■トルコ中銀の裏口利上げでトルコリラは底堅い
トルコリラの方ですが、今週(8月20日~)はトルコが喜捨祭(犠牲祭ともいう)のため大型連休に入っており、相場があまり動いていません。
【参考記事】
●FX会社が警戒するトルコの「犠牲祭」とは? 日本発のトルコリラショック再開はある!?

(出所:Bloomberg)
米国の格付け会社大手2社が、8月18日(土)にトルコ国債の格付けを引き下げました。
S&Pはトルコの格付けを「BB-」から「B+」に引き下げました。見通しはステーブルです。続けて、ムーディーズも格付けを「Ba2」から「Ba3」に格下げしています。こちらは見通しまでネガティブにしています。
格下げがあったものの、すでに織り込み済みであることから、為替への影響は限定的でした。どちらかというとトルコ中銀の裏口利上げの効果が現れてトルコリラは底堅い動きをしています。

(出所:Bloomberg)
裏口利上げとはトルコ中銀がよく使用している方法で、政策金利を引き上げないで、政策金利より高い金利で貸出を行うというやり方です。ステルス利上げともいいます。
トルコ中銀は先週(8月13日~)から、国内の銀行への貸し出しを通常の1週間レポ金利である17.75%ではなく、150bp高い翌日物(オーバーナイト)の貸出金利で行なっています。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
トルコ中銀は後期流動性貸出金利を使用していた時期もあって、これが市場の混乱を招くということで金利政策の簡素化を図って、貸出金利を一本化したはずでした。
しかし、直近の騒動でまた元にもどってしまったようです。いずれにしても今週(8月20日~)のトルコリラ相場はトルコが大型連休のため大きな動きがないと予想しております。
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