■スプレッド大幅縮小キャンペーンがスタート
ネット証券大手の一角を占める楽天証券。ブランド強化の一環として、2017年7月から楽天グループ全体でロゴマークが変更され、楽天証券のロゴも変わりました。
これを記念してなのかはわかりませんが、楽天証券[楽天FX]では7月10日(月)から「スプレッド大幅縮小キャンペーン」が始まっています。
楽天証券[楽天FX]でこの手のスプレッド縮小キャンペーンが大々的に実施されるのは、あまり記憶がないような…。
[楽天FX]といえば、高いカスタマイズ性と操作のしやすさで定評のある取引ツール「マーケットスピードFX」(MARKETSPEED FX)が使えることで人気の口座ですが、その高機能ツールを使って狭いスプレッドで取引できるとなれば、これはもう「鬼に金棒」状態!?
どんな感じのキャンペーンなのか、詳しくみていきたいと思います。
■通常時の半分以下に縮小された通貨ペアも!
楽天証券にはメタトレーダー4(MT4)を使用する[楽天MT4]口座もありますが、今回のキャンペーンは通常FX口座の[楽天FX]が対象になります。
2017年7月10日(月)から8月1日(火)5時55分まで、つまり7月31日(月)の営業日終了までの期間中、12の通貨ペアを対象に、スプレッドが大きく縮小されています。
ということで、さっそく、対象通貨ペアの通常スプレッドとキャンペーン中のスプレッドを一覧で比較してみましょう。
![[楽天FX]のスプレッド縮小キャンペーン対象通貨ペア一覧](/mwimgs/1/b/-/img_1bbf076ee020412d4b3f9e1512983c8e111165.jpg)
(※)スプレッドはすべて、例外あり。
業界内の勢力図からすると、[楽天FX]の通常時のスプレッドは、米ドル/円の0.3銭原則固定、英ポンド/円の1.0銭原則固定、ユーロ/米ドルの0.4pips原則固定を除くと、正直、全体的にはそれほど狭いとはいえなかったのですが、キャンペーン中は多くの通貨ペアのスプレッドが通常時の半分以下に縮小されていて、かなり気合いが入っているな~という印象。
期間中、ユーロ/米ドルの0.3pips原則固定、南アフリカランド/円の1.0銭原則固定、NZドル/円の1.0銭原則固定は、原則固定水準としては業界最狭に肩を並べ、ユーロ/円やトルコリラ/円は2番手あたりに食いこむことになります。
惜しむらくは、すでに業界最狭水準のスプレッドを提供している米ドル/円と英ポンド/円が、今回のキャンペーンの対象になっていないこと。もし、これが期間限定とはいえ縮小されていたら、業界がかなりザワツク結果になったかも…。
■キャンペーンで3社が激しいバトルを展開
ザイFX!ではここ最近、FX各社のスプレッド縮小を話題にした記事の公開が多くなっています。
【参考記事】
●暑い夏…熱いカレーと激熱スプレッド競争! NZドル/円で混戦!? スワップ王者はどう出る?
●スプレッド縮小キャンペーンを強化&延長! 直感で操作する初心者向けチャートとは?
●ザイFX!記者が悲鳴!? マネパがスプレッド縮小し過ぎで記事作成が間に合いません!
取引機会の増加につながる可能性も高そうだし、特に、スキャルピングを得意とするユーザーの方などにとって、狭いスプレッドは非常にありがたいことですよね。
そんなことを考えながら、記者が各FX会社のスプレッドを調査していたら、[楽天FX]がキャンペーンで業界最狭水準のスプレッドに設定した通貨ペアで興味深い共通点を発見しました。
それは、楽天証券[楽天FX]、外為どっとコム[外貨ネクストネオ]、マネーパートナーズ[パートナーズFX]の3口座がともにスプレッドキャンペーンを実施して、競り合っていること。ユーロ/米ドル、NZドル/円では、原則固定スプレッドとしては業界トップで並んでいます。

(※)スプレッドはすべて、例外あり。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる[ユーロ/米ドルスプレッドの狭い順]

(※)スプレッドはすべて、例外あり。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる[NZドル/円スプレッドの狭い順]
また、南アフリカランド/円では、0.99銭原則固定(※)でSBI FXトレードが原則固定としてはトップを維持しているものの、キャンペーン中の前記3社がそれに続く1.0銭原則固定で並んでいます。
(※SBI FXトレードの0.99銭原則固定は10万通貨までの取引に適用される。10万1通貨~100万通貨までは1.9銭原則固定となり、100万1通貨以上の取引ではスプレッドは変動制となる)

(※)スプレッドはすべて、例外あり。SBI FXトレードのスプレッドは、取引数量によって変化します。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる[南アフリカランド/円スプレッドの狭い順]
ユーロ/米ドルで0.3pips原則固定のインヴァスト証券[トライオートFX]と、南アフリカランド/円で0.99銭原則固定(10万通貨まで)のSBI FXトレードを除けば、キャンペーン期間を考えると、8月以降は外為どっとコム[外貨ネクストネオ]がしばらくの間、この3社のスプレッド競争では一歩抜きん出た存在になりそうな印象も受けます。
ただ、マネーパートナーズ[パートナーズFX]はキャンペーンの前倒しや延長に加えて、これまで立て続けに何度もスプレッドを縮小させてきたし、楽天証券[楽天FX]のキャンペーン詳細ページには、キャンペーンが延長される場合があると明示されています。
このままお互いが意識しあって、狭いスプレッドを提供し続ける可能性が、絶対にないとは言い切れなさそう…。
また、ここ最近、オセアニア通貨絡みの通貨ペアのスプレッド縮小に力を入れているヒロセ通商の動きなども気になります。
【参考記事】
●オセアニア祭り!を機に考える。NZドルは強いのに豪ドルはなぜそんなに強くない?
スプレッド縮小はユーザーにとって歓迎すべきこと。だけど、取引手数料を無料にしているFX会社にとって、スプレッドは大きな収益源の1つのはず。
過当な縮小競争が各社の体力勝負にもつれ込んで、最終的にユーザーサービスの低下につながるようなことがなければいいな……なんて余計な心配を勝手にしつつ、ここ最近、一部でかなり盛り上がっているスペック競争を、今後も注目していきたいと思います。
楽天証券[楽天FX]といえば、冒頭でもチラリとお伝えしましたが…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)