みなさん、こんにちは、葉那子です。
今回は、主要FX会社における、預かり残高、口座数、取引高の最新データをご紹介したいと思います。

■有力FX企業の月間データランキングに気になる変化あり
大手市場調査会社の矢野経済研究所は、「有力FX企業16社の月間データランキング」を毎月公表しているのですが、2016年1月の最新データを見てみたところ、いくつか気になる変化が見られました。
矢野経済研究所のレポートは、主要FX会社のうち、社名または数値の公表を前提として、調査協力を得られた会社の各種データをまとめたもので、「預かり残高」、「口座数」、「取引高」の3部門のランキングがあります。
国内FX会社がすべて網羅されたランキングではありませんが、主要な会社はしっかり入っています。
それでは、まず最初に「預かり残高」のランキングから見ていきましょう。

※集計対象は無回答1社を除く15社の合計値。その他には1社含まれる。
ここで、このランキングの注意点があります。
それはランキング1位の「SBIグループ」が、SBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレードの3口座の合算値となっていることです。そのため、企業単体の1位はGMOクリック証券となります。
さて、前月、2015年12月のランキングと比較してみると、上位のランキングに変動はありませんでしたが、前月比の増減額を見てみると、預かり残高が減っているところがほとんどです。
2016年1月の為替相場といえば、年明けから円高が加速し、米ドル/円は、120円台から一時115円台まで下落する場面もありましたが、2016年1月29日(金)に日銀がマイナス金利導入を発表したことで、一気に下落分を全戻しするなど、乱高下した1カ月でした。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
もしかすると、この激しい相場に振り回され、損失を出してしまったトレーダーが多かったのではないでしょうか。
■マネーパートナーズの預かり残高は前月比21.9%の大幅増
ただ、ランキング上位6社が軒並み減少している中、7位のマネーパートナーズが前月比21.9%増となっているのが気になります。
しかも、マネーパートナーズの過去の預かり残高を調べてみたところ、2016年1月の預かり残高、6033億1600万円は、過去最高額であることもわかりました。
そんなマネーパートナーズといえば、矢野経済研究所が実施する「FXサービスパフォーマンステスト」において、7年連続で約定力No.1を獲得し、先日、当コラムで取り上げたばかりです。
【参考記事】
●7年連続約定力No.1達成! 個人トレーダー出身者が社員に多いFX会社、知ってる?
特に大口のトレーダーは、スリッページが発生しやすいという悩みを持つ方も多いようで、その点では、約定力の高いマネーパートナーズなら安心して取引ができますね。
とはいえ、約定力の高さは、これまでもマネーパートナーズが売りにしてきたポイントで、突如20%も預かり残高が増加した理由と考えるのは無理がありそうです。
ちなみに、口座数の増加は977件と、前の月に比べるとむしろ減っているので、新規の顧客が劇的に増えたわけでもありません。
■株価急騰のきっかけはビットコイン?
また、マネーパートナーズといえば、約定力No.1のほかにも、米国の大手ビットコイン取引所、「Kraken(クラーケン)」と業務提携を発表したことでも話題となりました。
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!?そもそもビットコインとは?
●マネパがビットコインレートの表示開始! ビットコインが夏に上昇しそうな理由とは?
現在、マネーパートナーズのウェブサイト上では、ビットコインの参考レートが掲載されていて、それをきっかけにマネーパートナーズの親会社であるマネーパートナーズグループ(東証一部:8732)の株価が急騰。
【参考記事】
●仮想通貨の法規制化への動きを受けて、マネパGの株価が9営業日で3倍超上昇!
ただ、実際には、まだビットコインの取引ができるわけではないので、これが預かり残高増加につながったわけでもなさそうです。
結局、預かり残高が急増した原因はわかりませんが、なにかと景気の良い話題が続いているマネーパートナーズの動向は、要チェックですね。
■口座の増加数が減ったのはマイナンバーが原因か
続いて、口座数ランキングを見ていきましょう。これについては2015年12月のデータと2016年1月のデータを並べて掲載してみます。

※集計対象は16社の合計値。その他には1社含まれる。
※ヒロセ通商の口座数には、バイナリーオプションの口座数が含まれる。

※集計対象は16社の合計値。その他には1社含まれる。
※ヒロセ通商の口座数には、バイナリーオプションの口座数が含まれる。
2016年1月の口座数ランキング上位の顔ぶれに目立った変化はなかったのですが、各社の増減数を前月(2015年12月)と比べてみると、変化がありました。上の2つの表を見比べてみると、口座数の増加率が12社のうち8社も減っていることがわかります。
FX会社によって数字の大小はありますが、特に一番減っていたのは、企業単体での口座数ランキング1位であるDMM.com証券。2015年12月の増加数が5688件だったのに対し、2016年1月は2652件しかなく、1カ月の口座増加数が約3000件も減っていました。
口座開設数の増減は、相場変動に左右されるところが大きく、相場が大きく動いた時などは、FXを始めようと口座開設する人も増える傾向にあります。
ただ、前述のとおり、2016年1月は、米ドル/円をはじめ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が動いた1カ月でした。
それなのに口座の増加数が減った背景には、FXの口座開設にマイナンバーが必要になったことが影響しているのではないかと思います。
【参考記事】
●FXとマイナンバー(3) ついに発見! マイナンバー確認書類提出が不要な会社
■外為どっとコムの月間口座開設数が増えているヒミツ
現在、ほとんどのFX会社では、口座開設の際にマイナンバー確認書類の提出が必要となっています。
そんな中、主要FX会社の1つでもある外為どっとコムは、口座開設時にマイナンバー確認書類を提出する必要がありません。
外為どっとコムの場合、既存の口座保有者と同様、口座開設した後にマイナンバーの番号を通知すればよいシステムとなっているのです。
【参考記事】
●FXとマイナンバー(3) ついに発見! マイナンバー確認書類提出が不要な会社
このおかげか、軒並み減少した月間口座開設件数の増加数が、外為どっとコムでは前月比増となっています(※トレイダーズ証券も微増)。
2015年12月は1528件だった外為どっとコムの口座増加数は、2016年1月には2247件とかなり増えているのです。

※集計対象は16社の合計値。その他には1社含まれる。
※ヒロセ通商の口座数には、バイナリーオプションの口座数が含まれる。

※集計対象は16社の合計値。その他には1社含まれる。
※ヒロセ通商の口座数には、バイナリーオプションの口座数が含まれる。
2015年10月からマイナンバーの通知が行われたわけですが、まだまだ不慣れな人が多いのか、マイナンバー確認書類提出のところで、つまずいてしまう人が多いのかもしれません。
推測ではありますが、マイナンバー確認書類提出の有無は、口座開設数の伸びに影響があるのではないでしょうか。
それでは、最後に取引高のデータも…
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