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太田忠
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FX情報局

実はチャイナショック時以上にひたひたと
進んでいる中国人民元安。その理由は?

2016年11月25日(金)12:10公開 (2016年11月25日(金)12:10更新)
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■中国人民元のSDR入りを機に、介入は控え気味に?

 もう1つ、中国当局が大々的に為替介入をしない理由としては、当記事前半でも少し触れた10月1日(土)付で行われた中国人民元のSDR(特別引出権)構成通貨入りが挙げられそうです。

 SDRは、IMF(国際通貨基金)が加盟国の準備資産を補完する目的で創設した制度。2016年11月現在、米ドル・ユーロ・中国人民元・日本円・英ポンドの5通貨で一定の比率に基づいた通貨バスケットが構成され、SDR価格が決まっています。

 IMF加盟国には、一定の割合でSDRが配分されており、危機などで準備資金が不足した時には、仮想の準備通貨であるSDRと引き換えに、他の加盟国から外貨などを融通してもらうことができるのです。

 SDR構成通貨への加入には、「輸出額の大きさ」や「通貨を自由に取引できる」などの要件をクリアする必要があります。ある程度、中国当局が為替レートを管理する管理変動相場制を採用している中国人民元ですが、IMFは、2015年のSDR見直しの際に、中国人民元もこれらの要件を満たすと判断し、SDRの構成通貨入りを認めました。そして、2016年10月1日(日)の正式加入となったのです。

【参考記事】
楽天証券が中国人民元/円を新たに追加。中国人民元相場でも注目は米大統領選!
固定相場制(ペッグ制)が招いた悲劇!? 香港ドルなどの取扱い停止はなぜ増えた?

■国際通貨の仲間入り! 自由変動相場制への過渡期か

 SDR入りは、中国人民元がある種、国際通貨の仲間入りを果たしたことを意味します。「自由に取引できる」通貨ということは、当局が為替介入をしまくって為替レートをガッチガチにコントロールするワケにはいきません

 中国当局も、SDRの構成通貨入りを機に、できるだけ市場の動きに為替レートの変動を任せようとしているのではないでしょうか? その結果、今回の件で言うと、全体的に米ドル高に向かいやすい環境下で、必然的に中国人民元安が進んだとみることもできそうです。

 中国の為替市場は、今まさに管理変動相場制から米ドルや日本円などと同じ自由変動相場制へ、生まれ変わろうとしている真っ最中なのでしょう。

 直接的な要因ではないものの、中国人民元のSDR構成通貨入りという出来事も、中国当局の為替介入を控えさせ、市場の流れに沿った中国人民元安をさらに進める材料となったのではないでしょうか?

■実は、2014年初頭から中国人民元安は続いている

 ここまで、2016年10月頃からスピードが急になった中国人民元安の原因についてあれこれ推察してきましたが、そもそも対米ドルでの中国人民元安が始まったのは、もっと前の2014年初頭でした。

 それまでは長い間、中国人民元高・米ドル安傾向が続いていたのですが、ここで明らかにトレンド転換しています。2014年初頭に何が起こったのでしょうか?

米ドル/中国人民元 月足
米ドル/中国人民元 月足

(出所:CQG)

 この頃は、2014年1月のアルゼンチンペソの大暴落に代表されるように、米国のテーパリング開始に伴う新興国通貨の急落が話題になっていた時期です。

 実際には、2013年5月のバーナンキFRB議長(当時)の「テーパリング始めます」宣言以降、米利上げを目前にした資金流出懸念から新興国通貨は下落基調にあり、マーケットでは全体的に米ドル高が進みました。

【参考記事】
4.75%の高金利! カギはトランプ氏が握る!? 今、メキシコペソが注目されるのはなぜ?
トルコが政策金利を4.25%上げて12%に! 暴落していたトルコリラが一転、急上昇!
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■米ドル高につられて中国人民元上昇! ついに切り下げへ

 米ドルの上昇に伴い、管理変動相場制で、ほぼ米ドルに連動するような格好で管理されている中国人民元は、日本円など米ドル以外の通貨に対してグイグイ上昇していきました。

中国人民元/円 月足
中国人民元/円 月足

(出所:CQG)

 結果的に、中国人民元高は輸出で不利に働き、中国経済を圧迫…。その後、2015年8月には、中国人民銀行は中国人民元の実質的な切り下げを行いました。これは中国の輸出テコ入れ策として行われたという見方が多いようです。そして、そこから米ドルを含め、主要通貨に対して本格的な中国人民元安が始まったのです。

【参考記事】
中国人民銀行はなぜ人民元安に誘導したのか? 人民元を取引できるFX会社はどこ?
田代尚機氏に聞く中国経済(2) 世界同時株安の背景に中国の米国債大量売り懸念

 中国国内からの資金流出が顕著になってきたのも、この頃から。そして、マーケットの中国市場に対する警戒感が高まり、あのチャイナショックにつながったワケです…。

【参考記事】
中国発のリスク回避強まり世界同時株安! 南アランド/円は乱高下、一時10%超暴落!
田代尚機氏に聞く中国経済(1)上海株の暴落は中国経済減速が原因ではない!

 2016年10月頃から対米ドルでの中国人民元安が加速しているのは事実ですが、長期的なトレンドで見ても、ここ3年弱は中国人民元安トレンドが続いてきたことが確認できましたね。そう、傾向自体は今に始まったことではないのです…。

■これからも中国人民元安は続くと考えるのが素直か

 ということで、長々とお伝えしてきましたが、始めの方の話なんてもう忘れちゃった! という方のために、ここまでの話のポイントをざっくりまとめておきましょう。

<米ドル/中国人民元相場のポイント>

・ 2016年10月頃から、米ドル/中国人民元で米ドル高・中国人民元安が加速している

・ 対米ドルでの中国人民元安が始まったのは2014年初頭からで、2015年8月の実質的切り下げ以降、チャイナショックを経て本格化した

・ 直近は、米利上げ期待に加え、米大統領選でのトランプ氏勝利に伴って全体的な米ドル高に拍車がかかっている。さらに、最大45%の関税をかけるという過激なトランプ発言は、中国人民元安方向へ動く要因に

・ 中国では経済の減速を懸念した国外への資金流出が続いており、最近は、さらに増加している。これが中国人民元安の根本原因ではないか?

・ 中国当局は、景気対策のため輸出を促進するべく、中国人民元安をある程度容認しているっぽい。これも、中国人民元安を後押しする材料に

・ 中国当局はSDR入りを機に、市場の自然な値動きに為替レートの変動をある程度任せようとしているっぽい。これも、中国人民元安を後押しする材料に

・ 中国当局は、米ドル高・中国人民元安が行き過ぎないよう介入し、適宜コントロールを図っているっぽい

 推測の部分も多々ありましたが、今回取り上げたことが事実だとしたら、これから先もしばらくは、中国人民元安傾向が続く可能性はありそうです。

 しかも、行き過ぎないように為替介入でコントロールしてくれるなんて、米ドル買い・中国人民元売りの取引をすれば、結構、安定した運用益が望めるかも!?なんて思ってしまう…。もちろん、どんなものでも相場の先行きに絶対はありませんが…。

 ということで、最後に…

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