■【米利上げ】俄然高まるイエレン講演の注目度
先週、5月19日(木)に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は予想以上のタカ派。6月FOMCでの利上げ観測が急浮上してきました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
先物市場での6月利上げ織り込み度を見ると、5月雇用統計発表時には5.6%だったのですが、これが33.8%へと急上昇。
今週(5月23日~)は地区連銀総裁の講演が続き、5月27日(金)にはFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が講演します。利上げについてのヒントが出るのか、非常に注目ですね。
思い出すのは3月のこと。地区連銀総裁が「4月利上げ」に積極的な発言を繰り返し、期待が高まりましたが、イエレンさんがすべてひっくり返した。
【参考記事】
●安倍内閣はなりふり構わず、株高を演出!? 米国4月利上げ期待が高まったワケとは?(3月29日、西原宏一&松崎美子)
●前代未聞! 歴代FRB議長4人が揃う講演。 ドル/円は105円、100円へ向かう可能性も(4月5日、西原宏一&松崎美子)
今回も同じことを繰り返すのか、あるいはタカ派的な発言をするのか。
いずれにせよ、3月の記憶があるため、市場参加者は6月利上げに対してまだ懐疑的。イエレンの発言で確認しようとしているため、注目度が非常に高まっています。

開始:5月27日(金)26時15分から
■【Brexit】6月FOMCの1週間後には英国民投票
少し先の話になりますが、気になるのは6月の日程です。
FOMCは6月14日(火)~15日(水)、追加緩和のウワサも出ている日銀会合が15日(水)~16日(木)、その翌週の23日(木)にはBrexit(英国のEU離脱)を問う英国民投票。
FOMC以降、不透明感の高いイベントが続くことになります。
英国民投票という非常に不透明感の高いイベントを1週間後に控えて、イエレンさんは本当に利上げできるのか、疑問ですよね。
今年(2016年)は年初からボラティリティの高いマーケットが続きましたが、その火種だった原油価格は最近、安定傾向。

(出所:CQG)
FOMCメンバーが強気な姿勢を見せ始めているのは、ボラティリティの落ち着きが最大の理由なのかもしれません。
それなのに、ボラティリティを非常に高めかねないイベント=英国民投票を1週間後に控えて利上げというのは、考えづらいですよね。
常識的に考えればタイミングが非常に悪い。ただ6月を逃すと、今度は大統領選が近づいてくるため、動きにくくなってくるのも事実です。イエレンにとって難しい判断となります。
さて、渦中の英ポンドは先週(5月16日~)、大きく買い戻されましたね。

(出所:CQG)
最新の世論調査では残留支持が44%、離脱が40%。投票まで4週間を切ってもまだ拮抗しており、予断を許しません。
テレビ討論会の日程も続々と決まってきて、今週(5月23日~)は、26日(木)にBBCテレビで開催されます。
態度を決めていない人たちが討論会を見てどう動くのか? 今週(5月23日~)、イギリスではインフレレポートについての議会証言も予定されており、これらのイベントを無事に通過すれば、英ポンド売りのショートカバーも出てきそうですが…。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足)

開始:5月24日(火)18時から

開始:5月27日(木)4時から
(次ページでは伊勢志摩サミットや今後の戦略の話題が…)
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