まずは、米ドル/円の月足チャートからご覧いただきたい。
これは300本足、すなわち、300カ月分のチャートだ。
1990年からの月足チャートで、過去の値動きを確認しよう。
・1990年4月に、高値160円台をつけている。
・1990年4月の高値160円台から、1995年4月の80円割れ(安値79.75円)まで下落している。
・1995年4月の79.75円から、1998年8月の147円台までは「上昇トレンド」。
・1998年8月の147円台から、1999年12月の101円台までは「下落トレンド」。
・1999年12月の101円台から、2002年2月の135.00円までは「上昇トレンド」。
・2002年2月の135.00円から、2005年1月の101円台までは「下落トレンド」。
・2005年1月の101円台から、2007年6月の124円台までは「上昇トレンド」。
・2007年6月の124円台から、現在に至るまでは「下落トレンド」だ。ちなみに、現時点で安値がいくらになるのかはわからない。
米ドル/円は、上昇する際にはサポートラインの上にあり、下落する際にはレジスタンスラインの下にあることが読み取れる。チャートでは、サポートラインとレジスタンスラインを緑の破線で表示した。
なお、この月足チャートは1990年以降のものだが、それ以前のチャートを見ても同様のことが確認できる。
現在の米ドル/円は、緑の破線で示したレジスタンスラインにアタマを抑えられている。つまり、「米ドル安・円高トレンド」が持続(継続)していることになる。ただ、前述のように、現時点では安値がいくらになるのかわからない。
ちなみに、いつもは180本足(180カ月分)の月足チャートを使ってこのコラムを書いているが、これだと1995年につけた米ドル/円の史上最安値である79.75円が表示されないため、今回は期間の長い月足チャートを活用することにした。
私にとって、この米ドル/円の79.75円の印象は強烈で、今でも記憶は鮮明だ。つい、この間のことのように思えるが、1995年は遠い昔のことなのだと、このことからも改めて確認できる……。
チャートには、79.75円のレベルを青の水平線で表示したが、現在の米ドル/円が1995年以来の安値圏にあることがよくわかる。
また、チャート分析を行うと、次のサポート水準(=ターゲット水準)は米ドル/円の歴史的な安値である80円(正確には79.75円)で、その水準までサポートが何もないことも可視化(ビジュアル化)できる。
■週足では「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成中
続いては、米ドル/円の週足チャートをご覧いただきたい。
これは300本足(300週分)のチャートだ。
前述のように、米ドル/円のトレンドは「米ドル安・円高」で変わらずだと判断している。チャートには、現在のレジスタンスラインを緑の破線で示した。
一方、このところの安値と安値を結んだラインを青の破線で示している。
すると、米ドル/円を週足チャートで見た場合、緑の破線と青の破線で「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していることが見て取れる。
この「三角保ち合い(ウェッジ)」が形成された場合、緑の破線を上抜けたら「買い」、青の破線を下抜けたら「売り」となる。
なお、青の破線を下抜けて「売りシグナル」を発する場合でも、その下にある80.00円(正確には79.75円)近辺は、強烈なチャートポイントだ。
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