■2016年年初のマイナス金利導入で…
2015年末の時点では、120.00円がサポート(チャート・ポイント)になっていた。それで、2016年初日の相場に注目していた。
2016年1月4日(月)の年初の相場では、120円台を割り込み、急落している。
この年初日(2016年1月4日)の下落で、週足チャートに示したサポート・ライン(1)「青の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、116.00割れ(115円台)にまで下落したが、115円台からは、いったん反転(上昇)している。
(出所:ヒロセ通商)
そして、2016年1月末(2016年1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されると、118円台から121円台にまで急騰した。
しかし、この日(2016年1月29日)の米ドル/円は、大きく乱高下をしており、市場はマイナス金利という金融政策に関して、どのように評価すれば良いのか混乱していた、と考える。
しかしながら、この時点では依然として、米ドル/円は、「緑の破線」で示したボックス相場を形成していた。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「緑の破線」の上限は125円台後半程度、下限は115円台ミドル程度、と考える。
2016年2月初旬(2月9日)の値動きで、米ドル/円は、ボックス相場「緑の破線」の下限(115円台ミドル)を割り込み、そして、心理的な節目(=チャート・ポイント)である115.00円を割り込んで新たな「売りシグナル」を発した、と考える。
2016年1月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、121円台に急上昇したが、2016年2月初旬(2月9日)にマイナス金利導入前の安値を更新して、ボックス相場「緑の破線」を下に抜けた。
重要な「売りシグナル」を発した、と考える。
このマイナス金利という金融政策に効果があるのか、マーケットは疑問に思っている、と考える。
米ドル/円は、この「売りシグナル」に従い下落した。そして、週足チャートに表示したように、約10円幅のボックス相場「緑の破線」を下抜けした場合のターゲットを達成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
昨年(2016年)11月の米国大統領選挙後の値動きが、大きく上昇しているので、サポート・ライン(2)「青の破線」を表示した。
■レジスタンスラインを引きなおすと「買いシグナル」点灯に
続いて、別のレジスタンス・ライン「赤の破線」を表示した、週足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円は、レジスタンス・ライン「赤の破線」とサポート・ライン(2)「青の破線」で、三角保ち合い(ウェッジ)を形成中、と言えた。
(出所:ヒロセ通商)
この引き方だと、レジスタンス・ライン「赤の破線」を上に抜けた時点で、「買いシグナル」を発した、と考える。
米ドル/円が、米国大統領選挙後の値動きで、大きく上昇したので、サポート・ライン(2)「青の破線」を表示した。
■日足チャートでは、ボックス相場を次々と下抜け
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。米ドル/円は、125円台の最高値を付けたが、下落に転じた。その下落過程で、ボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「赤の破線」の上限は115.00円近辺、下限は110.50円近辺、と考える。
日足チャートを見てのとおりに、この、ボックス相場「赤の破線」の下限(110.50円近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この110.50円近辺で発せられた「売りシグナル」に従い、下落して、107円台を付けた。
107円台からは111円台に反発したが、2016年4月29日(金)のゴールデン・ウィーク初日に、この時点での安値(107.50円近辺)を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、105円台に下落している。105円台からは、再度、反発して111円台を付けている。
その結果として、米ドル/円は、ボックス相場「紫の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「紫の破線」の上限は112.00円近辺、下限は105.50円近辺、と考える。
この時点での米ドル/円は、105円台ミドルの安値を付けたが、105円台ミドルの安値を付けて以降は、麻生財務大臣の「口先介入」を材料・きっかけに、111円台にまで反発(上昇)した。
しかし、111円台からは反転下落して、ボックス相場「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
昨年(2016年)の6月16日(木)の日銀政策決定会合で、「現状維持(=変更なし)」が発表されると、ボックス相場「紫の破線」の下限(105円台ミドル)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
■2016年6月の「英国国民投票」を材料に大きく乱高下
昨年(2016年)の6月23日(木)に実施された「英国の国民投票」を材料に、米ドル/円は、大きく乱高下をしている。
「英国の国民投票」の結果が出る直前は、英国がEUに残留するだろう、という思惑が強く、米ドル/円は、106円台後半の高値を付けている。
(出所:ヒロセ通商)
ところが、英国のEU離脱が確実になると、それを材料に、米ドル/円は急落して、99.00円割れ(98円台後半)を付けた。
99.00円割れ(98円台後半)からは、103円台までリバウンドして、そして、再度100.00円割れ(99円台後半)を見ている。
■「ヘリコプター・マネー」の思惑で大きく上昇
この2度目の100.00円割れ(99円台後半)から、米ドル/円は、大きく上昇している。
大きく上昇した理由は、バーナンキ前FRB議長が来日した際に、同氏が安倍首相、黒田日銀総裁と会談をしたことから、日銀が追加の金融緩和策を打ち出すのではないか、といった思惑が広がったこと、と考える。
いわゆる「ヘリコプター・マネー」を想像したのだろう、と考える。
昨年(2016年)の6月頃からの米ドル/円は、ボックス相場「茶色の破線」を形成していた、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「茶色の破線」の上限は108.00円近辺、下限は99.00円近辺、と考える。
■ボックス相場上抜け後のターゲットを達成したが…
日足チャートを俯瞰すると、昨年(2016年)の1月下旬以降の相場は、レジスタンス・ライン「ピンクの破線」に従って下落した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
昨年(2016年)の(10月)初旬の値動きで、米ドル/円が上昇して、このレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けた。「買いシグナル」を発した、と考える。「売り方」(=米ドル売り・円買いのポジション)は、いったん撤退と考える。
ただし、この時点では引き続き、米ドル/円はボックス相場「茶色の破線」を形成中だ。
このボックス相場に着目すれば、上値のメドは108.00円近辺だが、米ドル/円の上値抵抗も強いだろう、と考えていた。
ところが、日足チャートを見てのとおりに、ボックス相場「茶色の破線」の上限(108.00円近辺)を上抜けして、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、相場は大きく急騰している。
ボックス相場を上抜けした場合のセオリーでは、ボックス相場の上限から、ボックス相場の値幅分を上昇したところがターゲットになる。
ボックス相場「茶色の破線」の上限が108.00円近辺で、ボックス相場「茶色の破線」の値幅が約9円であるから、ターゲットは、117.00円近辺になる。
日足チャートを見てのとおりに、すでにターゲットを達成した(「茶色の破線(両端矢印)」で表示した)。
(出所:ヒロセ通商)
米ドル/円は、上述のターゲットを達成してからも上昇を続けて、118円台の高値を付けている。しかし、118円台の高値を付けてからの米ドル/円は…
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