■ドイツ銀行株をカラ売りする方法はある?
ドイツ銀行株が大きく揺れ動いている…。
ドイツ銀行と言えば、ドイツ最大手で世界的にも有名なメガバンク。そのドイツ銀行の株価が今年(2016年)に入って一気に下げ幅を広げると、9月以降、さらに急落しているのだ。
ドイツ銀行株暴落の背景については、のちほど紹介するとして、この相場に参加して、ドイツ銀行株を取引するにはどうしたらいいのだろうか?
外国株を取扱っている証券会社の中には、ドイツ銀行株を買うことができるところもあるだろう。ただし、外国株口座で信用取引は通常できず、したがって、売りから入って取引することはできない。
でも、CFDなら個別株の取引ができる取扱会社もあり、通常、売りから取引することができるし、もちろん買いもできる。
【参考コンテンツ】
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たとえば、CFDなら、ドイツ銀行株がこのまま下落し続けると思えば売りから入ればいいし、救済策などが出て反発すると思ったら買いから入ることだってできるというわけだ。
【参考記事】
●CFDでは売りから入ると金利がもらえるってどういうこと!?
■ドイツ銀行株が取引できるCFD口座は?
では、どの会社のCFD口座でドイツ銀行株は取引できるのだろうか?
記者が調べてみたところ、日本でCFDを取扱う会社の中で、IG証券とサクソバンク証券のCFD口座でドイツ銀行株の取扱いがあることがわかった。


ちなみに、これら2社のCFDの取扱い銘柄数は、IG証券が約1万100銘柄、サクソバンク証券が約7000銘柄。両社とも海外の個別株を豊富に取り扱っており、その銘柄数は、CFDを取扱う会社の中でも群を抜いている。
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■ドイツ銀行株が大きく下落している要因は?
それでは、IG証券のチャートを使って、ドイツ銀行の株価を見てみよう。
ドイツ銀行株は業績悪化により、昨年(2015年)から売られていた。2015年10月には3万5000人にのぼる大量のリストラ計画を発表したりしている。
さらに、今年(2016年)に入ると売りが強まる展開となった。

(出所:IG証券)
2016年1月28日(木)に発表した2015年決算で、ドイツ銀行は過去最大の68億ユーロ(1ユーロ=113円換算で7684億円)の赤字を計上した。そして、2016年2月ごろには、ドイツ銀行が発行したCoCo債(偶発転換社債)の利払いが遅れるのではないかとの不安が高まった時期などもあった。
その後、材料出尽くしもあっていったん底打ちしたものの、Brexit(英国のEU離脱)による世界的な株安により下落。さらに経営不安説が払拭できない中、ドイツ銀行株は9月中旬から下げ足を速めた。
【参考記事】
●ついに英国のEU離脱が確定的な状況に!! 英ポンド暴落、米ドル/円も100円割れ
その後、なんとか落ち着いたようにも見えたが、2016年9月16日(火)、今度はモーゲージ担保証券(MBS)の不正販売に絡んで米司法省から巨額の和解金140億ドル(1米ドル=101円換算で約1兆4140億円)を課されたことが明らかに。
これが経営不安に拍車をかける格好となり、ドイツ銀行株は直近安値を割り込むと一時、10ユーロ台前半まで急落することとなった。

(出所:IG証券)
2016年9月末時点、ドイツ銀行の株価は10ユーロ前後。2015年4月末は33ユーロ前後だったから、ざっくり3分の1以下になってしまったということだ。

(出所:IG証券)
その後、9月30日(金)に和解金が減額されるという報道が出て、株価は反発したものの、まだ公式にこの事実が確認されたわけではなく、不安を完全に払拭する状況には至っていない…。
なお、ザイFX!コラム執筆陣の陳満咲杜さんは、以前からドイツ銀行の問題について懸念を示していたが、米司法省からの制裁金があまりにも巨額であることから、これは「死刑宣告」だと指摘している。
【参考記事】
●ドイツ銀行破綻ならEU版リーマンショックに! 英ポンド/円は史上最安値を更新する!?(7月1日、陳満咲杜)
●円高進行に警戒を!ドイツ銀行倒産危機や大統領選挙などリスクオン妨げる材料満載(9月30日、陳満咲杜)
■金融システム不安に備えて(?)CFD口座を開設しては…
ちなみに下のローソク足チャートをご覧いただくと、突然、ローソク足のヒゲが急激に伸びているところがいくつかある。

(出所:IG証券)
これについて、フランクフルト証券取引所に上場しているドイツ銀行の株価の推移を調べたところ、このような長いヒゲは確認されなかった。
この要因としては、IG証券のチャートデータが参考レートであること、ほかにもビッド(Bid)とアスク(Ask)の幅が拡がってしまっていることなどが推測できる。
(※編集部注:一般的に「ビッド」とは価格を提示する側の買値のこと、「アスク」は価格を提示する側の売値のことを指す)
そこで、記者がズバリ、IG証券の担当者に質問してみたところ、チャート上の表示については安定していないところがあるものの、取引に関しては問題ないとのこと。つまり、チャート上のローソク足が明らかにおかしくても、そのレートで取引は成立しないそうだ。
とはいえ、取引は成立しなくても、明らかにおかしい値動きをしているローソク足が表示されてしまうと、ユーザーが混乱してしまうことはあり得る。この点については、IG証券の今後の改善に期待したい。
ここまで、ドイツ銀行の株価暴落に絡めてCFDについて紹介してきた。IG証券のCFD口座なら、ドイツ銀行だけでなく、欧米の主要銀行株の取引も可能だ。
金融システム不安に備え(?)、気になる銘柄がある人は、IG証券にCFD口座を開設して、銘柄の動きをチェックしつつ、チャンスがあればトレードしてみるのはどうだろう。
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(ザイFX!編集部・庄司正高&井口稔)
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