■【G20】上海合意と安倍首相のカッコつき発言
今週(4月11日~)注目したいのはワシントンで4月14日(木)から開催されるG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)。
2月に上海で開催されたG20では米ドル高是正をめざす「上海合意」があったとされ、市場ではそれを裏付けるように米ドル安が進んでいます。

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上海合意があったのかどうか、今回のG20でニュアンスが伝わってくるのではと期待しています。
【参考記事】
●前代未聞! 歴代FRB議長4人が揃う講演。ドル/円は105円、100円へ向かう可能性も(4月5日、西原宏一&松崎美子)
上海合意の有無はさておき、前回のG20では通貨安政策の回避で合意したことが公表されています。
追い打ちをかけるように先週(4月4日~)、安倍首相は「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」と発言。
【参考記事】
●安倍首相が米国に「介入しない」と宣言!? 上海合意で、米ドル/円は100円も視野に!(4月7日、西原宏一)
これもあって4月に入ってからは、すでに米ドル/円は5円も円高が進んでいます。

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ただ絶対に介入がないわけではない。安倍首相の発言は政治用語。「介入は慎まなければならない(今の状況では)」とカッコ付きで解釈する必要があります。
この速度で米ドル/円が105円を割ってくるような急速な円高に対しては介入もあるのでしょう。

(出所:CQG)

開催:4月14日(金)、15日(金)

開催:4月15日(金)~17日(日)
■【ドーハ会合】産油国は減産で合意できるのか
安倍首相の発言は米ドル/円の110円割れ直前に出たこともあり、最悪なタイミングでしたね。
今週(4月11日~)のイベントを見ると、週末の4月17日(日)にはドーハで産油国の会合が予定されています。
WTI原油のチャートを見ると、200日移動平均線の下での推移が続いています。
200日移動平均線を明確に上抜けてくるようなら、リスクオン要因となりそうです。

(出所:CQG)
また、今週(4月11日~)はGDPをはじめ、中国の経済指標が多く発表されます。悪い数字になるのでしょうが、それでトレンドが大きく変わることはなさそう。
ただ、2016年年初のリスクは原油安と中国経済の不安がきっかけだっただけに気をつけておきたいですね。
米ドル高がコモディティ安、とりわけ原油安を誘って、世界経済を冷え込ませ、金融市場を混乱させた――それを是正するための上海合意だったのかもしれません。
だとすれば、米ドル高の修正だけでなく、原油や英ポンドを含めた金融市場全般の安定をめざしていくのか。そのあたりのヒントもG20では探りたいですね。
「米ドル高はいいところまで修正された」といったニュアンスの発言が出ない限りは、米ドル安が続き、そうなれば原油などのコモディティ市場も安定するでしょう。

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開催:4月17日(日)

発表:4月15日(金)11時
前回:6.8%(前年比)
予想:6.7%(前年比)
(次ページでは注目のパナマ文書や米ドル/円の戦略の話題が…)
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