■カタルーニャ独立騒動はユーロ相場にほとんど影響しない!
9月のFOMC後のマーケットは、ユーロが下落して、調整局面の様相が強くなった。
しかし、マーケットが落ち着けば、今後は、ユーロのテーパリング(量的緩和策の縮小)が、一番のテーマになる、と考えた。
そして、スペインのカタルーニャ地方の独立をめぐる住民投票に伴う混乱を材料に、「ユーロ売り」が出た。
この問題では、スペイン政府は、カタルーニャの独立を認めない様子だ。
はたして、どうなるのか、今のところ結論は見通せないのだが、一定の結論を見て、マーケットが落ち着きを取り戻せば、為替相場に与える影響は、軽微である、と考えている。
つまり、仮にカタルーニャ地方が独立しても、ユーロの価値に与える影響は、ほとんどない、と考える。
ユーロ相場が反応したのは、スペインの混乱を嫌気したからだ、と考える。時間が経過すれば、改めて、ユーロのテーパリング(量的緩和策の縮小)に注目することになる、と考えた。
■ユーロのテーパリングに対する期待感は一気に薄れた
ユーロ/米ドルは、ドイツ与党が安定化へ向かう期待感から、短期のレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、1.18ドル台後半に上昇したが、1.18ドル台後半からは反転下落している。
ユーロ/米ドルは、ボックス相場「緑の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「緑の破線」の上限は1.18ドル台後半程度(ないしは1.1900ドル近辺)、下限は1.16ドル台ミドル程度(1.1650ドル近辺)、と考える。
先週(10月26日)のECB理事会後のマーケットの反応を見ると、テーパリング(量的緩和策の縮小)に対する期待感が、一気に薄れた、と考える。
つまり、今までの金融緩和策が、大きく方向転換して、金融引き締めに向かうわけではない、と判断した様子だ。
目先の対応としては、リスク・ヘッジの「ユーロ売り・米ドル買い」で対応するところ、と考える。
(2017年11月1日 東京時間13:10記述)
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