■【米雇用統計】米国の利上げペースは?
同じく、1月6日(水)の深夜にはFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の発表。2015年12月のFOMCは利上げに踏み切ったものの、ドットチャートを見ると、金利見通しは前回より、むしろ低下していました。
とはいえ、ドットチャートを見ると、今年(2016年)は4回の利上げが予想されているんです。FOMCの声明文では「穏やかな利上げペース」と言及しておきながらです。
これらの矛盾に対して、FOMCメンバーがどんな見通しを描いているのか、議論の内容が注目されますし、それに1月8日(金)は米雇用統計ですね。

米雇用統計は1月8日(金)22時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)

発表:1月6日(水)28時
ポイント:今年の利上げペースについての議論

発表:1月8日(金)22時30分
前回:21.1万人増
予想: 20万人増
■【英ポンド】1年を象徴する動きを見せる時期に急落!
ただ、今年(2016年)の注目は前回も話したように英ポンド。
【参考記事】
●2016年のドル/円は110円程度まで下落もBrexit巡る国民投票に向け英ポンドは…!?(2015年12月29日、西原宏一&松崎美子)
昨年(2015年)のユーロや豪ドルがそうだったように、クリスマスから年初にかけての動きは1年を象徴する動きとなることが多いのです。そして、今年(2016年)の注目通貨ペアである英ポンド/円は急落して始まっています。
【参考記事】
●2016年は英国のEU離脱懸念が高まる!? 英ポンド/円は下落余地拡大で170円へ(2015年12月24日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
日経平均も582円の急落、米ドル/円も重要なサポートだった120円を割り込んで一気に118.70円まで急落と波乱のスタートになりました。

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■【今年の10大リスク】欧州各国の対立は根深いか
著名シンクタンク「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマーさんが年初に発表する「今年の10大リスク」は市場関係者の注目度も高いですが、今年(2016年)は1位が「うわべだけの(名ばかりの)同盟関係」、2位が「欧州各国の対立(欧州各国間の溝の深さ)」、3位が「中国のたどる道」。
パリでのテロ事件をきっかけに英国ではEU(欧州連合)離脱を支持する人が増えていますし、今年(2016年)の英ポンドは厳しそうですね。
【参考記事】
●2016年のドル/円は110円程度まで下落もBrexit巡る国民投票に向け英ポンドは…!?(2015年12月29日、西原宏一&松崎美子)
同じくイアン・ブレマーが提唱する「G0(ジーゼロ)」=「リーダーとなる国家不在の世界」に近づいていますし、G0の世界では中東が混乱してもまとめる人がいません。
リスクオフ要因が2016年年初からいきなり続いていますし、今週(1月4日~)の戦略としては英ポンド/円の売り。ただ、2週間で5円の急落はあまりに速いので、175円レベルではいったんポジションをスクエアにして戻りを待ち、売り直したいですね。

(出所:ヒロセ通商)
(構成/ミドルマン・高城泰 イラスト/スージー甘金)
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