■【米利上げ】イエレン議長の議会証言が大注目!
今週(2月8日~)の注目は何といっても、2月10日(水)、11日(木)に行われる、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレンさんの議会証言。
それしかないと言ってもいいくらいです。当初の年4回利上げは到底不可能で、マーケットが織り込むのは1回利上げできるかどうか。そんな状況で、イエレンさんが市場に配慮して、発言をハト派に寄せるのかどうか。
議会証言は10日(水)に下院、11日(木)に上院で日本時間24時から行われますが、冒頭でイエレンさんが読み上げる文章は両日ともまったく同じ。異なるのは、その後の質疑応答部分です。
先週(2月1日~)は米ドル売りとリスクオフ的な動きが同時に進みましたが、ニュースなどでも報道されているとおり、中国は今週(2月8日~)は、春節(旧正月)のため休場。
そのため中国発のリスクオフの心配は後退していますが、2月8日(月)から欧州株が急落しています。
現段階(2月8日24時時点)ではドイツのDAX指数が3%以上の下げ。なかでもドイツ銀行が10%近く下げていて、「第2のリーマンブラザース」になるのでは…と懸念が高まっています。

(出所:CQG)

(出所:CQG)
ドイツ銀行のデリバティブ残高はドイツのGDPの約20倍、ユーロ圏GDPの約5倍と巨額で、とてもドイツやユーロ圏で救済できる規模ではありません。

開催:2月10日(水)、11日(木) 両日とも24時から
ポイント:利上げについての見通し。ハト派寄りの姿勢を強めるのかどうか
■【株価急落】「ドイツ銀行ショック」となるのか?
今年(2016年)1月からのリスクオフに対しては欧・米・日と中央銀行がこぞってハト派姿勢を強め、局面の打開を図りました。
【参考記事】
●2016年前半相場のカギを握る日銀会合。一番重要なのは追加緩和の有無ではない(1月28日、西原宏一)
とくに日銀のマイナス金利導入は、中長期的に見れば日本の機関投資家のリバランスを促し、日本国債からリスク資産である株や外債へとマネーが向かうのでしょう。
【参考記事】
●日銀のマイナス金利導入で相場大荒れ!米ドル/円は急上昇→急反落→ジリ上げ
●日銀のマイナス金利の効果は賛否両論。円安・株高は中長期マネーがカギを握る(2月4日、西原宏一)
ただ、その動き出しが遅い。そこへ来て、ドイツ銀行をはじめとする欧州株の下落が深刻化するようだとリスクオフとなる可能性が高まり、米ドル/円の115円割れが見えてきます。
(※編集部注:この対談は2月8日(月)に行なっています。その後、米ドル/円は、2月9日(火)の東京時間に115円の大台を割り込みました)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ドルインデックスは先週(2月8日~)、2009年5月以来の急落でした。

(出所:CQG)
このまま米ドル/円が115円、日経平均が1万6000円を割ってくると、いよいよアベノミクスは終わってしまう…。

(出所:株マップ.com)
この先の日程を見ると、5月に伊勢志摩サミット、7月には参院選が控えています。来年(2017年)4月の消費税10%は先送りされるかもしれないですが、ドイツ銀行ショックの深刻化でリスクオフが深くなりそう。
(次ページでは今週の注目イベントやリスクオフ相場の話題が…)
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