外部環境が悪いのは、何も従前と変わっていない。強いて理由を挙げれば、近づく企業決算の山場が原因だろう。これまで米国株の史上最高値を更新するための根拠となってきた企業利益に疑問符がついたのである。
小売り大手のシアーズが来週にも倒産するということが、水曜日のセッションで報じられた。たしかにアマゾンなどネット販売に押されているのが明白だ。特に小売リセクターは競合が激しく、隣の店で買ったのならば、同じものを別の店で買うことはない。
また食事の回数が1日3回だったものが、1日に5回も食べるようになったわけでもない。アマゾンでモノを買ったら、他の実店舗では買わないのが通常であろう。それが事実であるにもかかわらず、これまでシアーズやウオルマートなどは株価が値を飛ばしてきたのだ。
しかも2回か3回前の企業決算では、史上最高益だったはずだ。そんなに儲かって仕方がないのに、なんで潰れてしまうのか。やはり疑念は公表してきた決算に帰することになる。本当に利益が出ていたのかどうか、他にも資金繰りを困らせるような隠れ借金があったのではないか、などなど。
そしてその企業決算が本格化するのは今晩からである。まずは金融大手のJPモルガン、シティ、ウェルズ・ファードといったところ。これらの事前予想はどれもいい。そして結果で出てくるEPSがアナリスト予想を上回ったとした場合、その通りに株価が反応するのかどうか。
それがさっそく試されるのである。企業利益のあり方に疑念が生じたような動きを呈した場合は、市場におけるリスク回避の動きは収まらないかもしれない。今度こそドル円やユーロ円の売り持ちがワークするかどうかトライしにいくことになる。
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