■史上最大級の金融緩和は続く
しかし、その根幹にあるのは、史上最大級の金融緩和です。
株式市場は、すでにコロナ後の世界であり、ESG(※)関連には怒涛の資金が流入して歪な状況になっています。
(※編集部注:ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉)
それを修正するには金融引き締めしかありませんが、実体経済は依然として大変であり、失業者も多くいます。
金融政策は、社会の弱い部分にフォーカスして政策が決められます。少なくとも、2023年まで現行の金融政策が続くことがコミットされています。
【参考記事】
●米ドルは状況が落ち着けば下落していく…。ゼロ金利は5年ぐらい続くのではないか?(7月8日、志摩力男)
■バブル的な状況では、ロング維持が正解だったりする
そうであるならば、バブル的な状況は、行くところまで行く可能性があります。
もちろん、症状的にはバブル的、ユーフォリア的であるので、どこかで勝手に腰折れてくるかもしれませんし、何らかの突発的ニュースに動揺するときもありますが、大概の場合、多少利食いを入れてロング維持が正解だったりします。
新たなロングは厳禁ですが、買われ過ぎを理由にショートにするのは、おすすめしません。
決まれば格好良いですが、簡単な上昇相場でショートにして負けるのは、精神的ダメージがきついので、やめたほうが良いかと思います。
■米ドル安・円安という懐かしい相関関係に戻りそう
そして、この株式市場のバブル的状況が、ついに為替市場にも反映されそうになってきました。
【参考記事】
●NYダウが3万ドル突破! バブルが続けば為替市場にリスクオン相場が戻ってくるかも(11月25日、志摩力男)
クラッシックな「リスクオン」相場では、ユーロ円等のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇しやすくなりますが、12月に入ってユーロ/円が上昇してきました。

(出所:TradingView)
現在の金融市場の根幹にあるのが金融当局による超金融緩和ですが、そのトップランナーはFRB(米連邦準備制度理事会)です。
米国は期待インフレ率が他の国よりも高めなので、実質金利が非常に低くなっています。
基本は米ドル下落となりますが、それがクラッシックな「リスクオン」相場と相まって米ドル安・円安という懐かしい相関関係に戻りそうです。
では、米ドル/円は上がるのかというと、そういうこともないでしょう。基本は米ドル売りです。
株価が崩れて「リスクオフ」になった瞬間、米/ドル円は崩れて大きく落ちることになるでしょう。
結果的に、ユーロ/米ドルも上がり、米ドル/円も下がる、米ドル売り相場になりますが、その時々の動きはクロス円に左右されるという相場が戻ってきそうです。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
志摩力男のYoutubeチャンネル「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」で最新動画「月刊!志摩力男」の7月号を公開(2022年6月28日)しました!
志摩さんは米ドル/円が上下に振れていることに注目し、この動きを見る限りでは相場が終盤戦に突入していると指摘しています。終盤戦……ということは、イケイケだった上昇相場に終わりが見えてきたってことなのでしょうか。続きは動画をご視聴ください。
(出所:志摩力男Youtubeチャンネル「波乱が来る!?米ドル/円相場は終盤戦に突入!スイスフランは買い継続!【月刊!志摩力男7月号】」より)
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