■【FOMC】利上げは100%織り込んだ。米株への影響が焦点
今週の大注目はもちろん、12月16日(水)深夜のFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表。
利上げは100%織り込んでいますから、気にしているのは来年(2016年)以降の金利。その意味でFRB(米連邦準備制度理事会)議長のイエレンさんの記者会見、ドットチャートでの長期的金利水準に注目したいと思います。

米国政策金利は12月16日(水)28時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
前回、2015年9月のFOMCで公表されたドットチャートだと長期的金利水準は3.338%でした。
これが引き下げられているようだと米ドル売りが加速するのかもしれません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
マーケットが気にしているのは「利上げは当然。焦点は来年(2016年)、何回利上げするのか」ですが、それ以上に注意せざるを得なくなっているのが米国株。
本来ならECB(欧州中央銀行)が大規模な緩和を行ない、それが株式市場へのクッションとなった上での米利上げだったはず…。
ところがECBが期待以下の緩和だったため、株高の逆流が始まり、NYダウは1万8000ドルを超えられず反落、世界の株式市場が軒並み急落しています。特に、S&P500指数は下サイドにある巨額のオプションが売り圧力を高めています。

(出所:CQG)
原油安も思った以上の速度で進んでいますし、NY原油先物は30ドル割れを予想する声も増えてきましたね。

(出所:CQG)
今までの株高・ユーロ安・米ドル高・円安・コモディティ高という流れが、期待以下だったECBをきっかけにして、一気に逆流を始めている、ということでしょう。
【参考記事】
●12月雇用統計の翌営業日に高値をつけて反落…昨年と今年のドル/円は超似ている(12月10日、西原宏一)
FOMCを通過して米国株が踏ん張れれば2015年年末に向けてメイントレンドの株高・米ドル高へと回帰していくのでしょうが、米国株が崩れてしまうと危ない。
NYダウが1万6800ドルを割りこむと、リスクオフが拡大する可能性が高まるので要注意です。

(出所:CQG)

発表:12月16日(水)28時
予想:目標レンジを0.25%引き上げて、0.25-0.50%に
前回:据え置き
記者会見:12月16日(水)28時30分から
ポイント:来年(2016年)以降の利上げペースについての言及
■【新興国ショック】原油急落の影響でリスクオフも
ヨーロッパでは12月17日(木)、18日(金)とEU(欧州連合)首脳会議が開かれます。主な議題はロシアへの経済制裁の延長と難民問題。
一方、ロシアのプーチン大統領が12月17日(木)、年に一度の記者会見を行ないます。
米利上げを前にして南アフリカランドが急落するなど新興国が揺れていますし、原油急落でロシアも苦しいはずですから耳を傾けたいですね。
資産を新興国に分散していたサウジアラビアなどの産油国が資金を引き上げ始めているという話もありますね。
原油価格の下落もリスクオフのきっかけになるため、こちらからも目が離せません。

開催:12月17日(木)、18日(金)
主な議題:ロシアへの経済制裁延長、難民問題、EU離脱を問う英国民投票
(次ページでは英国のEU離脱やドル/円の見通しについての話題が…)
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