■カギはあぶく銭。コンビニでビットコインを使う時代が…
「仮想通貨が現実世界に一気に浸透してくる時期がどこかで来るんじゃないか」と予言する堀江さんだが、そのカギを握るのはどうも「あぶく銭」だと考えているようだ。
そして、「あぶく銭」が生じる場所の1つにオークションを挙げる。

仮想通貨が現実世界に一気に浸透してくるためのカギを握るのは、「あぶく銭」!? 小川さんが運営するVALUも、個人が仮想通貨で「あぶく銭」を手にする可能性があるサービスだと堀江さんは言う
「オークションの何が強いかというと、あぶく銭が入ってくること。今までお金でなかったものがお金になるんです。だから、あぶく銭は金離れがいいんですよ。
VALUもそう。自分の価値をお金というものに替えてるだけだから。
メルカリの山田会長も結構、攻めると言っていた。メルカリポイントがBTCと連動する。あるいはメルカリポイントがICOするとどうなるか。
これは3~4年前にCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)にも提案しました。そのとき、Tポイントの流通額が3兆円ぐらいだった。今、TポイントをICOしましょうよ。
何千万人が持ってるTポイントがブロックチェーン、それもパブリック・ブロックチェーンに乗るということが起こり得る。これが1つの僕のシナリオですよ。ここ2~3年で起きてくるシナリオの1つはそれ。
普通にコンビニでみんな、BTCみたいなものを使い出すわけですよね。
俺、ここ絶対どこか、アグレッシブな会社がやってくると思ってる。メタップスなのか、メルカリなのか、わからないけど。
ポイントは『みんなにあぶく銭』ということ。
VALUって1つ可能性があるなと思ったのはそこなんです。個人の価値に対してファイナンスできるじゃない。個人が最初に暗号通貨のあぶく銭を持つことが僕は大事だと思う」

■俺はなんか、そうじゃない気がするな~
こんなふうに堀江さんが“あぶく銭が大事論”を語るのに対して、小川さんはこう話し始めた。
「実際、どれぐらいあぶく銭だとみんな感じているのかと思っていて。
今って、ビットコインとかブロックチェーンって死ぬほどユーザー体験が悪いわけです。ビットコインで支払いをするのに10分間ぐらい待たないといけないし。仮想通貨のだいたいのコミュニティが(価格を)上げたいモード。
どこかのタイミングで、そのコミュニティの人たちがstableな(安定的な)コインを作ってみようみたいな発想の転換がじつは必要なんじゃないかなと。
日本国内においてはあぶく銭感は終わったのかな。今は、インドとか中国とかアメリカとかであぶく銭をまた作ってくれる人を待つしかない状態。
日本は何ができるのか。そういったことを見据えて、どういうstableなコインを作っていける雰囲気を作っていくか、かつユーザー体験をどういうふうに向上させていくかということを僕は今、すごく考えているところ。
そして、そのタイミングで海外に行けば、日本企業として伸びていくことができるんじゃないか」

堀江さんは、「俺はなんか、そうじゃない気がするな~」と、意見がかみ合わない様子だが、小川さんの話も興味深い。安定的でユーザー体験が良いコインを作っていくことが、この分野において、日本企業が海外で伸びていくための布石になると考えているようだ
こう小川さんが語ると「俺はなんか、そうじゃない気がするな~」と堀江さん。
こんなふうに文字にして書いていくと、最後までかみ合っていない感じの2人に見えてしまうが、最後は堀江さんがネタとして突っ込んでいるような雰囲気も!? さまざまなトピックで意見が異なるといっても、2人の間にギスギスした雰囲気はまったくなく、お互い遠慮なく、思ったことを言い合える仲なんだろうな、ということが感じられる対談だった。
■VALUユーザー待望のアプリ登場は間近かも?
VALUの小川さんが登壇した割りに、意外とVALUに触れる場面が少なかったのだが、最後にVALUの現状と今後の計画などについて小川さんから話があった。
「コインチェックのハッキングのあとはかなりしんどい感じになってましたね。売上げもダダダダと下がっていったので。最近はちょっと回復傾向にあります。
仮想通貨の事業やってる人って、分散化してるか、中央化してるかがあるんですが、ユーザーのことを考えると中央化せざるを得ない。そのとき、どういったリスクが待っているかということですね。コインチェック事件の記者会見を見ていたとき、もしかしたら、あそこで謝っていたのは僕だったかもなぁと思ったりしました。かなりヒヤヒヤなんです」

コインチェック事件後の記者会見の様子。事件を振り返って、VALUの小川さんは、「あそこで謝っていたのは僕だったかも」と思ったそう。仮想通貨サービスはユーザビリティを考えると、システムを中央化せざるを得ないようだが、そうすると今度はリスクが増大してしまうというジレンマがあるようだ (C)Kyodo News/Getty Images
「VALUのアプリを来週、再来週ぐらいにアップルが『ノー』と言わなければ、出せると思います。アップルが『イエス』と言ったら、ぜひ、みなさん、インストールしてください。『ノー』と言われたら、『アップル、ふざけんなよ』と怒ってください。
機能はまずベーシックなことからやろうと思っているんですが、そのあとはインスタグラムみたいなストーリー機能やコメント機能をつけていきたい。滞在時間を長くしていきたい。決済する瞬間とSNSにいる時間を比べれば、SNSにいる時間の方が長いからです。
そういったところで、どんどんユーザーさんに使ってもらいたいです。
YouTubeの番組も持ちたいと思っています。そこでVALU発行者がプレゼンなどをしてもらうことをオフィシャルにやりたいなと思っています」
VALUユーザー待望のアプリ登場は間近なようだ。
そして、堀江さんと小川さんの2人は「未来は明るい」という言葉でこの対談を締めくくっていた。
第2部が終わると、そのあとは堀江さんが…
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