■4時間足ではボックス相場を下抜けし「売りシグナル」
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。4時間足チャートを見てのとおりに、ユーロ/円は、ボックス相場「赤の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「赤の破線」の上限は136.50円近辺、下限は133.00円近辺、と考える。
このボックス相場「赤の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い上昇して、高値を更新して、ユーロ/円は、137円台ミドルを付けている。
しかし、2月初旬に米国株式が大きく下落したことを材料に、米ドル/円が急落し、その影響でユーロ/円は急落した。
この時点でユーロ/円は、一回り大きいボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「茶色の破線」の上限は137.50円近辺、下限は133.00円近辺、と考える。
ユーロ/円は、高値の137円台ミドルから、大きく急落した。
下限の133.00円近辺からは、一時的に反発したが、予断を許さない状況だった。そして、133.00円を割り込んで安値を更新し、「売りシグナル」を発した、と考える。
■現在は売りシグナル点灯後、再びボックス相場に
133.00円を割り込んでからのユーロ/円は、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「ピンクの破線」の上限は134.00円近辺、下限は131.00円近辺、と考える。
ただし、131.00円近辺を明確に下に抜ける場合は、「売りシグナル」なので要注意と考えていた。
見てのとおりに、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、ユーロ/円は下落している。130.00円も割り込み、今のところ、129円台前半を付けている。
129円台前半からは、132円台ミドルに反発した。現在のユーロ/円は、ボックス相場「青の破線」を形成中、と考える。
(出所:ヒロセ通商)
このボックス相場「青の破線」の上限は132.50円近辺、下限は129円台前半(ないしは、129.00円近辺)、と考える。
■ユーロ/円買いはいったんストップした方が良い
短期のレジスタンス・ライン「緑の破線(細線)」を、例示的に、表示した。
(出所:ヒロセ通商)
この短期のレジスタンス・ライン「緑の破線(細線)」は、ボックス相場「青の破線」を明確に上に抜けるまで、その傾きを実際の値動きに合わせて修正する、と考える。
ユーロ/円のロング・ポジション(ユーロ買い・円売りのポジション)は、いったん止めて、様子を見る方が良い、と考える。ユーロ/円は、安値を更新する可能性も十分に高い、と考える。
米国の「鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税」が、これからのマーケット(外国為替市場)に与える影響を、注意深く考察する必要がある、と考える。
トランプ大統領は3月8日(木)、ホワイトハウスで、「鉄鋼やアルミニウム産業を保護しなければならない」として、輸入制限措置を発動する文書に署名した。
トランプ政権は、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の高い関税を課す
としている。現時点では、カナダとメキシコの2か国を、この措置の対象外としている。今後の世界各国の対応や、日本の対応がどうなるのか、予断を許さない。特に、中国やヨーロッパ各国の対応に注視している。
米国の貿易摩擦問題は、今に始まった問題ではないが、これから、再び、改めて、大問題になるのではないかと危惧している。
■北朝鮮問題への警戒感は後退したものの、先行きは不透明
3月9日(金)には、「米国と北朝鮮の首脳が5月までに初会談する方向」のニュースが出た。
「北朝鮮問題」への警戒感が後退し、米ドル/円は「米ドル買い・円売り」に反応した。その影響で、ユーロ/円も上昇した。
しかし、米朝首脳会談が具体的な成果をあげるかどうかは、不透明であること、米国の保護主義的な貿易政策に対する懸念には、変化がないので、単純に「ユーロ買い・円売り」で追随することには賛成しかねる。
(2018年3月20日 東京時間13:00円記述)
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