■【日銀マイナス金利】メディアの論調は過小評価
まずはいろいろあった先週(1月25日~)の動きの振り返りから。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は予想どおりにハト派的な声明文となり、次の利上げ時期についてマーケットでは今年(2016年)12月との予想が高まっています。
そうだとすれば年4回の利上げどころか、今年(2016年)あと1度利上げするかどうかということになります。そして日本銀行のマイナス金利。驚きましたね。
【参考記事】
●日銀のマイナス金利導入で相場大荒れ! 米ドル/円は急上昇→急反落→ジリ上げ
●日本経済新聞が事前に報道! 日銀のマイナス金利導入は察知されていたのか?
足もとのリスクオフ局面に対してG7(先進7カ国)が強調して動くのではと想定していましたが、ECB(欧中中央銀行)が追加金融緩和を示唆、FOMCはハト派寄りの姿勢を強め、仕上げに日銀が動いたということ。
【参考記事】
●2016年前半相場のカギを握る日銀会合。一番重要なのは追加緩和の有無ではない!(1月28日、西原宏一)
とくに日銀に関しては市場がリスクオフに傾いた中、抜群のタイミングで出してきたなという印象です。

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
メディアではマイナス金利の効果に対してネガティブな論調が目立ちますが、悪影響が懸念された地方銀行に対する配慮もなされていて、ある程度の効果を発揮するのではと見ています。
かなり思い切った政策ですが、今回はまだマイナス0.1%。他のマイナス金利導入国を見ると、ユーロ圏はマイナス0.3%だし、スイスはマイナス 0.75%、スウェーデンにいたってはマイナス1.1%。
これらの数字を見ると、まだ日本には多くの引き下げ余地が残されていることになりますね。
マイナス金利によって中国経済の不安や原油価格の下落に歯止めがかかるわけではないですが、少なくとも2016年年初からの急激な株安、円高というリスクオフの流れはいったん収束したと考えています。
■【米雇用統計】1月は例年悪化、影響は限定的か
イベントに行くと、今週、2月5日(金)は雇用統計。

米雇用統計は2月5日(金)22時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
前回12月のNFP(非農業部門雇用者数)は29.2万人増と非常に強い数字でしたが、例年1月は寒波や大雪の影響で悪化しがち…。20万人前後、あるいは20万人を割ることもありえます。
ただ、米利上げへの影響で見ると雇用よりも国外要因に目が向いているので、10万人割れといったようなよほど悪い数字が出ないかぎり、マーケットへの影響は限定的でしょう。
それより注目されるのは来週(2月8日~)の「ハンフリー・ホーキンス」。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長による議会証言です。
米利上げが遠のいたり、年1回になるからといって米ドル売りに転じるかというと疑問。やはり米ドル高なのでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
何度も伝えてきたNYダウの200週移動平均線も死守され、日経平均も「マジノ線」である1万6000円割れを回避し1万8000円直前まで戻しています。
【参考記事】
●ソロスも警告するリーマンショック再来はあるのか? その鍵を握るのは米国株…!?(1月12日、西原宏一&松崎美子)

(出所:CQG)

(出所:株マップ.com)
リスクオフで買われていた円の巻き戻しも出て、米ドル/円は125円方向なのでしょう、押し目買い目線でよいと思います。

(出所:CQG)

発表:2月5日(金)22時30分
前回:+29.2万人(非農業部門雇用者数)
予想:+21万人(同)
(次ページでは3カ月に1度のスーパー・サーズデーの話題が…)
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