■日足チャートでもボックス相場を形成
次は、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/円は、ボックス相場「紫の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「紫の破線」の上限は124.00円近辺、下限は118.00円近辺、と考える。
ユーロ/円は、下限の118.00円から123.00円近辺まで、いったん反発(上昇)したが、高値を更新することなく、再び下落した。
そして、このボックス相場「紫の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
しかし、日足チャートを見てのとおりに、115.00円近辺を底値にして、大きく急反発(急上昇)している。
それで、「赤の破線(太線)」で示した、一回り大きいボックス相場を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「赤の破線(太線)」の上限は126.00円近辺、下限は115.00円近辺、と考える。
ユーロ/円は、118.00円近辺の「売りシグナル」に従い、115.00円割れ(114円台後半)に下落した。
しかし、115.00円割れ(114円台後半)から大きく上昇している。
■仏大統領選をきっかけに上昇トレンドに転換
2017年4月23日(日)のフランス大統領選挙が材料になり、「窓(Gap)」を開けて、急騰した、と考える。この「窓(Gap)」は、「買いシグナル」と考える。
4月23日(日)に行われたフランス大統領選の第1回投票は、中道系独立候補のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線のルペン党首が5月7日(日)の決選投票に進むことになった。
市場の予想では、マクロン候補が勝つ可能性が高い、と判断しており、その場合は、フランスのEU(欧州連合)離脱の懸念はなくなる。
それで、「リスク回避」の思惑でユーロ/円を売っていた市場参加者が、その買い戻しを行った、と考える。
ユーロ/円は大きく上昇を続けて、ボックス相場「赤の破線(太線)」の上限(126.00円近辺)を上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円が、さらに上昇したので、下落トレンドから上昇トレンドに転換した、と考える。
■北朝鮮問題などを理由に急落し、ボックス相場を継続
126.00円を上に抜けてからのユーロ/円は、小さいボックス相場「緑の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
この小さいボックス相場「緑の破線」の上限は132.00円近辺、下限は127円台ミドル(ないしは、127.00円近辺)、と考える。
この小さいボックス相場「緑の破線」を上にブレイクして、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、この時点での高値を更新して、134円台を付けている。
しかし、ドイツの選挙で、メルケル首相が勝利したものの、その立場が万全とは言えないことで、「ユーロ売り」となり、そして、北朝鮮問題で、不安が広がったことから、「リスク・オフ」の思惑が広がり、「円買い」になっ
そして、スペインのカタルーニャ地方の独立をめぐる住民投票に伴う混乱を材料に、「ユーロ売り」が出た。この問題では、スペイン政府は、カタルーニャの独立を認めない様子だ。
果たして、「カタルーニャ問題」がどうなるのか、今のところ結論は見通せないのだが、一定の結論を見て、マーケットが落ち着きを取り戻せば、為替相場に与える影響は軽微である、と考えている。
ユーロ相場が反応したのは、スペインの混乱を嫌気したからだ、と考える。
■136円台半ばから133.00円近辺への急落は、「調整下落」
ユーロ/円は、小さいボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
この小さいボックス相場「茶色の破線」の上限は135.00円近辺、下限は131.00円近辺、と考える。
小さいボックス相場「茶色の破線」の上限(135.00円近辺)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
「ユーロ買い・円売り」で付いて行くところ、と考えた。
この「買いシグナル」に従い、この時点での高値を更新して、136円台ミドルを付けている。しかし、ユーロ/円は136円台ミドルをピークにして、133.00円近辺にまで、大きく急落した。
しかしながら、133.00円近辺から、大きく急反発(急上昇)している。136円台半ばから133.00円近辺への急落は、「調整下落」と判断する。
133.00円近辺から大きく反発(上昇)して、結果として137円台ミドルを付けて、高値を更新した。
この日足チャートを俯瞰すると、ユーロ/円は、一回り大きいボックス相場「青の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「青の破線」の上限は137.50円近辺、下限は131.00円近辺、と考える。
サポート・ライン「ピンクの破線」を加筆した。このサポート・ライン「ピンクの破線」は、実際の相場に合わせて、その傾きを修整している。このところのユーロ/円が、上昇傾向を示していたことを表すトレンド・ラインと考える。
■米国株式暴落を材料に、米ドル/円急落→ユーロ/円も急落
米国株式が大きく下落したことを材料に、米ドル/円が急落し、その影響で、ユーロ/円が急落した。
日足チャートを見てのとおりに、サポート・ライン「ピンクの破線」を割り込んで、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
そしてユーロ/円は、一回り大きいボックス相場「青の破線」の下限に迫っている。
この一回り大きいボックス相場「青の破線」の下限(131.00円近辺)を割り込み、さらに「売りシグナル」を発した、と考える。
■米国株下落は積み上がったユーロ買いポジション解消圧力に
2月初旬に米国株式が、大きく下落したことで、さまざまなマーケットに、影響を与えている。
米国株式の大きな下落は、「リスク回避(リスク・オフ)」の思惑を呼び、それまでに積み上がったポジションを解消させる圧力になった、と考える。
日足チャートを見てのとおりに、概して言えば、ユーロ/円は115円程度から137円台に大きく上昇した、と言える。
この上昇した期間には、相応の「ユーロ買い・円売り」のポジションが積み上がっている、と考える。
2月初旬の米国株式の大きな急落は、このポジションを解消させる圧力になり、「ユーロ売り・円買い」に向かわせた、と考える。
直近の米国株式市場は、少し落ち着きを取り戻した様子だったが、3月1日(木)に、トランプ米国大統領が鉄鋼とアルミニウムに対して輸入関税を課すと発表したことで、米国株式が急落した。
その後のニューヨーク株式市場は反発して、目先の相場は安堵感があったが、トランプ大統領の発表した米国の保護貿易が、新たな貿易戦争に発展する可能性もあり、危機感も残っている。
米国が保護貿易に向かうことは重大な事象であり、今後、この課題(テーマ=米国の鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税)は、ユーロ/円相場を動かす重要な材料になる可能性がある、と考える。
最後に、4時間足チャートをご覧いただき…
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