■米国は静かにQEを再開か?
アメリカではFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、バランスシート拡大に踏み切るとの考えを示しました。
10月15日(火)から、短期国債を月600億ドルペースで購入するそうです。「短期金融市場を安定させるため」であって、QE(量的緩和策)再開との見方は強く否定したそうですが……。
実質的にQEですよね。それに加えて、トランプ大統領が減税を行なうのではとの観測も出ています。
最近でこそ経済指標は弱含んできたものの、米景気はまだ強い。それなのに利下げ、QE、さらに減税を行なえば、株式市場にバブルが発生する可能性は小さくない。
それもこれも大統領選挙をにらんでのことなのでしょう。ただ、今、減税を行なって株価を持ち上げれば来年(2020年)まで持たない。減税カードをいつ切るのか、要注意ですね。

(出所:Bloomberg)
リスクオフを警戒する声も多いですが、「株価はもうトップアウトしたはずだ」と目線を決め打ちするのは危険ですね。
■シリア北部からの米軍撤退がトルコリラの不安要因に
シリア北部からの米軍撤退、トルコ軍侵攻というニュースもありましたね。シリア北部はクルド人勢力が支配する地域。
米軍はクルド人勢力と連携してIS(イスラム国)と戦ってきました。ISの掃討作戦が終わったからといって即撤退、というのは冷たいように感じます。
【参考記事】
●シリア北部から米軍撤収で戦争リスク警戒! トルコリラ/円は18円台前半へ下落…(10月9日、エミン・ユルマズ)
米軍が撤退すれば、トルコ軍がクルド人の排除へ動くことはわかっていましたからね。トランプ大統領の思惑がどこにあるのか……。いずれにせよ、トルコリラにとっては悪材料です。
同じく中東ではイランのタンカーがミサイル攻撃を受ける事件もあり、原油が上昇しました。誰による攻撃だったのか、まだ不明です。今週(10月14日~)の戦略はどう考えますか?

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
英ポンド/米ドルの押し目買いでしょうか。EUとの協議次第ではありますが、合意あるEU離脱の可能性が高まるようなら、英ポンドショートのスクイーズ(買い戻し)に期待できるでしょう。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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