■ヘッド&ショルダー完成、102円程度を想定内に
続いて、別のラインなどを書き込んだもう1つの週足チャートをご覧いただきたい。このチャートに示したように、ユーロ/円が「ヘッド&ショルダー(※)」を完成した、と考える。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
(出所:ヒロセ通商)
つまり、126.00円近辺を明確に下に抜けて、下落したので、「ヘッド&ショルダー」を完成して、「売りシグナル」点灯と考える。
この「ヘッド&ショルダー」に着目すると、その最大のターゲット(最も下落幅が大きい場合を想定)は、102円程度になる(「ピンクの破線」で、「ヘッド&ショルダー」の形状を示している。
この「ヘッド&ショルダー」の形状は、少し「いびつ」だが、126.00円近辺を明確に下抜けしたので、大きく急落する可能性があることに留意する必要がある、と述べてきた。
そして実際に、想定したとおりの展開になっている、と考える。
レジスタンス・ライン「赤の破線」を加筆した。
(出所:ヒロセ通商)
「ヘッド&ショルダー」の形状を示した「ピンクの破線」を上に抜けているが、レジスタンス・ライン「赤の破線」は上に抜けていない。
だから、トレンドは変わらずに、下落トレンドが持続している、と考える。
■日足チャートを見る限り下落トレンドは変わらず
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/円は、15円幅のボックス相場「紫の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このチャートでは、その上限が表示されていないが、ボックス相場「紫の破線の上限は141.00円近辺、下限は126.00円近辺、と考える。
1月29日(金)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、急激な「円売り」になった。
ユーロ/円は、132円台に急上昇している。
状況の変化(日銀の追加の金融緩和策)が、その後の相場に、どういった影響を与えるのか、十分に気を配る必要がある、と考えた。
しかし、日足チャートで見る限りでは、特段の変化は見つからない。つまり、ユーロ/円の流れは、下落方向(下落トレンド)と考える。
日銀が、マイナス金利を導入したにもかかわらず、132円台を高値にして、ユーロ/円は下落した。
ボックス相場「紫の破線(太線)」の下限(126.00円近辺)を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い下落して、ユーロ/円はボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「赤の破線」の上限は128円台ミドル程度、下限は120円台ミドル程度と考える。
そして、120円台ミドルを割り込み、安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/円は、この「売りシグナル」に従い下落して、ボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「茶色の破線」の上限は123.00円近辺、下限は115.50円近辺、と考える。
2016年6月23日(木)に実施された英国の国民投票の結果が、6月24日(金)の東京市場で報道された。
英国民が、EU(欧州連合)からの離脱を選択したことから、「リスク回避(リスク・オフ)」の思惑が広がり、安全通貨とみなされる「円買い」になった。
ユーロ/円は、ボックス相場「茶色の破線」の下限(115.50円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、大きく急落して110.00円も割り込んだ。
109円台からは、反発している。
115円を割り込んでからのユーロ/円は、ボックス相場「ピンクの破線」を形成している、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は118.50円近辺、下限は109.00円近辺、と考える。
現在も、ユーロ/円は、このボックス相場「ピンクの破線」を形成中だ。
■当面はボックス相場を上抜けできるか否かに注目
レジスタンス・ライン(1)「緑の破線」と、レジスタンス・ライン(2)「緑の破線」を表示した。
日足チャートを見てのとおりに、レジスタンス・ライン(1)「緑の破線」の引き方では、このラインを上に抜けて、「買いシグナル」を発したようにも映る。
しかし、引き続き、ボックス相場「ピンクの破線」の内側(インサイド)であり、レジスタンス・ライン(2)「緑の破線」は、その傾きを緩やかにして、実際の相場に合わせて修正した。
当面のところは、引き直したレジスタンス・ライン(2)「緑の破線」と乖離しているので、このレジスタンス・ライン(2)を意識しなくて良い、と考えている。
つまり、当面のところは、ボックス相場「ピンクの破線」に注目すれば良い、と考える。
現時点では、「ボックス相場『ピンクの破線』の上限である118.50円近辺を、上に抜けることができるか、否か?」に注目すれば良い、と考えている。
そして、この日足チャートを俯瞰すると、値幅15円のボックス相場「紫の破線」を下抜けした場合のターゲットを達成したことが読み取れる(「紫の破線(両端矢印)」で表示した)。
ターゲット達成は、「英国のEU離脱」が決定したことを材料に下落した時だった。
総合的に判断すると、かなり以前から…
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