■米国の早期利上げ観測で米ドル/円は右往左往
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。 短期のチャート見ると、米ドル/円は下落して、99円台を付けている。この安値(99円台)から、104円台に上昇している。
(出所:ヒロセ通商)
この上昇は、短期のサポート・ライン(1)「赤の破線」に従っていた、と考える。
2016年9月2日(金)の米国雇用統計は、事前の予想よりも悪い結果だった。そのため、米ドル/円は一時102円台後半に下落した。
しかし、事前予想よりは悪い結果であろうとも、この程度の内容ならば、9月のFOMCでの利上げの可能性はあり得る、と考えた向きは、「米ドル買い・円売り」に出た様子だ。
9月2日(金)の米国雇用統計発表後の米ドル/円は、102円台後半から104円台前半程度に上昇している。
しかし、その後の値動きで、短期のサポート・ライン(1)「赤の破線」を割り込み、米ドル/円は、「売りシグナル」を発した、と考える。そして、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「ピンクの破線」の上限は104円台ミドル程度、下限は101.00円近辺、と考える。
この時点での米ドル/円が、104円台から101円台に急落したのは、この当時に発表された米国経済指標が、予想よりも悪かったので、米国の早期利上げ観測が後退したことが、理由・原因だ。
米国の早期の利上げ観測が強くなったり、弱くなったりして、右往左往していた、と考える。
また、日銀が追加の緩和策を打ち出すのか否かに関しても、市場参加者それぞれの思惑が、ばらばらだった印象だ。
■9月21日(水)の日銀会合に対する思惑で上下
9月21日(水)の日銀政策決定会合の直前に101円台前半を付けて、13時20分すぎに会合の結果が発表されると、102円台後半に急上昇した。
(出所:ヒロセ通商)
日銀の政策を材料にして、市場参加者のそれぞれの思惑で、大きく売り込まれたり、相場を買い上げたりしている感じがしる。
つまり、日銀の発表前は、「(新政策は)何も出ない」といった思惑で、「米ドル売り・円買い」が進み、101円台前半に下落した。
しかし、通常は正午すぎに出る結果発表が、13時をすぎても出ないので、「重大な追加緩和策が出るのではないか?」といった思惑で、「米ドル買い・円売り」となり、102円台前半に急上昇した、と考える。
そして、「何だか、よくわからない内容」を日銀が発表したので、「ひょっとすると重要な追加緩和策か?」と勘違いした市場参加者が、102円台後半にまで「米ドル買い・円売り」を行った。
日銀の結果発表後に、日経平均株価が、大きく上昇したことが、「ひょっとすると重要な追加緩和策か?」と、余計に勘違いさせた理由だ、と考える。
しかし、今回の日銀の内容は、「ほとんど、現状維持にすぎない」と考える。
時間が経過して、マーケットが冷静になると、102円台後半にまで急上昇した修正で、「米ドル安・円高」に動いた、と考える。
つまり、日銀の政策に関する思惑で上昇した反動が原因で、下落に転じ、ボックス相場「ピンクの破線」の下限(101.00円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える
その後の米ドル/円は、ボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「赤の破線」の上限は103円台ミドル程度、下限は100.00円近辺、と考える。
4時間足チャートに、短期のレジスタンス・ライン「青の破線」を…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)