッチング(Quadruple Witching、先物やオプションなど4つのSQが重なる日)」だったせいもあるのでしょう。
今週(9月21日~)は欧州でもニュースが多いんですよね。週末(9月20日)に行なわれたギリシャ総選挙はチプラス首相のシリザ(Syriza)が第一党となったものの過半数には及ばず、連立協議が始まります。
また、日本でどのくらい報道されているかわかりませんが、欧州では難民問題が拡大、メルケル独首相にとって最大の政治危機と言われています。
難民はギリシャを経由してドイツに向かうことが多いのですが、ただでさえ大変なギリシャ新政権は難民問題という重荷も背負わされることになり、UBS銀行は「1年以内にギリシャがユーロ圏を離脱する可能性は20-30%」としています。
■【追加緩和】過去の黒田バズーカ直前とよく似た雰囲気に
最近の為替市場は株価に追随する「シャドーマーケット」ですから、今週(9月21日~)も株価を見ながら、方向性を探っていくことになるのでしょう。
【参考記事】
●9月FOMCで利上げはあるのか、ないのか? その後の為替はどう動く? 大穴はスイス!(9月15日、西原宏一&松崎美子)
チャート的にはNYダウや日経平均、それに米ドル/円も放っておけば下がりそう。今までだと、上昇が限界に近づいたときに黒田さんがバズーカをぶっ放してスカイハイに上がっていきました。
【参考記事】
●「黒田バズーカ2」が炸裂! 米ドル/円は短期でも中期でも買い! サポートは110円(2014年11月4日、西原宏一&松崎美子)
●ザイFX!で2014年を振り返ろう!(2)【相場:後編】黒田バズーカで円安進む!
今回も追加緩和があるのかはわかりませんが、これまでのバズーカ発射直前とよく似たステージに立っていることはたしか。
【参考記事】
●日銀の追加緩和期待が高まるワケとは? ドル/円は底固め後に124円へ上昇濃厚!(9月17日、西原宏一)
10月30日(水)の日銀会合が注目されていますが、その前、10月6日(火)~7日(水)にも会合があります。警戒しておきたいですね。
ユーロ圏でも追加緩和の可能性が高まっていますが、9月23日(水)の夜、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が議会証言に立ちます。
今週(9月21日~)のユーロ圏で一番の注目。2015年年内の追加緩和の可能性や中国の影響、ユーロの為替水準に対する見方など、発言内容によって大きく動く可能性があります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
ユーロ/米ドルは高値圏でウロウロしていますが、ECBへの追加緩和期待は日銀以上。1.15~1.17ドルレベルはECBが1月にQE(量的緩和策)を行なった水準ですから、ここを超えてくると「何のためのQEだったのか」となってきます。
【参考記事】
●ECBのQEとギリシャ総選挙が終了。ユーロは一旦買戻し後に1.08ドルへ下落か(1月27日、西原宏一&松崎美子)
チャート的にも上値トライに失敗しており、メイントレンドに回帰する時期が近づいているのかもしれません。注目は200日移動平均線をクリアに割り込んでくるかどうかですね。

(出所:米国FXCM)

開催:9月23日(水)22時から
ポイント:年内追加緩和の可能性、中国の経済不振による影響など
(次ページでは米中首脳会議のポイントや今後の戦略の話題が…)
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