■新規通貨ペアの上場間近!?ザイFX!が入手した情報とは?
そして、もっとも気になる項目として、くりっく365における新興国通貨ペアの拡充というのがあります。
しかも、平成29年度の業務計画にも具体策として、「新たな通貨ペアの上場」が目標に掲げられています。

(出所:東京金融取引所)
実現すれば、くりっく365で取扱通貨ペアが増えるのは、2015年5月にトルコリラ/円(TRY/JPY)が上場して以来ということになります。
【参考記事】
●「くりっく365」にトルコリラ/円が新規上場! スワップ、スプレッドが驚きの業界トップ水準
●くりっく365のトルコリラ/円が絶好調!! 豪ドル/円を抜いて、取引高第3位に!
上場する通貨ペアに関しては、中期経営計画には新興国通貨ペアとだけ書かれてあって、いったい、なんの通貨ペアが取引できるようになるのかはハッキリ書かれていません……
しかし、実はザイFX!が入手した情報によると、どうやら上場される通貨ペアは、メキシコペソ/円(MXN/JPY)になりそうなんです!
さらに、東京金融取引所に直接たずねたところ、メキシコペソ/円を今年度、平成29年度中に上場する準備を、着々と進めているという回答が得られました。
実は、東京金融取引所には2008年の新システム移行に伴い、くりっく365で新たに計18通貨ペアの取引をスタートさせる計画があって、2015年に上場したトルコリラ/円と、今回ご紹介したメキシコペソ/円も、上場予定の通貨ペアの中に含まれていました。
ところが、参加予定だったマーケットメーカーの1社がリーマンショックの影響で参加不能となり、安定したレートを投資家に提供することが困難になったという理由から、東京金融取引所はトルコリラ/円とメキシコペソ/円の上場を延期したという経緯があります。
その後、十分な流動性を確保できる見通しが立ったことから、2015年にトルコリラ/円が上場し、さらに、今年度中のメキシコペソ/円の取り扱い開始が実現できそうになったということ。
メキシコペソといえば、トランプ米大統領の誕生で、2016年後半から俄然注目されている新興国通貨。
トランプ大統領がメキシコの国境に壁を作るだとか、NAFTA(北米自由貿易協定)を見直すなんて発言したことで、メキシコペソは大きく振り回されてきましたね。
ただ、国内のFX会社でメキシコペソ/円が取引できるところは、サクソバンク証券、ヒロセ通商[LION FX]、外為どっとコム[外貨ネクストネオ]、上田ハーロー[上田ハーローFX]などの数社にとどまっていて、あまり多くなかったのは事実です。
【参考記事】
●JPモルガン棚瀬氏に聞く新興国通貨(1) 「景気が良い=通貨上昇」とは限らない!
●JPモルガン棚瀬氏に聞く新興国通貨(2) 2017年のおすすめ新興国通貨はコレだ!
●2017年は新興国投資のチャンス到来!? 金利10%以上の通貨を取引できる会社は?
日本との金利差が大きく、スワップ金利(スワップポイント)狙いの取引もできそうなメキシコペソ/円が上場すれば、これまでくりっく365で取引していた一般投資家の方にとっては取引の選択肢が増えますし、メキシコペソ/円の取り扱いに伴って、くりっく365での取引を検討するユーザーが出てくることにもつながるかもしれませんね。
【参考一覧表】
●メキシコペソ(MXN)が取引できるFX会社
■かつては計画が闇に葬りさられたことも…
と、ここまで、東京金融取引所が計画している事業内容の中から気になったものを紹介してきましたが、そもそも、計画はあくまで計画。思いどおりに実行できない場合だって、もちろんあると思います。
実は、東京金融取引所は2年前に発表した平成27年度の業務計画の中で、くりっく365における「通貨オプション商品の開発」を検討していたことがありました。
通貨関連のオプション商品ということで、もしかしたらくりっく365で「バイナリーオプション」ができるようになるのでは?という期待もあったのですが、残念ながら計画は進まず。
【参考コンテンツ】
●人気のバイナリーオプションを徹底比較! 最短1分前まで購入できる商品も登場!
翌年、平成28年度の業務計画の中ではそのことには一切触れず、なかったことになってしまったような過去があります。

もちろん、東京金融取引所としても、いろいろと議論を重ねたうえでオプション商品の開発は見送るという結論に至ったのでしょう。
今では上場企業などで当たり前のように作成されている中期経営計画ですが、東京金融取引所に限らず、市場環境の変化などで計画が未達になったり、先送りされるといった事例は多々あります。
そんな中、今回、東京金融取引所の中期経営計画に盛り込まれた新規通貨ペアの上場に関しては、今年度中のメキシコペソ/円の上場に着手しているという具体的な情報も入ってきていますので、どうも実現する可能性はかなり高そうです。
また、東京金融取引所には日経平均やNYダウなど、4銘柄の株価指数を取引対象にした証拠金取引ができるくりっく株365がありますが、今後は、そのほかの株価指数やETF(上場投資信託)、金利先物などを原資産とした商品の開発も検討しているとのこと。
【参考コンテンツ】
●NYダウや金にも直接投資できるCFD取引会社を徹底比較!
もし、CFDの取り扱い銘柄数が増え、くりっく365とくりっく株365の口座一元化が実現すれば、個人投資家の利便性が一層高まることになりそうです。
ザイFX!では、メキシコペソ/円の取り扱い開始だけでなく、CFDなどの情報に関しても、新しいニュースが入り次第、お伝えしていきたいと思います。
(ザイFX!編集部・堀之内智)
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