■米国の利上げ開始の思惑が拡大し、買いシグナル
2015年11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに、「12月の米国の利上げ開始」の思惑が拡大し、ボックス相場「紫の破線(細線)」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
米ドル/円は、123円台に上昇したが、124円台には届かなかった。
2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMC(の直前には、120円台程度に下落したが、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、米ドルの利上げ開始が発表されて、123円台に上昇した。しかし、123円台からは下落に転じている。
この時点での米ドル/円は、ボックス相場「青の破線(細線)」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「青の破線(細線)」の上限は123円台後半程度、下限は120.00円近辺、と考える。
2015年末(大みそかの12月31日)の時点では、120.00円がサポートになっていた。それで、2016年年明けの値動き(つまり、1月4日の値動き)に注目していた。
年明け(1月4日)の値動きで、120.00円を明確に割り込み、つまり、ボックス相場「青の破線(細線)」の下限(120.00円)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と判断する。
120.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」点灯後の米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限は121円台後半程度、下限は116.00円近辺、と考える。
このボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成している最中に、1月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、米ドル/円は、121円台に急上昇した。この時の高値が、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限だ。
■ボックス相場を割り込み新たな売りシグナルを発した
そして、日足チャートを俯瞰すると、米ドル/円は、「赤の破線(太線)」で示した一回り大きなボックス相場を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「赤の破線(太線)」の上限は125円台ミドル程度、下限は115円台ミドル程度で、値幅約10円のボックス相場と言える。
日足チャートを見ての通りに、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」を割り込み、「売りシグナル」を発し、ボックス相場「赤の破線(太線)」を割り込み、新たな「売りシグナル」を発した、と考える。
■ボックス相場の下限を次々と割り込む
ボックス相場のセオリーでは、ボックス相場を下に抜けた場合は、その下限からボックスの値幅分、下落したところがターゲットになる。
つまり、ボックス相場「赤の破線(太線)」の下限は115.50円近辺、ボックス相場「赤の破線(太線)」の値幅は約10円であるから、ターゲットは、105円台ミドル程度、と考える。
日足チャートを見てのとおりに、米ドル/円は、105円台ミドルの安値をつけている。
だから、上述のターゲットは、すでに達成した、と考える。なお、ターゲットの水準(105円台ミドル程度)を「赤の破線(両端矢印)」で表示した。
米ドル/円は、115円台で発せられた「売りシグナル」に従い、下落して、ボックス相場「緑の破線(太線)」を形成した、と考える。ボックス相場「緑の破線(太線)」の上限は115.00円近辺、下限は110.50円近辺、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
そして、ボックス相場「緑の破線(太線)」の下限(110.50円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この110.50円近辺で発せられた「売りシグナル」に従い、下落して、ボックス相場「茶色の破線(太線)」を形成した、と考える。
ボックス相場「茶色の破線(太線)」の上限は112.00円近辺、下限は107.50円近辺、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
4月29日(金)のゴールデン・ウィーク初日に、このボックス相場「茶色の破線(太線)」の下限(107.50円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
■112円がポイント!明確に上抜ければトレンド転換も
この「売りシグナル」に従い、105円台ミドルの安値を付けた。
105円台ミドルの安値を付けて以降は、麻生財務大臣の「口先介入」を材料・きっかけに、110円台にまで反発(上昇)した。
直近の相場(=1月下旬以降の相場)は、短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」に従って下落した、と考える。
この短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
しかし、現時点では、この「買いシグナル」に従わない方が良い、と考えている。
112.00円近辺が、次のレジスタンス(チャート・ポイント)になっている、と考えるからだ。
112.00円近辺を、明確に上に抜ける場合は、相場のトレンドが変わる可能性があるので、要注意と考えている。
米ドル/円が、112.00円近辺を、明確に上に抜けない場合は、短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、修正することになる。
微妙な局面で、大いに注視するべきところ、と考えている。
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。米ドル/円は…
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