KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資しているじぶん銀行は、まだガラケーが主流だった2008年に、「携帯電話の中に銀行」という画期的なコンセプトでサービスインしたネット銀行です。2010年には、ネット専業銀行最速の開業から2年未満で口座数100万口座を達成し、2019年4月には350万口座を突破しています。
じぶん銀行には、2013年から取り扱いを開始した「じぶん銀行FX」というFX口座もあります。今回は、このじぶん銀行FXについて、その特徴やメリット・デメリットなどを確認していきたいと思います!
【目次】 ※各項目を詳しく解説します。クリックして該当箇所へ
・ メリット
・ デメリット
・ 取扱い通貨ペアとスプレッド
・ 取引時間
・ 取引ルール
・ FX初心者向けコンテンツ
・ まとめ
■じぶん銀行FXのメリット
【メリット】
●KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資で設立
●FX初心者向けの解説コンテンツが充実
●1000通貨から取引ができる
●KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資で設立
KDDIと三菱UFJ銀行という東証一部上場の大企業の後ろ盾がありますから、会社としての信頼性は抜群です。

●FX初心者向けの解説コンテンツが充実
「初めからFX目的で口座開設を行うユーザーを募る」というより、「じぶん銀行に口座を持っているユーザーに向けて、FXも勧める」というスタンスであると推測され、そのためもあってか、FX初心者に向けた解説コンテンツが充実しています。

●1000通貨から取引ができる
じぶん銀行FXでは、1回あたりの最低取引数量に応じて「ミニ」、「通常」、「大口」の3つのコースがあります。「ミニ」では1000通貨から取引することができ、初心者にもトレードしやすくなっています。

■じぶん銀行FXのデメリット
【デメリット】
●スプレッドが広い
●取り扱い通貨ペアが少ない
●スマホアプリの評判がイマイチ
●スプレッドが広い
じぶん銀行FXのスプレッドは、米ドル/円2銭、ユーロ/円3銭など、昨今のFX業界の常識からすると、かなり時代遅れな感じがする広さです。また、公式サイトに明記されているスプレッドが適用されるのは「通常」コースだけだそうで、「ミニ」や「大口」は「別の取引レートでの適用となります」という注釈のみ。これはちょっとモヤモヤする感じ?
●取り扱い通貨ペアが少ない
取扱い通貨ペアは11通貨ペア。米ドル/円や主なクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、ユーロ/米ドルなど、メジャーな通貨ペアは網羅されていますが、多くのFX会社で20通貨ペア以上取り扱っている現状を鑑みると、物足りなさを感じざるを得ないかも…。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引できる通貨ペアを比べる
●スマホアプリの評判がイマイチ
じぶん銀行FXは、2018年12月に新しいスマホアプリをリリースしています。チャートを見ながらの注文や、4分割画面でのチャート表示、基本的なテクニカルチャートの表示に加え、AI(人工知能)が数時間後~数日後の為替変動を分析・予測する「AI外貨予測」が搭載されている、一見魅力的なスマホアプリのように思われるのですが、GooglePlayやApp Storeでのアプリの評価はあまり芳しくないようです。

理由としては、売買の際にフリーズする、狙ったタイミングで約定しない、数値を入力するとアプリが落ちる…など、機能面というより、そもそも基本的なシステムに問題を感じているユーザーが多いようです。
【参考コンテンツ】
●[iPhoneアプリ&iPhone向けブラウザ]FX会社のiPhone対応を徹底比較!
■取扱い通貨ペアとスプレッド
じぶん銀行FXの取り扱い通貨ペア数は11通貨ペア。米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円、スイスフラン/円、加ドル/円、NZドル/円、南アフリカランド/円、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルになります。

スプレッドは、米ドル/円2銭、ユーロ/円3銭、英ポンド/円4銭、ユーロ/米ドル2pips…など、主要通貨ペアのスプレッドと言えば1銭以下、1pips以下が当たり前のご時世においては、はっきり言って広いです。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる
■取引時間
じぶん銀行FXの取引時間は、米国夏時間(サマータイム)が月曜午前7時~土曜午前5時50分、米国標準時間(冬時間)が月曜午前7時~土曜6時50分です。また、システムメンテナンス時間はログインできないため取引不可なのですが、これがサマータイム時は火曜~金曜の5時50分~6時10分、冬時間時は6時50分~7時10分に設定されています。

サマータイムの適用期間は、原則として3月第2日曜日から11月第1日曜日まで。クリスマスおよび年末年始の取引時間は、別途告知されます。
なお、取引には影響しませんが、サマータイムの土曜5時50分~12時、冬時間の土曜6時50分~12時と、毎月第2土曜日の21時~翌7時も、ログインのできないメンテナンス時間となっています。
■取引ルール
ここまで紹介した以外の、主な取引ルールは下記のとおり。「ミニ」、「通常」、「大口」の取引コースによって、取引単位だけでなく、新規注文1回あたりの上限や、1日あたりの新規取引高が変わってきます。

また、新規注文時に必要な証拠金と、建玉を維持するために必要な証拠金の割合が異なるのも特徴。建玉維持には建玉の建値の4%の証拠金があればよいのですが、新規注文時には新規建玉建値の5%の証拠金が必要です。つまり、新規注文時のレバレッジは必然的に20倍以下になる、ということですね。
また、証拠金維持率が100%を下回ると、リアルタイムでロスカットとなります。
■FX初心者向けコンテンツ
じぶん銀行FXのウェブサイトでは、FX初心者向けのコンテンツが充実しています。コンテンツは大きくわけて3種類。
FXとは何か?から、具体的なトレード手法まで、マンガで楽しく解説する「マンガでわかるFX」、FXの基本について項目別にていねいに説明してくれる「はじめてのFX」、そして、トレーダーのレベル別に必要な情報をまとめて見られる「FXガイド」の3種類が用意されています。
・「マンガでわかるFX」
「マンガでわかるFX」は、豊臣秀吉を模したと思われるFX初心者キャラ「秀吉」が、織田信長を模したと思われるFXプロフェッショナルのキャラ「信長」や、明智光秀を模したと思われるチャート分析の達人キャラ「光秀」の指南を受けて、FXを学んでいくストーリーです。

すらすら読めて、すいすい頭に入ってくるマンガになっていますが、それもそのはず、ストーリーにも作画にもとことんこだわり、読者にきちんと内容が伝わるかを、銀行目線でもしっかりチェックして作られているんだそうです。

記念すべき第1話目の冒頭は、こんな感じ。

現在第19話まで展開されていて、まだまだ更新中です!
・「はじめてのFX」

「はじめてのFX」は、「FXってなに?」というところから、FXのしくみやリスクなどを、1つ1つ項目別に解説してくれています。

たとえば、1つ目の「FXってなに?」という項目を見てみると…

図やイラスト、身近なたとえを交えて、FXで利益が出るしくみや、円高・円安とは何かというところから説明されていて、とてもわかりやすいです。
また、証拠金の入金額や取引数量、新規注文レートを入力すると、ロスカット発動レートやレバレッジを計算してくれる「FXシミュレーター」も、初心者に便利なコンテンツではないでしょうか。
試しに、「10万円の資金で、米ドル/円を107円で1万通貨買う」と入力してみると、「10.7倍のレバレッジでの運用となり、レートが101.280円になった時にロスカットされ、損失は5万7200円」ということが、瞬時に計算されました。

・「FXガイド」
「FXガイド」は、「初級編」、「中級編」、「番外編」とわかれていて、それぞれのレベル、目的ごとにコンテンツを整理してくれているので、必要な情報を探しやすくなっています。

コンテンツの中には、先に紹介した「FXマンガ」や「はじめてのFX」も含まれているのですが、それ以外の内容も充実。たとえば、「初級編」にはFXと外貨預金を比較して紹介するコーナーや、FX取引に関してよくある質問をまとめたコーナーなど、初心者がFX取引を始めるにあたって知っておきたい内容がラインナップされています。

また「中級編」は、先輩トレーダーのFX体験談や、テクニカルチャートの使い方を解説するコーナーなど、FXを始めてからも役立つ内容となっています。

「番外編」では、じぶん銀行FXユーザーがどんな取引をしているか、たとえば人気の通貨ペアや注文方法、取引時間帯などをまとめた「みんなどんな取引をしているの?」というコンテンツがユニーク。取引の資金やポジションの保有期間など、知りたくてもリアルではなかなか聞けない情報が満載です。

■まとめ
じぶん銀行FXは、東証一部上場のKDDIと三菱UFJ銀行をバックボーンに持つインターネット専業銀行・じぶん銀行の展開するFXサービスで、信頼性の高さは抜群。ですが、スプレッドが広い、スマホアプリの評判がイマイチなど、FX専業会社に比べると、スペック面で全体的にどうしても見劣りしてしまいます。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる
ただし、初心者向けコンテンツにはかなりチカラを入れているので、まだFXにちょっと興味を持ったばかりの超ビギナーさんにとっては、大変勉強になる内容を提供してくれています。
実際に口座を持つメリットは少ないかもしれませんが、一度ウェブサイトをチェックしてみてもいいかもしれませんね。
また、FX口座の開設を検討中の方は、ザイFX!限定のお得なタイアップキャンペーンを実施しているFX会社もありますので、そちらも参考にしてみてくださいね!
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:キャンペーンで比べる(ザイFX!限定も)
(ザイFX!編集部・上岡由布子)
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