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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ハト派色強いFOMCなら米ドル/円は売り!
「黄色いベスト運動」で欧州が景気減速!?

2018年12月17日(月)16:28公開 (2018年12月17日(月)16:28更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■年内最後のFOMC、コンセンサスよりもハト派色が強まる!?

今週12月18日(火)、19日(水)はFOMC(米連邦公開市場委員会)。年内最後のヤマ場ですね。


9月FOMCで公開されたドットチャートでは、来年(2019年)3回の利上げ見通しでしたが、これがどう変化するか、ですね。

【参考記事】
逆イールドは、本当に米景気後退の前兆か? 12月FOMCの「ドットチャート」に注目!(12月6日、今井雅人)

2018年9月FOMCで公開されたドットチャート
2018年9月FOMCで公開されたドットチャート

(出所:FRB)

コンセンサスを確認すると「利上げを行うものの、来年(2019年)の利上げ見通しが3回から2回に引き下げられ、記者会見でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言もハト派色が強まるだろう」といったところ。


個人的には、パウエルFRB議長が「just below the broad range of estimates of the level that would be neutral for the economy」=「中立金利よりわずかに低い」と明言している点から、来年(2019年)3回の利上げは到底難しいし、2回ですらクエスチョン。コンセンサスよりもハト派色が強まるリスクのほうが高いと考えています。

【参考記事】
FRB議長などのハト派発言で米ドル下落! 英ポンドは、合意なき離脱なら25%急落か(11月29日、西原宏一)
パウエル発言に小躍りする市場に落とし穴。米利上げ早期停止観測が間違っていたら…(11月30日、陳満咲杜)

FOMCの結果が出るのは、12月19日(水)深夜です。この前後では、中国で中央経済工作会議や改革開放40年大会が開催される予定。米中貿易摩擦に関して何か動きが出てくるかもしれないので要注意


ただFOMCを過ぎると、クリスマス休暇に入る人が多そうですね。

■年末には米政府機関のシャットダウンリスクも

FOMCを受けての反応が、12月20日(木)に出るでしょうが、12月21日は金曜日。本来なら、このあたりからお休みモードですが、今年(2018年)は米政府機関のシャットダウン(閉鎖)リスクが出てくる暫定予算の失効が12月21日(金)


毎年の恒例行事で慣れてしまいましたが、年金生活者の生活不安などネガティブな報道が目立つようだと、米ドル売りが進む場面があるかもしれません。

メキシコ国境の壁の建設財源を巡ってトランプ米大統領と議会の対立が深まっているため、閉鎖リスクが高まっています。ヘッドラインに注意ですね。


日本株市場に目を向けると、19日(水)は、ソフトバンクのIPO(新規株式公開)もありますね。売り出し額2.6兆円の大規模IPOだけに、市場の反応が楽しみですね。

トランプ米大統領写真

メキシコ国境の壁の建設財源を巡って議会と対立を深めているトランプ米大統領。米政府機関のシャットダウンリスクが高まっている (C)Chip Somodevilla/Getty images

■はっきりしない英ポンド。デイトレードのチャンスは多いが…

はっきりしないのが英ポンド。先週(12月10日~)予定されていた英議会のEU(欧州連合)離脱案採決は延期されました。

【参考記事】
保守党の不信任投票を乗り切ったメイ首相。再び問題山積みのBrexit交渉最前線へ…(12月13日、西原宏一)
メイ首相ピンチ! 次は野党から不信任動議!? 混迷のEU離脱交渉。英ポンドさらに下落か(12月13日、今井雅人)

英議会は12月20日(木)からクリスマス休暇だそうですね。12月20日(木)までに採決を行うのは日程的にキツイでしょうし、休暇明けとなる1月7日(月)以降に持ち越しでしょうか。

保守党はノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)を望んでいないのでしょうが、じゃあどうするのかというと不透明。


英ポンドはボラティリティが高まっているだけにデイトレードのチャンスは多いのですが、オーバーナイトして持ち越すのはリスクが高いですね。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足

■「黄色いベスト運動」の影響が早くも。欧州の景気減速が心配

先週(12月10日~)発表されたフランスの総合PMIは50を割り込みました。「黄色いベスト運動」の影響のようです。欧州の景気減速が心配ですね。


また、ECB(欧州中央銀行)は先週(12月10日~)、現行の金利水準を「少なくとも2019年夏まで」維持するとした文言を変えませんでしたが、「来夏の利上げは難しいのでは」と見る市場関係者も増えているようです。


この文言に変更があるようだと、ユーロ売りが再開する可能性もありそう。

【参考記事】
ファーウェイ問題と逆イールドで米株急落! 欧州通貨はリスク大。ドル/円の戻り売りで(12月10日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロ/米ドル 1時間足
ユーロ/米ドル 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足

欧州通貨はブレグジットの行方、それにFOMCがはっきりしないと動きにくいのでしょう。

■「フォース・マジュール」でも原油は上がらず。当面はレンジか

原油市場では先週(12月10日~)、リビアが「フォース・マジュール(※)」を宣言しました。リビア最大のシャララ油田が武装勢力に占拠され、原油生産が停止しているためです。


昨春(2017年春)にもフォース・マジュールが宣言され、その時には原油が急騰したのですが、今回は動きません。主要産油国の協調減産で上がらず、フォース・マジュールでも上がらない。当面はレンジでしょうかね。


WTI原油が50ドル台を維持できれば問題ないと思いますが、50ドルを割れてしまうとハイイールド債や株式市場への悪影響も懸念されます。

(※編集部注:「フォース・マジュール」とは不可抗力を意味するフランス語。地震、洪水、火災、戦争、暴動、革命、ストライキ、伝染病など、当事者の合理的な支配を超えて発生する事象のこと)

【参考記事】
衝撃的な原油価格急落が金融危機を招く!? ドル安進行を見込んで米ドル/円は戻り売り(11月26日、西原宏一&大橋ひろこ)

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足

(出所:Bloomberg)

ゴールドはどうですか?

8月以降、きれいな上昇トレンドを描いており、足もとでは押し目を形成中のようです。来年(2019年)以降の米ドル安を織り込みにいくチャートにも見えますね。

【参考記事】
ファーウェイ問題と逆イールドで米株急落! 欧州通貨はリスク大。ドル/円の戻り売りで(12月10日、西原宏一&大橋ひろこ)

NY金先物 日足
NY金先物 日足

(出所:Bloomberg)

今週(12月17日~)の戦略としては、FOMCがコンセンサスよりもハト派色を強めるようなら米ドル売り、特に米ドル/円の売りでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

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