■トランプ政権の貿易不均衡是正が米ドル安・円高圧力に
しかし、118円台の高値を付けてからの米ドル/円は、下落に転じている。
米国のトランプ政権が、貿易不均衡を是正するために、米ドル安・円高政策を採るのではないか、といった思惑が働いていた、と考える。
米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は118円台ミドル程度、下限は111円台ミドル程度、と考える。
米ドル/円は、このボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、米ドル/円は、108.00円近辺まで下落した。しかし、108.00円近辺からは、反発(上昇)に転じている。
109円台では、「窓(Gap)」を開けて、上昇している。
それで、現在の米ドル/円は、一回り大きなボックス相場「青の破線(太線)」を形成中、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「青の破線(太線)」の上限は118円台ミドル程度、下限は108.00円近辺、と考える。
そして、直近の米ドル/円は、ボックス相場「緑の破線」を形成中、と考える。
ボックス相場「緑の破線」の上限は114円台ミドル程度、下限は108.00近辺、と考える。
このボックス相場「緑の破線」に注目すれば良い、と考える。
つまり、このボックス相場「緑の破線」の上限近くで「売り」、下限近くで「買い」、そして、上限を上に抜ける場合は「買いシグナル」、下限を下に抜ける場合は「売りシグナル」、と考える。
サポート・ライン「ピンクの破線」を表示した。
(出所:ヒロセ通商)
このサポート・ライン「ピンクの破線」は、実際の相場に合わせて、その傾きを緩やかに修正している。
レジスタンス・ライン(2)「赤の破線」を表示した。米ドル/円は、このレジスタンス・ライン(2)「赤の破線」とサポート・ライン「ピンクの破線」で、三角保ち合い(ウェッジ)を形成中、と考える。
そして、この三角保ち合い(ウェッジ)をブレイクする方向について行くのが、セオリーと考える。
■トランプ大統領のロシア疑惑で「売りシグナル」
続いて、4時間足チャートをご覧いただきたい。
5月中旬になって、トランプ大統領がロシア当局者に機密情報を漏らしたといった疑惑、そして、解任前のコミー連邦捜査局(FBI)長官に、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)への捜査をやめるよう求めた、といった疑惑が報道された。
この疑惑を材料に、米ドル/円は大きく急落した。この急落で、110円台前半の安値を付けている。
(出所:ヒロセ通商)
110円台前半の安値から、いったん反発しているが、「トランプ大統領の疑惑」といった材料を、十分に織り込んだとは言えない、と考える。
4時間足チャートに表示したように、その時点での米ドル/円は、ボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
ボックス相場「赤の破線」の上限は112円台前半程度、下限は110.00円近辺、と考える。
このボックス相場「赤の破線」を下にブレイクし、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い下落して、米ドル/円は、「ピンクの破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「ピンクの破線」の上限は111.00円近辺、下限は109.00円近辺、と考える。
■近くにストップを置いて「米ドル売り・円買い」もおもしろい?
このボックス相場「ピンクの破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、米ドル/円は108円台後半から114台に上昇した。
5月の高値を、微妙に更新したのだが、相場が跳ね上がる気配がなかった。
通常は、高値を更新すると、ストップ・ロス(損切り)を巻き込み、跳ね上がるケースが多いのだが、この時は、そういった動きにはならなかった。
「夏休み相場」で、積極的な売買に踏み切れない、といった様子だ。
近いところにストップ・ロス・オーダーを置いて、「米ドル売り・円買い」もおもしろい、と考えた。
つまり、114円台後半程度にストップ・ロス・オーダーを置いての、「米ドル売り・円買い」だ。
ただし、そのストップ・ロス・オーダーが付く場合は、すぐに撤退だ。
上述のように考えていたところ、米ドル/円は、短期のサポート・ライン「青の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この短期のチャートを俯瞰すると、米ドル/円は…
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