■有効かどうかは不確実だが、直近は「売りシグナル」点灯
月足チャートに、1.04ドル台ミドルの水平線「ピンクの破線」を表示した。
(出所:ヒロセ通商)
昨年末(2016年12月中旬)の値動きで、従来の最安値である1.04ドル台ミドル(1.0460-65ドル水準)を下に抜けた。
最安値の更新で、「売りシグナル」を発した、と考える。
最安値を更新して、1.03ドル台ミドル(1.0350ドル)も割り込んだが、その後、反発上昇しているので、この「売りシグナル」が、まだ有効なのか、不確実な状態になっている。
ただし、最安値の更新の際に、「売りシグナル」を発したことは、確実な「事実」だ。
■ユーロ/米ドルの下値ターゲットが0.95ドル近辺の可能性も
続いて、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」の平行線を表示した、月足チャートをご覧いただきたい。
(出所:ヒロセ通商)
長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」とその平行線「紫の破線」の値幅を示すために、「緑の破線(両端矢印)」を表示した。
この月足チャートを俯瞰すると、中長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込んで「売りシグナル」を発し、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を割り込んで、さらに「売りシグナル」を発した、と考える。
これらの「売りシグナル」のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)を割り込んだあたり、と考えることができる。
時間が経過して、現在のこの月足チャートで見ると、ターゲットは0.9500ドル近辺、と考えることができる。
月足チャートを見てのとおりに、1.04ドル台ミドルの水平線「ピンクの破線」を割り込み、最安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」のターゲットは、上述のとおりに、パリティ(1.0000ドル)を割り込んだあたり、ないしは、0.9500ドル近辺、と考えることができる。
この「売りシグナル」が、まだ有効なのか、不確実な状態になっている
(有効な可能性もあるので、要注意だ)。
■ヘッド&ショルダー完成!最大で0.8ドルまで下落もあり得る
次に、もう1つ別のラインを描いた月足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
(出所:ヒロセ通商)
当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考える。
そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
ネック・ライン(1.18台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、
「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
「ヘッド&ショルダー」の形状を「ピンクの破線」で表示している。
この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、既に述べたとおりに、パリティ(1.0000)を割り込んだあたり、と考えることができる。
上述のケースは、「赤の破線(両端矢印)」で示している。
この「ヘッド&ショルダー」に着目して、その値幅が最大になる場合のターゲットを「緑の破線(両端矢印)」で示している。
その場合のターゲットは、月足チャートを見てのとおりに、0.8000ドル近辺になる。
今の時点で、0.8000ドルを想定する必要はないので、当面のターゲットは、すでに述べたとおりに、パリティ(1.0000ドル)を割り込んだあたり、と考える。
■週足では1.2ドルを割り込んだ時点で窓を空け「売りシグナル」
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。
ユーロ/米ドルは、2012年の安値1.20ドル台ミドルから、2014年の高値1.4000ドル近辺(高値は、「1.3990-95ドルレベル」)まで、上昇した。
この上昇は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」に従っていた、と考える。サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線だ。
そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルは、1.2000ドルを割り込んだ時点で、「窓(Gap)」を空けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
そして、1.18ドル台ミドルの水平線「赤の破線」を割り込み、従来の安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
■レジスタンスラインを上抜けできず、下落トレンド継続
レジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」と、その平行線「ピンクの破線(細線)」を表示した。
このレジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」は、その傾きを、実際の相場に合わせて調整し、直近の高値に合わせている。
ユーロ/米ドルは、「緑の破線」で示したボックス相場を形成中、と考える。ボックス相場「緑の破線」の上限は1.17ドル台前半程度、下限は1.0350ドル近辺、と考える。
チャートの形状を見ると、ボックス相場「緑の破線」の上限(1.17ドル台前半程度)が、目先のレジスタンス(上値抵抗)だ。
つまり、今のところ、このレジスタンス(上値抵抗)を上に抜けていないので、ユーロ/米ドルのダウン・トレンド(=下落傾向)に変化がない、と考える。
別な言い方をすると、トレンド転換を考えるには、1.17ドル台前半程度を上に抜ける必要がある、ということだ。
2016年12月中旬の値動きで、従来の最安値(1.0450ドル近辺)を下に抜けて、「売りシグナル」を発したと考えたのだが、1.0350ドル近辺を底値に、反発(上昇)したので、ボックス相場「緑の破線」が持続している、と修正する。
ただし、大局での下落トレンドに変化はない、と考える。
続いて、日足チャートをご覧いただき…
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