2019年4月27日(土)から5月6日(月)まで、10連休という超大型のゴールデンウィークがやってくるまであと3週間あまり。
皇太子さまが天皇に即位される5月1日(水)が祝日となり、その前後の平日が祝日法に基づいて「国民の休日」となることから、4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休となるわけですが、新元号が「令和」に決まり、5月1日(水)から新天皇とともに「令和」時代が幕を開けることになります。

そんな10連休を間近に控え、金融庁や金融先物取引業協会(以下、金先協会)、東京金融取引所、外為どっとコム総研などが10連休に関するお知らせやデータを公表しました。
そこで、今回は10連休に関するお知らせやデータを基に、投資家が10連休を過ごすうえで注意すべき点をまとめていきたいと思います。
■金融庁や金先協会、10連休中に入金できない可能性を指摘
10連休の1カ月前である3月25日(月)、金融庁は「4月27日から予定される大型連休について」というお知らせを発表しました。

(出所:金融庁)
金融庁はこのお知らせのなかで10連休中に国民に留意してほしいことを明らかにしたのですが、主な点は以下になります。
・10連休は国内の株式の取引等を行うことができないこと
・10連休中の内外のイベント発生等により、連休明けの国内市場が影響を受ける可能性があること
・10連休中に外国株式の取引やFX取引、株価指数先物取引等を行う際は、証拠金不足に備え、利用している証券会社等で10連休中の証拠金入金の可否を確認すること
・10連休前に十分な証拠金を入金すること
・10連休前に建玉を減少するなどのポジション管理を行うこと
また、FXなど金融先物取引を取り扱う会社の自主規制団体である金先協会も、3月19日(火)に「10連休中の外国為替証拠金取引に関する投資家の皆様への注意喚起」というお知らせを発表しました。

(出所:金先協会)
金先協会もこのお知らせのなかで、10連休中のFX取引の注意事項についてマーケットが大変動する可能性に加え、取引業者への入金が行えない可能性を指摘しています。
つまり、金融庁と金先協会がともに「10連休中に取引業者への入金ができない可能性」について注意を促しているわけですが、10連休中にFX口座やCFD口座への入金は問題なくできるのでしょうか。
■10連休中は銀行から「振込入金」しても反映されない可能性
その前にトレーダーがFX口座やCFD口座へ入金する方法について確認しておくと、各会社で名称は異なりますが、一般的に「振込入金」と「クイック入金(即時入金)」があります。
「振込入金」はFX会社が用意した振込専用口座に、トレーダーが銀行の窓口やATM、インターネットバンキングから振込を行うことで入金できる方法です。
そんな「振込入金」を行えるのは銀行やATMの営業時間内に限られます。インターネットバンキングや一部のATMからは基本的に24時間振込ができますが、FX会社に着金するのは翌営業日となる場合があります。
また、FX会社に着金しても取引口座に入金額が反映されるのに時間がかかることもあります。
10連休中は日本の証券取引所と商品取引所のすべてが10日連続の休業日となるのですが、10連休は銀行法が定める休業日にあたり、多くの銀行も10日連続の休業日になると思われます(※)。
(※銀行によっては休日に住宅ローン相談会等を行うところもある)
【参考記事】
●日経225先物が10日間取引停止へ! もし暴落したら…10連休に日経平均を取引するには?
そのため、10連休中は銀行の窓口から「振込入金」は行えないと考えたほうがよいでしょう。
また、24時間振込可能なATMやインターネットバンキングから振込を行ったとしても、FX会社への着金や取引口座への入金額の反映は10連休明けの5月7日(火)以降になる見込みです。
そして、10連休前の4月26日(金)や10連休明けの5月7日(火)は銀行業務が集中することが予想されるため、FX会社への着金や取引口座への入金額の反映が遅れる可能性もあります。
普段から「振込入金」でFX会社に入金を行っているトレーダーは10連休前に余裕をもって多めの入金しておいたほうがよさそうです。
ただ、最近ではFX会社への入金は「振込入金」ではなく、次に詳しく触れる「クイック入金」で行っているトレーダーが非常に多いのではないでしょうか。
■10連休の取引時間中に「クイック入金」できない時間帯は?
「クイック入金」はFX会社の会員専用サイトや取引ツールにログイン後、クイック入金画面からクイック入金対応金融機関を選び、その金融機関のインターネットバンキングを使って入金を行います。
また、「クイック入金」はインターネットバンキングで入金を行うため、基本的には24時間入金が可能で、入金直後に取引口座へ入金額が反映されます。
ザイFX!ではゴールデンウィーク中の米ドル/円の動きを過去20年にさかのぼって調べ、「円高になるか円安になるかは別として、ゴールデンウィーク中はそれなりに動く可能性がある」ことを先日公開した記事でお伝えしました。
【参考記事】
●ゴールデンウィークは円高になるって本当? 過去20年を徹底検証。10連休はどうなる…
詳しくは【参考記事】をご覧いただきたいのですが、10連休中に相場が急変して追加入金が必要になる場合が出てくるかもしれません。
そんな時も「クイック入金」なら24時間即時入金できるはず…ですが、今回は10連休という前代未聞の状況。いつもの祝日と同じ感覚で問題なく「クイック入金」できるのでしょうか?
「クイック入金」はクイック入金対応金融機関のインターネットバンキングを用いるため、24時間入金可能かどうかはクイック入金対応金融機関のインターネットバンキングが24時間利用可能かどうかにかかってきます。
10連休中にクイック入金対応金融機関のメンテンナンスなどがあれば、インターネットバンキングが使えず、クイック入金ができない可能性があります。
FX会社によってクイック入金対応金融機関の数は違うのですが、記者が調べたところ、SBI FXトレードやDMM.com証券[DMM FX]、ヒロセ通商[LION FX]、JFX[MATRIX TRADER]などでは全国約380行の金融機関から「クイック入金」が行えるようです。
そこで今回は全国約380行のうち、主要な都銀やネット銀行、ゆうちょ銀行に絞って10連休中のインターネットバンキングの営業状況を調べてみました。
以下の表は4月27日(土)から5月6日(月)までの間、主要な都銀やネット銀行、ゆうちょ銀行のインターネットバンキングがメンテナンスなどで利用できない時間帯をまとめたものです。その中でも、10連休のFX取引時間中にインターネットバンキングが利用できない時間帯は赤字にしてあります。

※赤字はFX取引時間中に利用できない時間帯
※3月29日にザイFX!が各銀行のホームページや問い合わせなどから調査
※10連休中のインターネットバンキングの営業状況は上記の内容から変更される可能性もある
主要な都銀やネット銀行、ゆうちょ銀行のなかで、10連休のFX取引時間中にインターネットバンキングを利用できない時間帯があるのはみずほ銀行とゆうちょ銀行です。
みずほ銀行は4月27日(土)3時~5時、5月4日(土)3時~5時にインターネットバンキングを利用できません。
みずほ銀行といえば事業統合やシステム移行に伴うメンテナンスが非常に多いイメージがありますが、案の定(?)、メガバンクのなかで唯一、FX取引時間中にインターネットバンキングを利用できない時間帯がある銀行となりました。
そして、ゆうちょ銀行は毎日23時56分~0時04分、5月3日(金)23時56分~5月6日(月)6時59分が利用できません。
週明け月曜のFX取引は一般的に7時から始まりますが、週末にイベントが発生し、5月6日(月)7時に窓開けが生じて入金が必要になったとしても、ゆうちょ銀行を利用して「クイック入金」しているトレーダーは5月6日(月)7時以降にしか入金ができないということになります。
週明けに窓開けが生じたことによるロスカットを避けるためには前週までの余裕を持った入金が必要と言えます。
そして、10連休の土日でインターネットバンキングを利用できない金融機関もあります。
三井住友銀行は4月28日(日)21時~4月29日(月)7時、5月5日(日)21時~5月6日(月)7時が利用できません。この場合もゆうちょ銀行と同様に、週明け月曜に窓開けが発生するとロスカットになる状況なら事前の入金が欠かせないでしょう。
一方、三菱UFJ銀行や楽天銀行、ジャパンネット銀行は10連休中も24時間インターネットバンキングを利用できます。
今回は主要な都銀やネット銀行、ゆうちょ銀行を取り上げましたが、イザというときのためにも自分が使っているクイック入金対応金融機関の10連休中の営業状況は調べておいたほうがよさそうです。
続いて、取引所FXである「くりっく365」と取引所CFDである「くりっく株365」を提供している東京金融取引所が…
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