■4時間足ではボックス相場を上抜けし「買いシグナル」
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。米国大統領選挙後の値動きで、ユーロ/円は大きく上昇した。
4時間足チャートに表示したように、ユーロ/円は上昇した高値圏でボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は122.00円近辺、下限は118.50円近辺、と考える。
ユーロ/円は、121円台後半から、いったん118.50円近辺まで大きく急落したのだが、118円台ミドルから反転急騰して、このボックス相場「ピンクの破線」の上限(122.00円近辺)を上に抜けて高値を更新し、「買いシグナル」を発した、と考える。
123円台ミドルがレジスタンス(上値抵抗)になっていたが、この高値を更新して、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。
■目先は124.00円近辺-120.50円近辺のボックス相場が続く
ユーロ/円は今のところ、高値は124円台を付けている。
そして高値圏で、ボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「茶色の破線」の上限は124.00円近辺、下限は120.50円近辺、と考える。
「120円台ミドルを割り込み、120.00円も割り込むような値動きになるのか、ならないのか?」に注目していた。
4時間足チャートを見てのとおりに、直近の値動きでユーロ/円は、ボックス相場「茶色の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
先週(2月10日)の日米首脳会談で、トランプ大統領が、日本に「米ドル安・円高」を求めるのではないか、といった思惑で、「ユーロ売り・円買い」に動いたと考える。
この「売りシグナル」に従い、119円台ミドルに下落したのだが、そこから反転急上昇している。
上述の「ユーロ売り・円買い」の買い戻しで上昇している、と考える。
ごく目先は、小さいボックス相場「赤の破線」を形成中、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
■日米首脳会談で為替はテーマにならなかったが…
先週末(2月10日以降)の日米首脳会談の内容で、トランプ大統領が、「米ドル安・円高」を望む旨の発言があるか否か、に注目していた。
しかし、今回の日米首脳会談では、為替や貿易不均衡問題はテーマにならず、トランプ大統領と安倍首相が、ゴルフや会食をするなど、日米の首脳が、親密な関係であることを強調するだけのイベントであった、と考える。
ユーロ/円の基本的な流れは、下落方向(下落トレンド)、と考えてきたが、トレンド転換を考察する必要がある、と考えた。
繰り返しになるが、まだ現時点では判断ができない、と考える。
今後の値動きを注視するしかない、と考える。
トレンド転換を考察する必要があるが、120.50円、120.00円を割り込んだので、下落トレンドのままで、トレンド転換していない可能性が高くなった、と考えたが、119円台から急上昇しているので、また判断が難しくなった、と考える。
繰り返しになるが、先週末(2月10日以降)の日米首脳会談では、為替や貿易不均衡問題はテーマにならなかったようだ。
しかし、トランプ氏は、先ごろ行われた大統領就任前の記者会見で、メキシコ、中国、日本に対して、貿易の不均衡を取り上げた。
それで、今後の通貨政策に関しては、「対米ドルでの中国人民元高」「対米ドルでの日本円高」を望む可能性がある、と考えた。
新政権が発足してから、トランプ大統領は貿易不均衡を理由に、「対米ドルでの中国人民元高」「対米ドルでの日本円高」を望む旨、発言している。
ユーロ/円は、重要なチャート・ポイントだった120.50円と120.00円を割り込んだ。
トランプ大統領が、強く発言を繰り返すと、急激な円高が起こる可能性がある、と考える。
今回の日米首脳会談では、為替に関しての言及はなかったので、今の時点では、その危惧(急激な円高)はない。
しかし、トランプ大統領が、「米ドル安・円高」を望む旨の発言をする(ツイッターを含む)可能性は、いつ何時にも、常にある、と考える。
そのような場合は、ユーロ/円は下落して、「円高」傾向が鮮明になる、と考える。
そして、その場合は、トレンドは変わらずに、ユーロ/円の基本的な流れは、下落方向(下落トレンド)、と判断することになる。
現時点では、まだ明確ではないが、かなり近い将来に、明確になる可能性が出てきた、と考える。
(2017年2月15日 東京時間13:00記述)
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