■【ECB】追加金融緩和でユーロ急落はあるのか?
今週(3月7日~)は大きなイベントがふたつ。ひとつはもちろん、10日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会。
昨年(2015年)12月のECB理事会ではユーロ/米ドルが420pips動き、今年(2016年)1月のECB理事会では120pips動いています。今回も400pipsとは言わないまでも、それなりに動くのでしょう。ドラギ総裁は追加金融緩和の発表を公言しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ECBに追随する形でマイナス金利を導入した日本では投資マインドを冷やし、銀行株を急落させてしまいました。
【参考記事】
●日銀マイナス金利導入が円高・株安誘引!? ドル/円急落の裏で何が起こっていたのか?(2月18日、西原宏一)
これでは「何のためのマイナス金利なのか?」と、その意味が問われてしまいます。ECBはどんな手を打ってくるのか。
今回はマイナス金利を0.3%から0.4%あるいは0.5%にまで拡大、国債買い入れを月額600億ユーロから750億ユーロ程度まで増大、それに期間の再延長といった内容が想定されています。
これに加えて、買い入れ対象国債の利回りの下限撤廃、さらにはレポレート(ECBの主要政策金利)のマイナス化といったことまで発表されるとサプライズとなり、ユーロは素直に売られそう。

ECB政策金利は3月10日(木)21時45分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)

(出所:CQG)
政策金利については日本時間10日(木)21時45分で発表、その他は同22時30分からのドラギ総裁記者会見で発表と、2段階での発表になるはずです。
ユーロ/米ドルについて、大手銀行の長期予測ではパリティ(1ユーロ=1米ドル)という見通しが多いものの、日銀が1月にマイナス金利を導入して通貨高を誘引したため、今回のECB理事会はその後の相場動向を読むのがちょっと難しい。
ただ、テクニカル的にはユーロ/米ドルはかなり収束しており、ECB理事会で大きく動く可能性が高まっています。大きく動くのであれば、ダウンサイドの可能性が高い。

政策金利発表:3月10日(木)21時45分
記者会見:3月10日(木)22時30分から
ポイント:追加金融緩和の内容
■【英ポンド】カーニー総裁が国民投票についての議会証言
もうひとつの大きなイベントがBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のカーニー総裁による議会証言。
今回はBrexit(英国のEU離脱)を問う国民投票の決定を受けての財政政策、金融政策についての質疑応答になります。なぜ、中銀総裁に財政政策まで聞くのかわかりませんが、テーマがテーマだけにとても重要です。
何を話すのかは出たとこ勝負になりますが、英ポンドを取引する人は注意したほうがいいでしょう。議会証言には金融安定理事会(FSB)のメンバーも出席しますので、Brexitによる株価暴落などが起きた場合、どのような対策を導入し、世界の金融市場の安定を図るのかにも注意したいです。
Brexitもあり、長期のプレイヤーがセーフヘイブン(逃避先)として米ドルを買っているようですね。アメリカの景気がしっかりしているのもたしかですが、セーフヘイブンとしての米ドル選好となっているようです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
中央銀行ではカナダ、ニュージーランドで政策金利発表もありますが、どちらも据え置きの見通しです。

カナダ政策金利は3月9日(水)24時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)

NZ政策金利は3月10日(木)5時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)

開催:3月8日(火)18時15分から
ポイント:Brexitによる金融政策への影響
(次ページではメジャーSQや3月末に向けての戦略の話題が…)
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