■次期FRB理事は誰に? そのときの市場の反応は?
米長期金利が上昇するかどうかは、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の人事が重要なポイントとなってきます。
【参考記事】
●日経平均は21年ぶり高値でも円安進まず。次期FRB議長をめぐる3つのシナリオとは?(10月16日、西原宏一&大橋ひろこ)
現在、次期FRB議長候補は、パウエル現FRB理事、イエレン現FRB議長、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授の3人に絞られてきています。
パウエル理事は、金融政策に対する姿勢がトランプ大統領と近く、選ばれる可能性が1番高いのではないかと考えています。
イエレン議長であれば、民主党との歩み寄りを狙っているのではないかと思われます。
来年(2018年)の米利上げを市場はまだ1回程度しか織り込んでいないことから、タカ派のテイラー教授が選ばれると米長期金利が上昇し、米ドル/円も上昇するのではないかと考えています。
パウエル理事が選ばれた場合は、ハト派との見方から米ドル売りとなりますが、FOMCメンバーの金利予想からは来年(2018年)3回の利上げが示唆されている一方、市場の織り込みは1回程度のため、相場への影響は小さいと考えています。

(出所:FRB)
■米ドル/円は114円~115円のレジスタンスを狙う形に
10月19日(木)に、パウエル理事が選ばれるのではないかという報道が出ましたが、その時の米ドル売りが限定的だったことからも、実際にパウエル理事が選ばれても、米ドル安は短期的な動きで終わるのではないかと思います。
この次期FRB議長の人事に関しては、いつ決まっても良いような状況になっていますが、トランプ大統領が11月3日(金)のアジア歴訪前までに決定すると述べていることもあり、遅くともそれまでには指名されるのではないかと思います。
衆議院選挙も終わり、市場の注目テーマは次期FRB議長人事と米税制改革になってきています。
テクニカル的には、米ドル/円はギャップアップしたこともあり、これまでレジスタンスだった113円がサポートとなりやすく、さらに、112.50円が厚い水準となっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
次期FRB議長が誰になるかで動きは変わりますが、米ドル/円は114円~115円のレジスタンスを狙う形となっています。
【参考記事】
●現在のドル/円日足チャートはユーロ/ドルが6月に上昇し始めたときと同じサインが点灯!(10月20日、陳満咲杜)
■ユーロ/米ドルは上値が重く、下抜けの可能性の方が高い
今週(10月23日~)は、26日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会があります。
ECBは金融緩和策を続けてきましたが、今回の理事会ではテーパリング(※)の開始を示唆すると思われます。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
市場では、月間の資産買い入れ額を現在の600億ユーロから300億ユーロへ縮小し、2017年末の終了予定を9カ月間延長するという予想が多いように思えます。
もし、このとおりであれば、ユーロは若干上昇するかもしれませんが、すでに市場に織り込まれていることから、その後のドラギECB総裁の会見を待つことになります。
月間の資産買い入れ額が200億ユーロになるなど、縮小幅が300億ユーロより大きくなればユーロ高になりますが、スペイン・カタルーニャ自治州の独立問題や、オーストリア下院選の結果からユーロ圏の右傾化が鮮明になってきていることなどもあり、テーパリングを緩やかに進めると予想され、ECBがユーロを上昇させるようなことはしないのではないかと考えています。
【参考記事】
●与党圧勝で海外勢の日本株買いが再開? 米ドル/円は目先114円台半ば突破がカギに(10月23日、西原宏一&大橋ひろこ)
テクニカル的に、ユーロ/米ドルは1.1660ドル~1.1870ドルのレンジが続いていますが、1.19ドルから上のレジスタンスが厚いことから、上値は抑えられやすく、下へ抜ける可能性の方が高いのではないかと考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
米ドル/円と同様に、次期FRB議長が誰になるかでユーロ/米ドルの動きも変わってしまいますが、レンジ下限を下抜けることになれば、次は1.1500ドルの心理的節目を狙う動きが予想されます。
【注目情報】
・バカラ村の2022年上半期トレード実績大公開! 動乱の為替相場でも810pipsを獲得した、低リスクで高効率のトレードテクニックとは?(2022年07月25日/FX情報局)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ロビンスカップ・ジャパンFX2017(Robbins World Trading Championship)優勝で高い実力を見せつけたカリスマ個人トレーダー・バカラ村氏。彼の相場予測&トレードが毎日配信される、有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!(月額:5,060円(税込))」はザイFX!がお届けしている有料メルマガです。
「バカラ村のFXトレード日報!」では個人トレーダー目線で初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガでご覧いただけます。
「バカラ村のFXトレード日報!」は、登録後10日間は無料解約可能なので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)