■仏大統領選第1回投票の結果を受けて、買い戻される
4月23日(日)に行われたフランス大統領選の第1回投票は、中道系独立候補のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線のルペン党首が5月7日(日)の決選投票に進むことになった。
市場の予想では、マクロン候補が勝つ可能性が高い、と判断しており、その場合は、フランスのEU(欧州連合)離脱の懸念はなくなる。
それで、「リスク回避」の思惑でユーロ/円を売っていた市場参加者が、その買い戻しを行った、と考える。
ユーロ/円は、もう一回り大きなボックス相場「茶色の破線(太線)」を形成中、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「茶色の破線(太線)」の上限は126.50円近辺、と考える。下限は110.00円近辺(ないしは109.00近辺)と考える。
■急騰はストップ・ロスを巻き込んだことが理由
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。短期のチャート(4時間足)を見ると、ユーロ/円は、短期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」に従い、下落したと考える。
(出所:ヒロセ通商)
フランス大統領選挙を材料に、多くの市場参加者が、「リスク回避」の思惑でユーロ/円を売っていた、と考える。
ところが、4月23日(日)のフランス大統領選の第1回投票は、中道系独立候補のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線のルペン党首が5月7日の決選投票に進むことになり、第1回投票後の市場の予想では、マクロン候補が勝つ可能性が高くなった。
マクロン候補が大統領になる場合は、フランスのEU離脱の懸念はなくなる。それで、多くの市場参加者が、売っていたユーロ/円の買い戻しを行った、と考える。
そのため、この4時間足チャートを見てのとおりに、短期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けて、窓(Gap)を開けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/円は、この「買いシグナル」に従い、大きく急上昇した。
122.00円近辺が、目先の抵抗(レジスタンス)だったが、122.00円近辺を、明確に上に抜けると、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は、ストップ・ロス(損切り)を巻き込んで急騰した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
同様に、124.50円近辺がレジスタンスだったが、124.50円近辺を明確に上に抜けると、「買いシグナル」を発した、と考える。
ストップ・ロス(損切り)を巻き込んで急上昇した、と考える。
窓(Gap)の前後あたりからの上昇は、短期のサポート・ライン「青の破線」に従っているが、この短期のサポート・ライン「青の破線」を割り込む場合は、「売りシグナル」なので、要注意だ。
■「買いシグナル」点灯中だが、大局での下落傾向は変わらず
ユーロ/円の基本的な流れは、下落方向(下落トレンド)、と考えてきたが、トランプ大統領が決まって以降、大きく上昇したので、トレンド転換を考察する必要がある、と考えた。
しかし、重要なポイントである120円台ミドルと120.00円を下に抜けたので、下落トレンドのままで、トレンド転換していない可能性が高くなった、と考えた。
4月になって、118.00円を割り込み、安値更新で、新たな「売りシグナル」を発したので、ユーロ/円は、「下落トレンド」が維持されている可能性が高くなった、と考えた。
今回、フランス大統領選挙を材料に、そのチャート・ポイント(レジスタンス)だった118.00円を上に抜けた。
しかし、大局でのユーロ/円の下落方向(下落トレンド)に、変化がないのではないか、と考えている。
つまり、フランス大統領選挙を材料に、大きく上昇したが、改めて、「ユーロ売り・円買い」の水準を探すところ、と考える。
(2017年5月17日 東京時間14:30記述)
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