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ザイFX!編集長の井口稔です。
いつもザイFX!をご愛読いただき、ありがとうございます。本年、2020年もザイFX!をよろしくお願いいたします。

■バブルは「通年で平成」となった最初の年に崩壊した
昨年、2019年は平成から令和へ改元が行われた年でした。
その30年前の1989年は昭和から平成へ改元が行われた年であり、「ベルリンの壁」という東西冷戦を象徴する存在が崩壊した年であり、日経平均が12月29日の大納会にて終値で3万8915円(ザラ場で3万8957円)という、その後、30年に渡ってまったく更新することができない、不滅の大天井を打った年でありました。
(※これ以下のチャートはすべて基本的に2019年12月26日(木)東京市場終了近辺時点のものとなっています)

(出所:Bloomberg)
1989年の翌年、1990年は平成2年であり、「通年で平成」となった最初の年でした。それは「通年で令和」となる最初の年である、本年、2020年と似た状況と言えるかもしれません。
2019年の日経平均は2万3656円で終了しました。年間終値がこの水準より高かったのは1990年(平成2年)以来のことです。2019年の日経平均は29年ぶりの高値水準で取引を終えたということになります。
とはいえ、日経平均はまだ2018年10月の高値、2万4448円にさえ到達しておらず、さらに史上最高値3万8915円という数字は、アベノミクス相場以降、だいぶ近づいてきたとはいえ、まだまだはるかかなたの天空にそびえ立つ幻の頂きのように思えます。いつかはそこへ再び到達する日が来るのだろうとは思いますが、日経平均が現在の地点からその高みにまで登り詰めるシーンを筆者はまだ具体的にまではイメージすることができません。

(出所:Bloomberg)
振り返って、1990年(平成2年)の日経平均がどうだったかというと、最高値3万8915円から真っ逆さまに転げ落ち、1990年の安値は1万9781円、終値は2万3848円でした。最高値3万8915円が天空にそびえ立つ幻の頂きと感じられるような現在値の水準(2019年終値2万3656円)よりも、さらに低いところまでわずか1年以内の間に下落してしまったというのだからオドロキです。

(出所:Bloomberg)
■史上最高値更新中の米国株が急落することはあるのか!?
現在の日経平均が史上最高値まで遠い水準にあることはすでに述べたとおりですが、目下、史上最高値更新中のものと言えば──それは1989年当時の日経平均と似た状況とも言えるわけですが──NYダウ、ナスダック、S&P500といった米国の株価指数が挙げられます(2019年末の米国株はちょっと調整していますが)。
果たして2020年のNYダウは、1990年の日経平均のように急落するようなことがあるのでしょうか?

(出所:Bloomberg)
もし、そのようになってもCFDなら、NYダウでも日経平均でも売りから入って、下落相場で利益を上げることもできます。いざ、そんな相場がやってきたら、CFDをフル活用することも考えてみてはいかがでしょうか?
【参考コンテンツ・参考記事】
●NYダウや金にも直接投資できるCFD取引会社を徹底比較!
●NYダウを為替リスクなしで取引できる金融商品登場! しかも40倍以上のハイレバで!
●“NY原油”と“東京原油”は何が違う? FX大手のあの会社はCFDでもスゴかった!
以上の話は相場予想の専門家でもない筆者が、「昭和→平成」と「平成→令和」という時代の移り変わりからちょっと連想した戯れ言を書き連ねてみたに過ぎず、大した根拠のある話ではない、ということはお断りしておきたいと思います。なんで日本の改元が米国株に関係あるんだよ?といった突っ込みも考えられそうです…。
■1990年(平成2年)の米ドル/円相場はどうだった?
さて、ここまで株価指数の話が長くなってしまいましたが、では、「通年で平成」となった最初の年、1990年(平成2年)の米ドル/円相場はどんな動きだったのでしょうか?

(出所:Bloomberg)
それは2019年5月1日、平成になった瞬間に公開した以下の平成30年間振り返り記事の中でもある程度説明していますが、1990年1月に143.80円でスタートした米ドル/円は1990年4月に平成最高値となる160.20円まで上昇したあと、下落に転じ、1990年10月には123.75円の安値をつけるといった相場が展開されていました。
【参考記事】
●リーマン・ショックにアベノミクス相場! プレイバック、平成30年間の米ドル/円相場

(出所:Bloomberg)
1990年の米ドル/円相場は2020年の現在よりも基本的に高い水準にあり、その中で上昇局面も下落局面もあったわけですが、いずれにしても当時の米ドル/円は結構ダイナミックに動いていたことは間違いありません。
■動かなかった2019年の米ドル/円。2020年は動くのか?
しかし、以下の2019年振り返り記事でも取り上げているとおり、ここ3年ほどの米ドル/円相場は「動かない、値幅が狭い」ということがとにかく話題です(※)。
【参考記事】
●ザイFX!で2019年を振り返ろう!(1) 大暴落後は動かない、動かない、動かない
(※2019年1月3日(木)には短時間のうちに相場が急落するフラッシュクラッシュはありました。が、短期間のうちに相場は元に戻りました)
過去2年の当コーナーで元旦に公開した記事を振り返って見てみると、ザイFX!連載陣の中でも「前年が動かなかったから、そろそろ動きそう」という見方をする人が結構いたようでした。
【参考記事】
●2018年 謹賀新年:「店頭FX会社だけ規制」に変化した新レバレッジ規制問題はどうなる?
●2019年 謹賀新年:大暴落と大暴騰に波乱の予感!? 三億円事件193回分の騒動はもうご免
しかし、そのような予想を裏切って、年間値幅が徐々に狭くなってきたのがここ3年の米ドル/円相場ということになります。2019年の7.94円という値幅は1973年に米ドル/円が変動相場制に移行してから、最小の値幅なのだそうです。
米ドル/円の月足チャートを見てみると、大きな三角保ち合いがかなり煮詰まってきたのでは…と感じられる形状になっています。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●保ち合いはトレンド継続中の休息期!? トレンド相場の再開に乗り遅れるな!

(出所:Bloomberg)
■2020年、米ドル/円は120円をめざすとの予想も…
そんな状況の中、ザイFX!連載陣の2020年(令和2年)の相場見通しがおおよそ出揃いましたが、ここまで動かなかった年の翌年の米ドル/円は動くのか、やっぱり動かないのか、その見方は人によって分かれているようです。
バカラ村さんは動くことを期待しつつも、「105~115円のレンジでの推移」になるのではないかと予想しています。
また、西原宏一さんはあることが起こったら、「あっさり100円を割り込んでくる」とのシナリオも提示していますが、メインシナリオは「105~112円といったレンジ」と考えているようです。
バカラ村さんも西原宏一さんもそれほど動かないのがメインシナリオということです。
【参考記事】
●エリオット波動から読むポンドの下値は? 3年連続小動きの米ドル/円。2020年は…?(2019年12月24日、バカラ村)
●2大米銀の2020年為替予想は米ドル安! 米大統領選挙は波乱要因になるのか?(2019年12月26日、西原宏一)
一方、陳満咲杜さんは米ドル/円の変動率は「正常」に戻り、年間値幅は「15円~20円程度」になるのではないかと見ています。そして、株高・円安のリスクオン相場が継続し、米ドル/円は120円の大台を打診するのではないかと予想しています。
【参考記事】
●なぜ、フラッシュ・クラッシュは心配ない? 2020年の米ドル/円は120円へ上昇!(2019年12月26日、陳満咲杜)
どうしても動かなかったという印象が強く…
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