(※当記事は、一部古い内容や画像が使用されている可能性があります。最新の情報は必ず各仮想通貨業者のウェブサイトなどでご確認ください)
■ビットコインの「先物取引」や「信用取引」ってどうなの?
ビットコインをはじめとした仮想通貨の売買サービスは、大きく「現物取引」と「証拠金取引」に分けることができ、さらに証拠金取引は、「仮想通貨のFX」「先物取引」「信用取引」の3つに分けることができます。
当記事で詳細を紹介するのは、このうち証拠金取引に分類される「先物取引」と「信用取引」についてです。

目的によって利用するサービスは異なってくると思いますが、たとえば、単純にビットコインなどを買って、気長に値上がりを待ちたいといった目的であれば「販売所」または「取引所」で仮想通貨の現物を売買する「現物取引」が考えられるでしょう。
そうではなく、仮想通貨を積極的に取引することで売買差益を狙うことを目的にするのであれば、「証拠金取引」(仮想通貨の世界では、「仮想通貨のFX」「先物取引」「信用取引」の区分けなく、レバレッジ取引と言うケースもある)が最適です。
細かなルールは異なりますが、証拠金取引はいずれも共通して、売りからでも買いからでも取引を始められますので、上昇局面だけでなく、下落局面でも利益を狙うことができますし、レバレッジ(てこの原理)を効かせた資金効率の良い取引が可能です。積極的に取引して売買差益を狙いたいと考えている人には、魅力的な取引ではないでしょうか?
なお、「現物取引」や証拠金取引のうち「仮想通貨のFX」については、すでに別の記事で紹介しています。以下の【参考コンテンツ】をチェックしてください。
【参考コンテンツ】
●ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
●「ビットコイン・仮想通貨のFX」ができる取引所を比較。上昇も下落も収益チャンスに
■「先物取引」とは? 取引できる業者は2つだけ。先物の種類は3種類
まず、「先物取引」から紹介しましょう。「先物取引」とは、将来の特定の期日に、ある原資産について決められた価格で売買することを約束する取引のことです。
取引ルールの大枠は、「仮想通貨のFX」と似ていますが、FXに取引期限がないのに対し、「先物取引」には取引期限が存在するという点が決定的に異なります。FXは、何日、何カ月、何年ポジションを持とうが自由ですが、「先物取引」では、取引期限が来ると自動的に決済されますので、取引期限を超えてポジションを持ち続けることができません。
概要を押さえたところで、さっそく仮想通貨の「先物取引」ができる業者を確認したいと思います。
以下は、財務局への登録が完了している国内の仮想通貨交換業者に絞って、ザイFX!がサービス内容などを調査し、まとめたものです。詳細や最新情報については、必ず各業者のウェブサイトなどで確認するようにしてください。
(※ ビットバンクの証拠金取引口座、bitbank Trade(BTCFX)は、2019年3月31日(日)をもってサービスを終了しました。4月1日(月)以降、ビットバンクが提供しているのは、現物取引のbitbank.ccのみです。bitbank.ccについては、従来どおり口座開設いただけます)
業者名 | サービス | 対応通貨 | 最小 取引数量 |
レバレッジ | ロス カット |
取引期限 | 売買 手数料 |
bitFlyer (ビットフライヤー) |
Lightning Futures (ビットコイン先物) |
BTC/JPY | 0.001 BTC | 1 倍、2 倍、 3 倍、5 倍、 10 倍、15 倍 |
○ | 1週間先物 2週間先物 3カ月先物 |
無料 |
bitbank (ビットバンク) |
bitbankTrade (BTC FX) |
BTC/USD | 10枚 (1枚=100ドル相当) |
最大20倍 | ○ | 今週物 来週物 四半期物 |
片道 0.01% (決済無料) |
※日本国内の業者のうち、財務局への登録が完了しているものだけをピックアップし、サービス内容などをザイFX!が調査。すべての登録業者を対象に調査したわけではない
※ビットフライヤーでは、今のところ売買手数料は無料(終了の2週間前に告知)だが、1日あたり0.04%のスワップポイントが支払いで発生する。ビットバンクは売買手数料のほか、利益が出た場合のみ決済利益に対して0.2%のキャピタルゲインフィーが発生する
※BTC=ビットコイン、USD=米ドル
ご覧のとおり、登録業者のなかで「先物取引」を取り扱っている主要な業者は、bitFlyer(ビットフライヤー)のLightning Futures(ビットコイン先物)とbitbank(ビットバンク)のbitbank Trade(BTCFX)のみ。
bitbank Trade(BTCFX)は、サービスの名称にこそ「FX」と付いていますが、取引ルールを見ると、取引期限が存在していることから、ここでは「先物取引」として紹介しています。
その取引期限については、Lightning Futuresが1週間先物、2週間先物、3カ月先物の3種類、bitbank Trade(BTCFX)も今週物、来週物、四半期物の3種類が用意されています。呼び名こそ異なりますが、用意されている取引期限は同じです。
【参考記事】
●bitFlyer(ビットフライヤー)を徹底調査! 手数料無料で安心してはいけない真の理由
●ビットバンクを徹底調査! XRP(リップル)取引量世界第1位の理由はどこにあるの?
■取引対象はビットコインのみ。売買手数料以外にも手数料!?
通貨ペアは、ビットフライヤーのLightning Futuresがビットコイン/円(BTC/JPY)、ビットバンクのbitbank Trade(BTCFX)がビットコイン/米ドル(BTC/USD)を扱っているだけで、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)が絡む通貨ペアはありません。取引対象としては、ビットコイン一択の状態です。
売買手数料については、bitbank Trade(BTCFX)は新規取引の際に0.01%手数料が発生、決済時は無料。Lightning Futuresは、今のところ無料(終了の2週間前に告知)です。
ただし、「仮想通貨のFX」と同様、売買手数料の他に、売り買いを問わずポジションを翌日へ持ち越す際、別途手数料が発生します。これは、業者によって呼び名は異なりますが、建玉管理料やスワップポイントと呼ばれるものです。
ビットフライヤーのLightning Futuresの場合は、Lightning FX同様、スワップポイントという名称で、1日あたり0.04%の支払いとなっています。
お伝えしたとおり、「先物取引」の場合は、「仮想通貨のFX」と違って取引期限がありますので、最大でも取引期限までの手数料ではありますが、ポジションを保有する限り発生し続ける手数料があるということも踏まえた上で、トータルコストを考えながらトレード計画を練る方が良いでしょう。
bitbank Trade(BTCFX)では、ポジションを持ち越すことで発生する手数料はないようですが、キャピタルゲインフィーと呼ばれる独特の手数料が、決済時に利益が出た場合のみ徴収されます。キャピタルゲインフィーは、決済利益に対して0.2%ですので、覚えておくようにしてください。
■最大レバレッジは15倍や20倍。将来的には4倍へ引き下げか
資金効率良く取引できるのが証拠金取引の特徴ですが、「先物取引」の最大レバレッジは、ビットフライヤーのLightning Futuresが15倍、bitbank Trade(BTCFX)が20倍です。
ただし、「仮想通貨のFX」についてお伝えした記事でも紹介したとおり、認定自主規制団体が発表している自主規制ルールの概要を見ると、将来的には、仮想通貨の証拠金取引のレバレッジが4倍にまで引き下げられる方針であることがわかっています。
今すぐにではなくても、いずれは、ビットフライヤーのLightning Futuresもビットバンクのbitbank Trade(BTCFX)についても、レバレッジが4倍まで引き下げられる時が来ると考えておいた方が良さそうです。
【参考記事】
●金融庁が仮想通貨の自主規制団体を認定。証拠金取引のレバレッジは4倍へ引下げ方針
なお、Lightning Futuresもbitbank Trade(BTCFX)も、一定の水準まで含み損が膨らむと強制的にポジションが決済されるロスカットルールが設けられています。レバレッジをかけ過ぎると、すぐにロスカット水準に達してしまう可能性もありますので、レバレッジはかけ過ぎないようご注意を。取引の際は資金管理に十分、気を配るようにしてください。
■ビットバンクのbitbank Trade(BTCFX)は、流動性が高そう
ここで、ビットフライヤーのLightning Futuresとビットバンクのbitbank Trade(BTCFX)の取引画面を見てみましょう。いずれも、高機能チャートを備えており、特に、中上級者に喜ばれそうなスペックが特徴です。ただし、発注画面やチャート、注文履歴や保有ポジション一覧など、取引に必要な機能はどこに何があるのか、初めてでもある程度、感覚的につかめますので、特に操作に難しさは感じません。初めて取引する人でも、慣れてしまえば不便は感じないのではないでしょうか。

(出所:bitFlyer)

(出所:bitbank)
ちらっと見た限りですので、常にそうだとは言い切れませんが、見比べるてみると、Lightning Futuresよりもbitbank Trade(BTCFX)の方が板に動きがあり、流動性を確保できている印象でした。
bitbank Trade(BTCFX)は、最良売気配(もっとも安い売注文の価格)と最良買気配買(もっとも高い買注文の価格)の差も狭く、新しい注文が入れ替わり立ち代わり出されているんだろうなと感じられる活況具合。
なんでも、bitbank Trade(BTCFX)で出された注文は、OKEX.comという海外の大手仮想通貨取引所に取り次がれるそうで、それがbitbank Trade(BTCFX)の流動性の高さの要因らしいです。
もちろん取次先がどうにかなってしまったら、流動性の確保は難しくなるのでしょうが、それはここでは置いておいて…そもそも、いくら「先物取引」がしたいと言っても、取引が閑散とした状況では、なかなか思ったとおりの価格で約定できません…。普通に考えると、できるだけ取引参加者が多く、売買が活況な取引所で取引したいものです。
bitbank Trade(BTCFX)は、対米ドルの通貨ペアしかなかったり、取引単位も1枚=100USD相当と見慣れない感じだったり、取引に必要な証拠金はビットコインで預け入れる必要があったりと、慣れるまでは感覚としてつかみづらいものがありそうではありますが、仮想通貨で「先物取引」がしたいという方は、一度、高い流動性が維持されていそうなbitbank Trade(BTCFX)をチェックしてみるといいのでは?
(次ページでは、仮想通貨の「信用取引」について解説!)
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