■2013年12月にすでにトレンド転換したと考えていたが…
固定観念を持たない方が良い、とも考えるが、総合的に判断すると、かなり以前から(昨年10月の日銀の追加緩和策発表よりも前に)、ユーロ/円は、下落トレンドに、すでに転換しているのではないか、と考えていた。
つまり、2013年12月27日(金)につけた高値145円台ミドルが、当面の最高値になるのではないか、と考えていた次第だ。
しかしながら、一昨年(2014年)の10月31日(金)に、日銀の追加金融緩和策の発表があったので、その時点で、考え方を、全くのニュートラルに修正した。
つまり、一昨年(2014年)の10月下旬以降のユーロ/円は、大きく急騰したが、それは、日銀の追加金融緩和策を材料とした「円安」の影響なので、その影響がどこまで続くのか、実際の相場を見て判断する、ということだ。
上述のとおりに考えていたが、ユーロ/円の大きな急落(149円台から126円台への下落)を考えると、日銀の追加金融緩和策を材料にして、「ユーロ/円は、過度に上昇していたのではないか?」と、危惧している。
わかり難いので、もう少し加筆する。
2012年7月の安値94円台から、2013年12月につけた高値145円台の期間が上昇期間で、この145円台が最高値になり、下落に転換するのではないか、と考えていた。
しかし、2014年10月の日銀の追加金融緩和策が原因で、高値を更新して、149円台をつけた。
この149円台が、二番天井になって、下落に転じる可能性があるが、126円台にまで急落した後で大きく急騰したので、今のところ、「断定・決め打ち」をしない方が良い、ということだ。
ただし、この149円台が二番天井になって、下落トレンドに転じる可能性があることにも、十分に留意する必要がある。
年初(1月4日)からの値動きを見ると、この149円台が、二番天井になって、下落トレンドに転じている可能性が高い、と考えているが、まだ、断定するには早すぎる、と考える。
このところの安値を更新して、126.00円を割り込む場合に、上述が確認できる、と考える。
■「化け線」が出ると下値が狂うと言うものの…
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。俯瞰すると、ユーロ/円は、レジスタンス・ライン「青の破線」に従い下落した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
130円台ミドル、130.00円を割り込んだので、「下落トレンド」が明確になった、と考えた。
しかし、昨年(2015年)の12月3日(木)の値動きで、理由は何であれ、129円台から134円台にまで急上昇している。
レジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
すでに述べたとおりに、昨年(2015年)の12月3日(木)は、市場参加者の薄い中での特殊な値動きで、いわゆる「化け線」ではないか、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
だから、ユーロ/円の流れは、「下落トレンド」と考えているが、「『化け線』が出た場合は、下値が狂う」と言われている。
当面の下値は、129円台や130.00円よりも、一段と高い水準になっている、と考えた。
つまり、134円台、133円台は、むしろ「ユーロ売り」の水準と考えるが、さりとて、当面のところは131円台程度、ないしは130円台程度が下値のサポート水準になるのだろう、と考えた次第だ。
しかし、年初(1月4日)の相場で、既に、安値を更新したので、「下値が狂う」を忘れても良いのかもしれない。
ユーロ/円は、4時間足チャートに示したように、ボックス相場「紫の破線」を形成した、と考えた。
このボックス相場「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発して下落し、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
昨年(2015年)の大晦日(2015年12月31日)の値動きで、131.00円を割り込み、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けた、と考える。
「売りシグナル」を発した、と考える。
基本の流れは下落と考えるので、「ユーロ買い・円売り」は不可と考える。やるならば、「ユーロ売り・円買い」と考える。
そして、129円台ミドルの安値を更新する場合は、「化け線」を無視して、新たな「売りシグナル」点灯となる。
その場合は、「ユーロ売り・円買い」でついていくところ、と考えた。
■直近の値動きではボックス相場を下抜けし「売りシグナル」
4時間足チャートを見てのとおりに、年初(1月4日)に安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
4時間足チャートに示したように、ユーロ/円は、もう一回り大きなボックス相場「緑の破線」を形成していた、と考える。
このボックス相場「緑の破線」の下限(129.50円近辺)を割り込み、
「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
「ユーロ売り・円買い」でついていくところ、と考える。
(2016年1月6日 東京時間13:00記述)
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