■105円を割り込み、新たな「売りシグナル」点灯
先週末(3月23日)に、105円台前半の安値を更新して、104円台を付けている。
(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「赤の破線」を下に抜けて、新たな「売りシグナル」を発した、と考える。
短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を、例示的に、表示した。
この短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」の引き方によっては、上に抜けたようにも見える。
しかし、今後の値動きで、米ドル/円が、108.00円を上に抜けない場合は、実際の相場に合わせて、この短期のレジスタンス・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、修正する、と考える。
つまり、今のところ、「買いシグナル」は出ていない、と考える。
■米国の貿易戦争も北朝鮮問題もまだまだ予断を許さない
2月初旬に米国株式が、大きく下落したことをきっかけに、「リスク回避」の思惑から、米ドル/円が下落した。
その後の米国株式は、落ち着きを取り戻したようにも見えた。
しかし、3月1日(木)のニューヨーク市場で、トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに対して、輸入関税を課すことを発表すると、再び、米国株式は大きく下落した。
こういった米国の保護貿易が、新たな貿易戦争に発展するのではないか、といった懸念が広がっている。
この時(3月1日)のマーケット(外国為替市場)は、このニュースを材料に「米ドル売り」に反応した。
米国が保護貿易に向かうことは、重大な事象であり、今後、この課題(テーマ=米国の鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税)は、マーケットを動かす重要な材料になる可能性がある。
その後のマーケットでは、米国の貿易摩擦問題に対する楽観的な思惑も浮上する場面もある。
しかしながら、「鉄鋼とアルミニウムに対しての輸入関税」に関しては、マーケット(金融市場・外国為替市場)が、十分に織り込んだとは言えない、と考える。
米国の貿易摩擦問題は、今に始まった問題ではないが、これから再び、改めて大問題になるのではないか、と危惧している。
「北朝鮮問題」に関しては、3月9日(金)に、「米国と北朝鮮の首脳が5月までに初会談する方向」のニュースが出た。それで、「北朝鮮問題」への警戒感が後退している。
しかし、米朝首脳会談が具体的な成果をあげるかどうかは、不透明である、と考える。
ただし、5月までに新たなニュースが出るたびに、右往左往することになる可能性がある。
(2018年3月28日 東京時間13:30記述)
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