■【英ポンド】EU離脱を問う国民投票は6月か7月か?
今年(2016年)の注目通貨となっている英ポンドでは、1月12日(火)にNIESR(英国王立経済社会研究所)から2015年10-12月期(4Q)の英GDPが発表されます。予想値は出ていませんが、目安は0.6%。これより低い数値になると、悲観論が高まりそう。
そして1月14日(木)はMPC(イングランド銀行金融政策委員会)。利上げ票が前回の1票からゼロ票になるとは思わないですが、弱腰な議事録になっているようだと、英ポンドは売られそうです。

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また、注目のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票ですが、キャメロン首相は先日、テレビで2016年中の実施を好むとして、「2月のEUサミットでおおよそのイメージが固まるだろう」と発言していました。
早ければ、6月か7月の投票となるのでしょうし、遅くとも9月と英国では見ているようです。イギリスでは寒さが厳しくなり、投票率が下がりやすい10月以降の選挙や国民投票を避ける慣習がありますから…。
【参考記事】
●2016年のドル/円は110円程度まで下落もBrexit巡る国民投票に向け英ポンドは…!?(2015年12月29日、西原宏一&松崎美子)
ただ、英ポンド/円に関しては2015年年末からすでに19円の下落。やり過ぎ感もあります。NYダウが200週移動平均線を維持している限り、いったん調整したところを慎重に売っていきたいですね。
【参考記事】
●2カ月で16円暴落!ポンド/円は想定どおり急落! 株安・円高のカギはNYダウが握る(1月7日、西原宏一)

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開催・発表:1月14日(木)21時
前回:0.5%に据え置き
予想:0.5%に据え置き
ポイント:議事録での利上げ票数。前回(利上げ1票、据え置き8票)からの増減
■【日銀】1月金融政策決定会合で追加緩和のウワサも
気をつけたいのが日銀。1月28日(木)から29日(金)に開催される日銀会合で追加緩和を発表するのでは…とのウワサが一部で流れています。
円高が加速すれば、日本株も下がってしまうので可能性はゼロではない。アメリカの金融緩和も第3弾まででしたし、次の緩和は黒田さんにとって最後の切り札。慎重に判断するとは思いますが、日銀には要注意です。

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■【メルケル政権】集団暴行事件の対応間違えれば崩壊も…
中央銀行では今週、1月14日(木)にECB(欧州中央銀行)の議事録発表もあります。マーケットを失望させた、昨年(2015年)12月3日開催分の議事録ですから、どんな経緯で腰砕けの追加緩和となったのか、内容が注目されます。
【参考記事】
●ドラギの失敗は欧州各国にどう影響する?ユーロは長期サポート抜けられず上昇へ(2015年12月8日、西原宏一&松崎美子)
今週(1月11日~)は要人発言も連日続くのですが、中でも注目されるのは12日(火)のフランス中銀金融政策カンファレンス。
黒田さんやFRB(米連邦準備制度理事会)のフィッシャー副議長、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のカーニー総裁、IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事とそうそうたるメンバーが参加するので、発言には気をつけないと。
1月14日(木)からはEU財務相会合もありますが、気になるのはドイツ。
ケルンで起きた大みそかの集団暴行事件以降、難民受け入れに寛大な姿勢をとって きたメルケル首相への批判が高まっています。難民問題への対応を間違えるとメルケル政権は来年(2017年)の総選挙まで持たないかもしれませんね。
2016年は年初からイベントが多いのですが、まとめると注目は米国株。NYダウが200週移動平均線を割りこむようならリスクオフポジション、たとえば、豪ドル/円や英ポンド/円の売り、それにユーロ/豪ドルの買いですね。
【参考記事】
●2カ月で16円暴落!ポンド/円は想定どおり急落! 株安・円高のカギはNYダウが握る(1月7日、西原宏一)

開催:1月12日(火)
参加者:黒田日銀総裁、フィッシャーFRB副議長、カーニー英中銀総裁、ラガルドIMF専務理事など

発表:1月14日(木)21時30分
ポイント:追加緩和を巡る議論の内容
(構成/ミドルマン・高城泰 イラスト/スージー甘金)
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