■日足チャートを見る限り下落トレンドが続いていたが…
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。2016年1月29日(金)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、急激な「円売り」になった。
(出所:ヒロセ通商)
それで、ユーロ/円は132円台に急上昇している。
この時点で、状況の変化(日銀の追加の金融緩和策)が、その後の相場に、どういった影響を与えるのか、十分に気を配る必要がある、と考える。
しかし、日足チャートで見る限りでは、この時点では特段の変化は見つからない。つまり、この時点ではユーロ/円の流れは、下落方向(下落トレンド)と考えた。
日銀が、マイナス金利を導入したにもかかわらず、132円台を高値にして、ユーロ/円は下落した。
それまでの最安値だった126.00円近辺を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い下落して、ユーロ/円はボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「赤の破線」の上限は128円台ミドル程度、下限は120円台ミドル程度と考える。
そして、120円台ミドルを割り込み、安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/円は、この「売りシグナル」に従い下落して、ボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「茶色の破線」の上限は123.00円近辺、下限は115.50円近辺、と考える。
昨年(2016年)6月23日(木)に実施された英国の国民投票の結果が、6月24日(金)の東京市場で報道された。
英国民が、EU(欧州連合)からの離脱を選択したことから、「リスク回避(リスク・オフ)」の思惑が広がり、安全通貨とみなされる「円買い」になった。
ユーロ/円は、ボックス相場「茶色の破線」の下限(115.50円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、パニック気味に大きく急落して110.00円も割り込んだ。
109円台からは、反発している。
115円を割り込んでからのユーロ/円は、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は118.50円近辺、下限は109.00円近辺、と考える。
■「買いシグナル」点灯後に、再び下落
レジスタンス・ライン(1)「緑の破線」と、レジスタンス・ライン(2)「緑の破線」を表示した。
日足チャートを見てのとおりに、レジスタンス・ライン(1)「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した。
しかし、この「買いシグナル」を発した時点では、引き続き、ボックス相場「ピンクの破線」の内側(インサイド)であり、上値も限定的、と考えた。
「ボックス相場『ピンクの破線』の上限である118.50円近辺を、上に抜けることができるか、否か?」に注目すれば良い、と考えていたのだが、118.50円近辺を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ユーロ/円は、この「買いシグナル」に従い、124円台の高値を付けた。しかし、124円台の高値を付けてからのユーロ/円は垂れ下がって、重要なサポート(チャート・ポイント)だった120円台ミドル、そして120.00円を割り込んだ。
トレンド転換が起こっていない、つまり、下落トレンドのままである可能性が高くなった、と考えた。
ユーロ/円は、下限の118.00円から123.00円近辺まで、いったん反発(上昇)したが、高値を更新することなく、再び下落した。
そして、このボックス相場「紫の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
ボックス相場のセオリーに従うならば、このボックス相場「紫の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した場合のターゲットは、112.00円近辺になる。
しかし、日足チャートを見てのとおりに、115.00円近辺を底値にして、大きく急反発(急上昇)している。
それで、「赤の破線(太線)」で示した、一回り大きいボックス相場を形成中、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「赤の破線(太線)」の上限は126.00円近辺、下限は115.00円近辺、と考える。
ユーロ/円は、118.00円近辺の「売りシグナル」に従い、115.00円割れ(114円台後半)に下落した。
しかし、115.00円割れ(114円台後半)から大きく上昇したので、サポート・ライン「赤の破線」を表示した。
4月23日(日)のフランス大統領選挙が材料になり、「窓(Gap)」を開けて、急騰した。
ユーロ/円は、レジスタンス・ライン(2)「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
4月23日(日)に行われたフランス大統領選の第1回投票は…
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