■【米雇用統計ショック】来週の利上げは消滅
先週、6月3日(金)の米雇用統計は久しぶりの超サプライズ。
NFP(非農業部門雇用者数)は16万人増の予想に対して、わずか3万8000人の増加にとどまりました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
米国の利上げ期待は大幅に後退し、Fed Watch(利上げの織り込み度を測る指標)では利上げ時期が11月、12月へと大幅に後ズレし、米ドル安が進んでいます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
6月23日(木)に英国民投票を控えているため、もともと来週、6月14日(火)~15日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは難しいとみていましたが、米雇用統計で決定的となった格好。
7月に利上げできるかどうかも微妙となりましたね。
【参考記事】
●イエレン発言で米利上げ観測が高まったが常識的に考えれば、6月米利上げはない(5月31日、西原宏一&松崎美子)
6月6日(月)、日本時間25時30分から始まるFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の講演への注目度が非常に高まってきました(※)。
よほど利上げに前向きな発言をしない限り、米ドルの頭は重いのでしょうが…。
イエレンさんのことですから、強気な姿勢は崩さず、「今後の経済指標次第」といった発言になるのでしょう。
(※編集部注:この対談は6月6日(月)に行なっています。イエレンFRB議長は講演では、利上げについて「緩やかな利上げが最良」との前向きな姿勢を示しつつも、時期については言及しませんでした)
■【ビッグイベント】FOMCや日銀会合、英国民投票など満載
米利上げがなくなったとはいえ、来週(6月13日~)はFOMCと日銀会合、再来週(6月20日~)には、英国民投票と大きなイベントが控えていて、今週(6月6日~)は明確な方向感が出にくいかもしれませんね。
この対談でも何度もお伝えしたとおり、米ドル/円の105円から106円にかけては、高値125.85円からの15%調整、アベノミクス直前の安値と高値で引いたフィボナッチの38.2%が重なる重要なポイントです。
【参考記事】
●麻生財務相の口調強く、介入の可能性も!? 豪州利下げで、豪ドル安の行方にも注目!(5月10日、西原宏一&松崎美子)
●日銀ゼロ回答&初の為替監視リスト入り! 米ドル/円は106円台到達で目標は100円に(5月2日、西原宏一)
米ドル/円は戻り売りでいいのだと思いますが、今週(6月6日~)、105.55円の安値を下抜けできないとチャート的にはダブルボトム。慎重にトレードしたいですね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ですが、米国株はというと、利上げ期待が後退したのに冴えない…。米ドル安、株安となるとミニ・リスクオフになる可能性もあるのかなと思います。
(次ページではオセアニアの金融政策やメジャーSQの話題が…)
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