■トルコ中銀と国営銀行は、なりふり構わず為替介入を実施
トルコリラの方ですが、S-400が届いたとのニュースにも大きく反応せず、底堅く推移しています。
前回のコラムでも書いたように、トルコ中銀と国営銀行は、なりふり構わず為替介入を行っているので、トルコリラは現時点で安定しています。
【参考記事】
●トルコ中銀総裁解任の本当の理由とは? S-400問題で米国の制裁はほぼ確実!(7月10日、エミン・ユルマズ)

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S-400の到着発表を受け、米国防総省(ペンタゴン)は、7月12日(金)に記者会見を行う予定でしたが、会見は直前で中止になりました。
また、7月15日(月)に予定されていた記者会見も中止されました。ペンタゴンの記者会見の2回の中止と米国がまだトルコに対する制裁を発表していないことを踏まえると、トルコと米国の交渉はまだ続いている可能性が高いと考えます。
エルドアン大統領も、S-400が稼働するのは1年後になると話しています。この1年間を交渉期間にしたいという狙いがあるのかもしれません。
■米国側のトルコに対する制裁措置とは?
米国側はトルコに対する制裁措置を準備していて、今週(7月15日~)中に発表するとしていますが、交渉の進展によって制裁内容は軽微なものになる可能性もあります。
その場合、トルコリラへの影響は限定的になるでしょう。

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実は、直接の制裁ではありませんが、米議会はトルコが対立しているキプロス(南サイド)への軍事機器の輸出制限を解除しました。キプロス問題でEU(欧州連合)とも対立しているトルコは強力な味方を失ったことになります。
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