■【QE】12月3日(木)ECB理事会は発表時間にも要注意
今週(11月30日~)は大きなイベントが続きますが、最大の目玉は12月3日(木)開催のECB(欧州中央銀行)理事会。
ドラギ総裁は追加緩和を明言していますが、発表内容の種類で時間が異なる可能性があるので気をつけてください。
気になるポイントは2つ。ポイントのひとつは中銀預金金利(デポジット金利)の切り下げです。マイナス0.2%からさらに0.1%引き下げるというのがコンセンサスですが、もう一歩踏み込んで二段階金利の導入も候補にあがっています。
こうした標準的措置(=政策金利の変更)は21時45分に発表されるでしょう。
【参考記事】
●欧米2大中銀の金融政策が逆行する中、ユーロ/米ドルはパリティ割れも視野に!?(11月26日、西原宏一)
もうひとつのポイントはQE(量的緩和策)=非標準的措置の拡大。
こちらは22時30分からの記者会見冒頭で読み上げられるのが通例ですが、もしかすると金利発表と同時に「国債購入に関しても変更あり」と事前に発表する可能性もあります。
ECBは思っている以上のことをやるのかなとの印象もありますね。というのも、ドラギ総裁が追加緩和を明言した10月末のユーロ/米ドルが1.12ドル。このときに「ユーロ高がインフレの下ぶれリスクの原因」とも発言していました。
1.12ドルは高すぎるということですが、今も1.05ドル台と10%も下がっていません。

(出所:ヒロセ通商)
ここまで強く言うのなら、もっと下げたいのでしょう。
1.06ドルや1.05ドル近辺にはオプションがあり、抜けるのに時間がかかるかもしれませんがジワジワと下げて、12月3日(木)に加速する可能性があります。
加速するかどうかは、美子さんが解説してくれたように内容次第なのでしょう。

(出所:ヒロセ通商)
ECBでサプライズとなるかもしれないのが、国債の購入条件の拡大・変更。
今のところ、中銀預金金利より低い国債利回りの債券は買い入れの対象外ですが、購入対象とする国債の金利下限を撤廃するようなサプライズを市場はまったく織り込んでいません。
そんな発表があれば、ユーロは大きく売られるでしょう。

発表:12月3日(木)21時45分
ポイント:中銀預金金利のカット幅と、2段階金利導入の有無
●ドラギECB総裁、記者会見
開催:12月3日(木)22時30分から
ポイント:QE期間延長、増額、購入対象債券の拡大
※政策金利と同時に21時45分発表の可能性もあり
(次ページでは2017年末にユーロ/米ドルは0.80ドルとの話題が…)
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