■マイナス金利導入をどう評価すればよいか、市場は混乱
先月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されると、118円台から121円台にまで急騰した。
しかし、この日(1月29日)の米ドル/円は、121円台から119円台に急落し、そして、120円台に上昇するなど、乱高下をしており、市場はマイナス金利という金融政策に関して、どのように評価すれば良いのか、混乱していた、と考える。
■現在の米ドル/円は週足でボックス相場の下限を割り込む
続いて、別のラインを描いた下の週足チャートをご覧いただきたい。
(出所:ヒロセ通商)
すでに述べたとおりに、サポート・ライン「紫の破線」を割り込んだ時点で、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」で、116円台前半まで急落したが、116円台前半から反発急騰して、121円台を回復している。
その後は、120.00円程度を中心レートに、上下動を繰り返した。
そして、米国雇用統計を材料に、123円台に上昇したが、今年(2016年)になってからの値動きでは、サポート・ライン「青の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
しかしながら、依然として、米ドル/円は、「緑の破線」で示したボックス相場を形成していた。
昨日(2月9日)の東京市場で、115.00円を割り込み、ボックス相場「緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
週足チャートを見てのとおりに、サポート・ライン「青の破線」を割り込んで、「売りシグナル」を発した、と考える。
2つ目の週足チャートを見ると、この「売りシグナル」のターゲットは、ボックス相場「緑の破線」の下限と考えることができる。
週足チャートを見てのとおりに、上述のターゲットを達成した。
そして、このボックス相場「緑の破線」の下限(115.00円)を割り込み、新たな「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
先月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、121円台に急上昇したが、マイナス金利導入前の安値を更新して、ボックス相場「緑の破線」を下に抜けた。
このマイナス金利という金融政策が効果があるのか、マーケットは疑問に思っている、と考える。
■日足では2014年11月にできた「窓(Gap)」を埋めていない
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。一昨年(2014年)の10月31日(金)に発表された予想外の「日銀の追加緩和策」を材料に、米ドル/円は、それまでの高値(110.10円)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
米ドル/円は、この急騰で、「窓(Gap)」を空けて上昇している。この「窓(Gap)」は、さらなる「買いシグナル」だ。
112.50円近辺のこの「窓(Gap)」は、「窓埋め」をしていないが、今後のチャート・ポイントになると考える。
一昨年(2014年)10月31日の「日銀の追加緩和策」を材料にした、米ドル/円の急上昇では、121円台後半の高値をつけている(この時点での最高値は、121.80-85円水準)。
121円台後半の高値をつけてからは、上昇のスピードが激しかったので、その調整局面に入った、と考える。
121円台後半から115円台に急落し、そして、115円台からは120円台に急上昇している。
■2015年5月下旬まで約6円幅のボックス相場を形成していた
米ドル/円は、「緑の破線」で表示した約6円幅のボックス相場を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
この時点で俯瞰すると米ドル/円の上昇は、サポート・ライン(1)「青の破線」に従っていた、と考える。
このサポート・ライン「青の破線」(1)を割り込み、「売りシグナル」を発して118円台前半にまで下落した。
この下落の原因は、「2015年3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表とイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言で、米国の利上げが、2015年6月ではなく、2015年9月以降になりそうだ、と多くの市場参加者が判断したこと」と考える。
つまり、米国の利上げが先延ばしされたことを材料に、「米ドル売り・円買い」になった、と考える。
しかし、118円台前半からは…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)