■【ECB】中銀総裁のイレギュラーな動きが暗示するものは
今週(1月18日~)は泣いても笑っても21日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会なんですが、金融政策に大きな変更はないでしょう。
これだけ株が落ちると素直に考えればさらなる金融緩和が必要になりそうですが、それを妨げるのがドイツ。先日、メルケル独首相がドラギECB総裁と非公式に会談したそうです。メルケルさんもバイトマン独連銀総裁も金融緩和に反対しています。
普段は公にしない非公式会談を今回わざわざ発表した意図はわかりませんが、「追加緩和は不要」と釘を刺したのかもしれません。
イレギュラーといえば黒田日銀総裁も先週(1月11日~)、フランスでの講演をキャンセルし緊急帰国。マーケットの話題となっています。
世界的に株価が下落している中、来週、1月28日(木)から29日(金)の2日間に渡って日銀会合が控えています。日経平均の1万6500円、1ドル=115円をもしも割り込んでくると、「アベノミクスは何だったんだ?」となるので、何かしら手を打ちそうな感じがしなくもない。

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
日銀会合の直前、1月26日(火)から27日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)もあります。
これまでアメリカと歩調を合わせてきた日銀だけに、今週(1月18日~)は追加緩和の思惑が高まるかもしれません。ECBに関してはなんとも言えないですね。今のところ、ユーロ/米ドルは1.05ドルから1.15ドルくらいのレンジの中で動くのかなというイメージ。

(出所:CQG)
ドラギさんも身動きが取りづらそうですしね。顔や行動に出やすい人なので、記者会見にどんな顔で出てくるのか、最初に着席するときの顔を見てみたい。

政策発表;1月21日(木)21時45分
予想:金融政策据え置き
記者会見:1月21日(木)22時30分
ポイント:さらなる金融緩和を示唆する発言があるのかどうか
【英ポンド】賃金上昇率の悪化でさらなる英ポンド売りも
昨年(2015年)末からのリスクオフ相場で急落した英ポンドですが、今週、1月19日(火)にCPI(消費者物価指数)、20日(水)には雇用統計が発表されます。

英CPIは1月19日(火)18時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 欧州主要経済指標の推移)

英雇用統計は1月20日(水)18時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 欧州主要経済指標の推移)
中でも注目なのは雇用統計の賃金上昇率。前回の2.4%に対して、今回は大きく落ち込んで2.1%となる予想。
2014年後半に大きく上昇した分が今回の計算から除かれるので当然の下落なのですが、数字だけを見れば、利上げ先送りの連想から英ポンド売りの材料となりそう。2%を下回るようなことになれば、なおさらですね。

(出所:CQG)
英ポンドについては2015年年末から20円以上も落ちていますが、原油がこれだけ落ちると中東系のマネーが巻き戻されますし、中東勢はイギリスにも多く投資していましたから、「中東がダメ=イギリスもダメ」という連想が働きやすいのでしょう。

(出所:CQG)

発表:1月20日(水)18時30分
前回:2.3%(失業率)
予想:2.3%(失業率)
前回:2.4%(賃金上昇率)
予想:2.1%(賃金上昇率)
(次ページでは見方が割れる加政策金利や今後の戦略の話題が…)
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