■どっちにしてもユーロは上昇するとの見方が多かった!?
ドラギECB総裁の講演が日本時間で土曜日の早朝4時だったということは、金曜日の海外市場が閉まるまで2時間しかなく、流動性も薄くなってくる時間のため、ドラギECB総裁からユーロ売りとなる何かしらのサプライズ発言が出れば、値が飛び、偏ったポジションが手仕舞いできずに急落するリスクがあったといえる状況でした。
ポジションが偏ったまま、このような重要イベントを迎えるのはリスクが高く、通常であれば、イエレン議長やドラギ総裁の講演前に偏ったポジションは調整されることが多いです。
しかし、そのようなイベント前の調整はなく、ユーロ/米ドルは8月17日(木)に1.1661ドル、23日(水)に1.1739ドル、当日の25日(金)には1.1773ドルと、徐々に安値を切り上げ、ポジション調整がほとんど起きていなかったことから、市場参加者はユーロ/米ドルの買いポジションを保有したまま、ドラギ総裁の講演に臨んだといえます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
これは、市場参加者が、今後もユーロ/米ドルは上がると考えていることの表れだと思われます。
仮に、ドラギ総裁がユーロ高を牽制する発言をしたとしても、ユーロ/米ドルは調整だけですぐに上昇が再開すると予想している人が多かった、ということではないでしょうか。
日本時間の早朝4時から始まったドラギ総裁の講演にユーロ高を牽制する内容がなかったことで、様子見していた市場参加者もユーロの買いに動いたため、週明け28日(月)にユーロ/米ドルは1.1983ドルまで上昇してきました。
(※編集部注:本記事の寄稿後、8月29日(火)の東京時間にユーロ/米ドルは一時、1.1986ドル付近まで上昇した)
ドラギ総裁がユーロ高を牽制しなかったこと、9月7日(木)のECB理事会でテーパリングの議論を開始する可能性もあることから、ユーロはまだ上昇しそうです。
■ユーロ/米ドルは上昇トレンド再開へ。押し目買い戦略で
米ドルは、トランプ政権に対する不信感が根強く、債務上限問題も控えていることから、積極的に買えない状況となっています。
【参考記事】
●ジャクソンホール無風通過で、次の注目は米債務上限問題! 米国株急落に要注意!(8月28日、西原宏一&大橋ひろこ)
●衝撃のバノン解任。ヒンデンブルグ・オーメン点灯で米株急落、ドル/円は108円下抜けも!?(8月24日、西原宏一)
ユーロ/米ドルは3週間ほど時間調整をしていましたが、重要イベントが終わり、米ドルが買えない状況の中でドラギ総裁からユーロ高を牽制する発言がなかったことから、上昇トレンドがゆっくり再開していくのではないかと考えています。
目先は1.2ドルの節目を目前にしており、25日(金)から大きく上昇してきたこともあるので、押し目を買う戦略がいいのではないかと考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
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