■竹中平蔵氏が主席研究理事のシンクタンクって?
外為どっとコムといえば、老舗なのにネオ化してスプレッドをガッツリ縮小してみたり、女優の深田恭子さんをCMキャラクターに起用したりと、話題に事欠かないFX会社だ。
その外為どっとコムの傘下には、外国為替専門のシンクタンク「外為どっとコム総合研究所」(以下、外為どっとコム総研)がある。
そもそもFX会社がシンクタンクを持っていること自体、かなり珍しい。また、シンクタンクで外国為替専門というのも珍しい。
さらに、外為どっとコム総研で主席研究理事を務めているのは、あの竹中平蔵氏というから、これまたスゴい。
説明は不要かもしれないが、竹中氏と言えば、小泉政権で金融担当大臣や総務大臣などを歴任し、「不良債権処理」や「郵政民営化」に尽力したことで有名。現在、慶応大学名誉教授、東洋大学教授として教鞭も取っている。
【参考記事】
●竹中平蔵氏が校長のFX予備校が開校!? 有名講師陣のFX講義、受けるなら今でしょ!
■外為どっとコム総研が刊行する「外為白書」とは?
そんな、竹中氏が主席研究理事を務める外為どっとコム総研では、毎年、「外為白書」を刊行している。
この「外為白書」には、1年間の為替相場の動きやFX業界の動向、さらにFX投資家アンケートによる実態調査などが掲載されている。
そして、2016年10月に最新刊『外為白書2015-16(第7号)』が刊行された。

⇒Amazon.co.jpで『外為白書2015-16(第7号) 』(外為どっとコム総合研究所著)を見る
こちらは第1章「相場のあゆみ」、第2章「業界のあゆみ」、第3章「FX投資家アンケートによる実態調査」の3部構成となっている。
今回の記事では、主に第3章「FX投資家アンケートによる実態調査」について紹介したいのだが、この第3章の中はさらに第1節~第3節に分かれている。
その中で、特に今回注目したいのが、第3節「FX投資家層の取引実態調査」だ。
この第3章「FX投資家アンケートによる実態調査」は、外為どっとコムに口座開設しているユーザーが調査対象。有効回答者数は1万412人となっている。
なお、アンケート回答者の年代別分布は以下のとおり。

(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
アンケート回答者の割合でもっとも多いのが40代の36.3%。次に、30代の22.8%、50代の21.9%となっている。
■証拠金は30万円以下が全体の50%超
はじめに取り上げたいのは、ユーザーが外為どっとコム[外貨ネクストネオ]口座に預け入れている証拠金の額。
![外為どっとコム[外貨ネクストネオ]に預け入れている証拠金額](/mwimgs/b/c/-/img_bcd9d69914f32bc9008531da8878573a58039.jpg)
(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
上のグラフを見ると、「10万円未満」が29.6%、「10~30万円」が21.4%となっていて、30万円以下の証拠金で取引している人が全体の50%を超えている。
そして、「30~50万円」が10.5%、「50~100万円」が11.4%、「100~300万円」が12.7%と続く。一方、300万円以上の証拠金で取引するユーザーの割合は数%程度と一気に低下している。
この結果は、株などと違い、最大25倍のレバレッジを効かせることができ、少額の証拠金でも取引することができるFXならではといったところか。
■実効レバレッジは、高年齢層ほど高いという結果に
そして今回は、現在、ユーザーが効かせているレバレッジ、「実効レバレッジ」についても調査している。

(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
こちらをご覧いただくと、もっとも多いのが「10倍」の22.6%。そして、これに続くのが「5倍」の21.8%、「25倍」の14.3%となっている。
このグラフを見ると、「10倍以下」のレバレッジで取引する人の割合が合計65.6%とかなり多いことがわかる。
■外貨預金同様のレバレッジ1倍で取引する人も1割弱いる
また、その中でレバレッジ「1倍」で取引する人の割合は7.2%。FXの大きな特徴であるレバレッジをまったく効かせず、外貨預金と同じような感じで、かなり保守的に取引している人も1割弱はいるというわけだ。
FXは外貨預金に比べて、コストが比べものにならないほど安い。また、外貨預金が預金保険制度の対象外であるのに対して、FXは信託保全が義務化されており、万が一の場合に顧客資産が守られる制度が整備されている。
外貨預金をするぐらいならFXをレバレッジ1倍でやる方が合理的とも言えるわけだが、実際、それをやっている人が外為どっとコム[外貨ネクストネオ]の場合は、1割弱程度いるというわけだ。
【参考記事】
●日本振興銀行の破たんで再確認。外貨預金はペイオフの対象外ですよ!
■20代の実効レバレッジは意外に低い。若者は慎重に取引?
次に、この実効レバレッジについての回答を年代別に分類したグラフをご覧いただきたい。

(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
こちらを見て、何か気づくことはないだろうか?
実は5倍以下の低レバレッジは30代がもっとも多く、最大レバレッジ25倍の割合がもっとも多いのが50代となっているのだ。
記者は、低年齢層ほど高レバレッジの「リスクを取った積極的な取引」、高年齢層ほど低レバレッジの「リスクを抑えた慎重な取引」を行うイメージを持っていたが、外為どっとコム[外貨ネクストネオ]のユーザーは、それとはどうも反対の結果になっているようだ。
これはなかなか予想外の興味深い結果のように感じるが、みなさんはいかがだろうか?
■20代は低レバレッジが多いが、デイトレが多いという不思議
次にご覧いただきたいのは、取引頻度についてのグラフ。
![外為どっとコム[外貨ネクストネオ]ユーザーの取引頻度](/mwimgs/d/d/-/img_ddc42b7e466841883c69d29dd625b92843326.jpg)
(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
もっとも多いのは、「デイトレード(1日に複数回)」の36.0%。そして、「2~3日に1回程度」が15.3%、「週に1回程度」が14.9%の順となった。
また以下は、取引頻度について年代別に分類したグラフとなっている。

(出所:『外為白書2015-16(第7号) 』)
こちらは、「デイトレード(1日に複数回)」と答えた割合がどの世代も多かったのだが、その中でも20代が45.9%ともっとも多く、次に30代の39.5%が続き、年齢層が上がるごとにデイトレードの割合が減少する結果となっている。
そのほか、50代、60代以上の年齢層においては、「2~3日に1回程度」、「週に1回程度」が、ほかの年齢層と比べて比較的多くなっていることがわかる。
先ほど紹介した実効レバレッジの年代別グラフでは、低年齢層ほどレバレッジが低く、高年齢層ほど高かった。一方、取引頻度では低年齢層の方がデイトレードの割合が高く、高年齢層ほど低くなっている。
一般的には、「高レバレッジ=デイトレード」、「低レバレッジ=中・長期トレード」となりそうなところだが、この調査では逆とも言えるような結果が出ている。今回の結果を不思議に感じてしまうのは記者だけだろうか…。
そして、以下のグラフはユーザーが主に取引する…
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